#3
孤高の剣鬼・萌 VS 東斗陽拳・ケン……この死合、ケンに軍配が上がったかに見えたが、しかし、萌、復活す
……
かくて、死合は第二幕へと突入するのであった
※どうでもいいけど、ケンには通り名がないんですね……
庵刷（いおずり）ケン「やってくれる……」
背後より斬りつけられたケンは忌々しげに萌を睨みつける……
一方、萌は錬魔操剣（れんまそうけん）を使い、3本の刀を手繰り寄せていた
天然蛍（あましか・けい）「へぇ〜、それで操れるのって2本までじゃなかったんだ……」
それを見てどうでもいいことに感心するのは蛍（けい）である
突込魁（とつこみ・かい）「……」
ちなみに、魁（かい）は呆れてものも言えない様子だ
冥時（みょうじ）萌「さて……死合の第二幕を始めようか……」
ケン「……いいだろう！今度こそ殺す！」
かくて、両雄は一足飛びにかかる
元石美鈴（ウォンソ・メイリン）「……これデ勝負は互角……ゼロに戻ったノか？」
河上沢斗（たくと）「ん〜〜、どうだろうね……」
ぽつりと呟く美鈴（メイリン）に対し答えをはぐらかす沢斗（たくと）
沢斗（たくと）（確かに、東斗陽拳は強い……けど……）
そしてそのまま黙って死合を見守る沢斗（たくと）
先ほど、ケンが語った経験……世界を転々とし、銃撃を素手で撃ち払うことで東斗陽拳を磨き続けてきた……
だから、ケンは今の日本の裏の世界の住人の誰よりも強い……
しかし、萌も……そして、今、裏の世界で刀剣類や徒手空拳をメインに殺しを続けている殺し屋とてそれは同じ
である……
銃器の性能の違いは多少はあるだろうが……しかし、萌もまた、銃撃を相手に互角以上に渡り合える存在である
のだ……
※え？じゃ、なんでさっき劣勢を強いられていたのか？……それは誰にも分からない（ヲイ……待ちなさい）
つまり、萌とケンとでアドバンテージの差はないのだ……
庵刷（いおずり）ケン「おおっ！光手穿杭（こうしゅせんこう）！」
冥時（みょうじ）萌「フン」
ガキンッ
光の刃を纏った抜き手が萌に放たれる……が、しかし、それを右の刀で受ける萌
ケン「ハッ！光脚貫薙（こうきゃくかんてい）！」
だが、それは想定済み……ケンはすかさず光の刃を纏った左脚で萌を横に薙ぎ払いにかかる
萌「だが、甘い！」
ギンッ
しかし、左の刀でそれを受ける萌
ケン「フッ光手無影（こうしゅむえい）！」
両手を封じれば、貴様に勝ちはない……とケン……しかし、萌には錬魔操剣（れんまそうけん）がある……迫る光の刃を纏った左の
手刀を気で操った刀で防ぐ萌
萌「手数の方は、俺が上だ！」
更に萌は気で操った刀でケンに斬りかかる。
ケン「な……めるなッ！光脚陰殺（こうきゃくいんさつ）」
ガキンッ
一同「なっ？！」
両手、片足を攻撃に繰り出している状態で、更にもう片足も攻撃に繰り出せるなどと、誰も思わない……
しかし、ケンはそれをやってのけた。
萌の左右の刀を光の刃を纏った両手で握り締めると同時に、光の刃を纏った右脚で後ろに蹴り抜き萌の4本目の刀
を防いだのだ

#4
ケン「どうだ……少しは驚いたか？」
蛍（けい）「うん、びっくり」
一同「……」
それはお前に対して言った台詞ではない……と一同、心の中で盛大に突っ込みを入れる。
萌「だが、そこまでだッ！殺眼剣鎖（さつがんけんさ）ッ！」
ズドオンッ
ケン「ぐぅ……」
……膠着したかと思われた死合だが……しかし、萌は更に追撃を行う。
魔眼の力で相手の動きを封じる奥義、殺眼剣鎖（さつがんけんさ）……萌はそれを駆使してケンを後方へ吹き飛ばしたのだ。
ケン（なん……）
魔眼の力で相手の動きを封じるだけが殺眼剣鎖（さつがんけんさ）ではない……殺眼剣鎖（さつがんけんさ）にはこのように相手を弾き飛ばすことも
出来るのだ……
※そして、殺眼剣鎖（さつがんけんさ）は究極的には相手を意のままに操ることも出来ます。
ケン「ちぃい……」
吹き飛ばされたケンはすぐさま体勢を立て直し、萌を睨みつける。
ケン（手数は孤高の剣鬼の方が上か……）
だが、手数が多い方が有利というわけでは必ずしもない……とケン。
確かに、それは正しい。
ケン「……」
萌「……」
その後、双方は睨みあったまま微動だにしない。
美鈴（メイリン）「……空気ガ……重い……」
張り詰めた空気に思わず美鈴（メイリン）が呟く
沢斗（たくと）（次で勝負が決まるか……？……いや……）
そして、永劫とも思えるような緊迫した空気の最中、最初に動いたのはケンだった……
ケン「東斗陽拳・秘拳……光勁万象凛（こうけいばんしょうりん）」
ズガガガガガガガガガッ
合掌と、同時にケンの全身から全方向に光の刃が飛び交う
萌「六壬移臠陣（りくじんいれんじん）！」
ドドドドドドドッ
空間を転移しつつケンをズタズタに斬り裂きにかかる萌
萌「うおおおおお！」
ケン「はあああああ！」
萌の斬撃が……ケンの光の刃で相殺されていく……
双方、技の威力は互角……
そして、両雄は間合いを詰め、一足一刀の間合いへ……
ケン、萌「ハッ！」
……いや、更に一足一刀の間合いすら超える両雄……そして……
ケン「終わりだッ！東斗陽拳・秘拳ッ！光勁零波動（こうけいれいはどう）」
萌「貴様がなッ！宗動歳破陣（そうどうさいはじん）！」
右手を天に掲げると同時に、光の刃が収束し、光の球体が出来上がる。
そして、それを萌に解き放つケン
一方の萌も魔眼の力を高め、4本の刀に黒き光を纏わせケンに斬りかかる
カカッ
そして、黒い光と白い光とが激突し、萌とケンは爆発に包まれる。
一同「ぐお！？」
……果たして、萌 VS ケン……この死合、どう決着するのか？


続