Eighter -Noble Gathering-
45ther 〜黄泉帰る闇の軍勢 A〜



#0
神崎通……その正体は黄泉帰った伊賀忍軍棟梁、服部半蔵……現代に黄泉帰った彼は……現代に伊賀の里がない
ために、風魔の里に居候していた……
そして、今回は、そんな神崎通に忍び寄る魔手の物語

#1
三重県、某所
真っ暗な闇に閉ざされた空間……そこに人の気配がチラホラ……
*「……発見いたしました……」
*「む、そうか……」
闇に紛れて声が聞こえる……
*「……ですが、どうも、箱根の……風魔の里に……」
*「……よもや、抜けたと?」
*「は……畏れながら、彼は今もなお伊賀が続いていることを知らないのではないかと……」
*「……そうか……」

箱根、風魔の里
風魔忍者「加藤段蔵様、二曲輪猪助にのくるわ・いすけ様、大変です!何者かが結界を破り、風魔の里に侵入した模様」
勢いよく部屋におしかけ叫ぶ風魔。
加藤段蔵「何だと?」
某收それがし・おさむ「それはまことでござるか?」
※ちなみに某收それがし・おさむ二曲輪猪助にのくるわ・いすけを襲名していますが……まぁ、今まで通り、某收それがし・おさむで通します
風魔忍者「は、申し訳ございません……」
平伏する風魔
段蔵「よもや、小太郎が不在の時にこのような事態が起ころうとは……」
余談であるが、風魔三大師範の1人、風魔小太郎は今、用事があり、風魔の里を離れているのだ
留守を任されておきながら、何たる不覚……と段蔵
おさむ「段蔵殿……」
段蔵「うむ、分かっておる……出陣じゃ!」

一方その頃……

神崎通は腕組をしながら、風魔の里一番の大樹の頂点に突っ立っていた。
神崎通「……この風魔の里に、侵入者か……まぁ、無理もない……」
通自身も、風魔の結界を破り、風魔の里に侵入した伊賀の忍者である。
彼の生きた時代からしてみれば現代の風魔の結界は無いに等しいのだ……
通「雷魔騒動が終わり、平穏な日々が訪れると思ったが……さすがにそうはならないか……まぁ、その方が都合
 がいいのだがな……」
そして、風魔の里への侵入者に興味を持った通は、そのまま大樹から一気に地面へと降りる。
通「……そこの、出て来い……」
*「……流石……」
*「バレましたか……」
すぐさま、侵入者を見破り、見向きもせず殺気を飛ばして威嚇……と、同時に侵入者が声を出す
通「このような場所までご苦労なことだ……」
と、その次の瞬間、侵入者2人が通に対して平伏しだす
*、*「お迎えにあがりました、服部半蔵正成まさなり様……」
通「何?」
おさむ「伊賀の忍び……でござるか?」
通にも報告を……とおさむがそこへやってきて、一部始終を目の当たりにし思わず口を開く
通「迎えに来ただと?」
そのまま侵入者を睨みつける通であった。

#2
伊賀忍者「……は、服部半蔵正成まさなり様……あなたはこの現代に伊賀の里が存在しないからこそ、似たような場所
 である風魔の里にいらっしゃると思われますが……」
伊賀忍者「ご安心ください、三重県に伊賀の里は今も続いております」
おさむ「何と!」
それだけではない……滋賀県には甲賀が、そして、長野県には戸隠が今もなお続いております……と続ける
伊賀忍者。
おさむ「何と……」
風魔、伊賀のみならず、甲賀や戸隠まで存続していたとは……と驚きを隠せないおさむ
通「それで……俺にどうしろと?」
伊賀忍者「貴方様には是非伊賀の里に帰ってもらいたいのです」
通「……帰って来い……だと?」
伊賀忍者「は、服部半蔵正成まさなり様に、伊賀を導いてほしいのです」
通「……帰れ……」
伊賀忍者「服部半蔵正成まさなり様!?」
即答で消えろと言われ、思わず伊賀忍者は顔を上げる
通「伊賀の里が……甲賀、戸隠も存続していることなど、とうに知っている」
黄泉帰ってから諸国を渡り歩いて知ったことだ……と通
伊賀忍者「では、なぜ……」
通「貴様らのその性根よ……どうせ、辛うじて存続はしてるが、既に瓦解寸前なのだろう……」
伊賀忍者「う……」
痛いところを突かれ言葉に詰まる伊賀忍者
通「服部半蔵の雷名で再び伊賀を盛り上げようなどと……そのような集団の長になどなりたくはないわ!」
伊賀忍者「……」
通「分かったならとっとと帰れ……」
伊賀忍者「……しかし……」
通「それでもなお、伊賀の存続にこだわると言うのならば、俺が直々に伊賀に引導を渡す」
伊賀忍者「そ……それは……」
*「ハッハ〜そいつは好都合だ……伊賀が潰れるというのならば、甲賀の末席に身を連ねるこの俺にとって
 なかなか甘美な出来事だ」
一同「な、誰だ!?」
突如そこに声……
おさむ「そこでござるか?」
先ほど、通が立っていた大樹の頂上……そこに漢はいた……
通「……甲賀……だと?」
風魔の里に伊賀忍者を侵入させただけではなく、甲賀忍者まで侵入させたのか……と風魔忍者
*「戸隠もいますけどね……」
一同「うわお!?」
そして、更に背後より声……振り向くと黒いスーツを着こなした眼鏡の漢が立っていた……
おさむ「伊賀に甲賀に戸隠……でござるか?……」
一体、何が起きているでござる?と困惑するおさむ
戸隠忍者「服部半蔵……いや、神崎通か……アンタが伊賀の里を潰そうがどうしようが別に構いはしないんだが
 ちょっと待ってくれんかね……」
通「……どういう意味だ?」
*「それは、私から話そう……」
一同「風魔小太郎様!?」
そして、帰ってきた風魔小太郎……集う忍軍……一体、何が起ころうとしているのか!?


続

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