Eighter -Noble Gathering-
41ster 〜乖した剣鬼をすなどれ A〜



#0
裏の世界を抜けだした萌……その背信行為を粛清すべく、裏の世界は刺客を送り込んだのだが、しかし、それらは
ことごとく返り討ちにあい、萌は放置する方針になりかけたのだが……
しかし、そんな折、1人の漢が萌の粛清に名乗りを上げる……
かれこそは20年前に姿を消した東斗陽拳の伝承者、庵刷いおずりケン……
かくて、ケンと萌との死合が始まった……

#1
冥時みょうじ萌「……貴様は、そんなに自分が強いと思っているのか?」
庵刷いおずりケン「……自負するね……俺はこの20年間世界を転々としながら、各国の裏の世界の住人を屠り、東斗陽拳を
 磨き続けてきた……」
おかげで今ではマシンガンの弾すら払い落せる!と豪語するケン
萌「……」
確かに、世界を考えれば裏の世界で未だに刀剣類をメインに使っているのは日本や中国位であろう……
故に、各国の裏の世界の住人を相手に素手で銃撃と渡り合ってきたケンは今の日本の裏の世界の住人よりも強い
と言えなくもないが……
しかし、それとこれとは別物であり、納得がいかない様子の萌であった
萌「そんな台詞は、俺の剣を全て受けきってからにしろ!」
ズズズズズッ
そして、萌の殺気が膨れ上がる
ケン「来い!孤高の剣鬼……貴様は今日、俺の手により死す……」
萌「ハッ!遁甲破元陣とんこうはげんじん」
ザシュガアアアッ
ケンもろとも亜空間を切り裂きバラバラに引き裂きにかかる萌
ケン「……フッ、東斗陽拳・秘拳……光勁縮退禍こうけいしゅくたいか」
バアッシュ
萌「な……んだと?」
萌が切り裂きにかかった亜空間が突如弾け飛ぶ
そして、弾け飛んだ亜空間はそのまま萌へ帰ってくる
ケン「終わりだ!孤高の剣鬼」
ズドオオンッ
萌「ガッ……」
更にケンの追撃……腹部に拳を受けた萌はそのまま派手に吹き飛び、地面に叩きつけられる。
ケン「……フ……」

……かくて、勝負は決した!?

河上沢斗たくと「……これは……」
沢斗たくと美鈴メイリンけいかいが駆けつけた時、既に全ては終わっていた……
庵刷いおずりケン「……おや、これは、明殺みょうさつ者ですか?」
元石美鈴ウォンソ・メイリン「……孤高の剣鬼ガ……敗れタ!?」
ケン「観戦ですか……すみませんね……しかし、既に全ては終わったのですよ」
天然蛍あましか・けい「へぇ……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
と、次の瞬間、空気が一変……というか、急激に暑くなる。
火がついた(言い得て妙)のけいが相手になろうと一歩前に出たのだ
突込魁とつこみ・かい「ちょ、このまぬけい!」
アンタでも勝てるのかどうかわからないでしょうが!何熱くなってるのよ!とかいの突っ込み……だが、しかし、
もはや、けいに彼女の声は届いていない様子だ……

#2
ケン「……ほほう、次は貴方が私に勝負を挑むというのですか?……裏の世界の住人でもない貴方が……」
孤高の剣鬼の仇を取る……というわけでもなさそうですし、純粋に死合いたいのですかな?と冷静にケン
それは、勝者の余裕だ……
美鈴メイリン「って、けいの夢ハよく当たるンじゃなかったノか?」
沢斗たくと「そんなこと言われてもね〜……今までは全部当たっていた気がするんだよね……」
けい「やっぱやめる」
しかし、次の瞬間には興が覚めたのか、いつものぼけぼけとしたけいに戻る
ケン「どうやら、私の実力を悟り、死合を辞退したようですね……ふふふ……自分の弱さを知るというのもなか
 なか殊勝な心がけですよ」
けい「へ?……何を言っているのかな?……俺がやめると言ったのは、まだ、君の後ろに対戦相手がいるからだよ」
首を傾げながらそんなことを言い出すけい
ケン「ハハ……」
何をおっしゃる……と、言いかけて止まるケン
ゴゴゴゴゴゴッ
しかし、次の瞬間、異常な殺気が辺りを包み込む
ケン「……まさか……」
そして、振り向くと、そこには起き上がった萌の姿があった……
ケン「馬鹿な……我が東斗陽拳の秘拳を喰らって生きていた者など皆無……」
冥時みょうじ萌「なら、俺が最初の1人だ!」
ケン「ありえない……東斗陽拳は最強の暗殺拳……」
けい「現実を認めようね……」
ケン「……クッ……いいだろう……もしかしたら、相手が女だからと心のどこかで手加減をしていたのかもしれん
 ……だが、次は殺す!」
萌「貴様に次はない!」
ケン「ほざけ!光勁縮退禍こうけいしゅくたいか!」
亜空間を引き裂き萌に叩きつけると同時に腹部への一撃……
萌「転移衝てんいしょう」
しかし、それを空間転移で回避する萌
ケン「また、その技か……」
逃げることしかできない貴様に、俺を斃すことなど絶無!と叫ぶケン
確かに、その通りではある……
ケン「そこだ!光手無影こうしゅむえい!」
バシュアアアアッ
萌が転移した先をいち早く察知し、光の刃を叩き込むケン
萌「だが、甘い!」
バシュアアアッ
ケン「何だって!?」
しかし、萌はケンの背後に出現……そのままケンを切り裂きにかかる
ケン(馬鹿な……俺が相手の気を見間違えることなど……有り得ん……)
つんのめりそうになりながらも辛うじて体勢を維持し、その場から転がるように逃げて距離を置くケン
と、同時に、なぜ、自分が萌の気を見間違えたのかを理解する
ケン「貴様……」
ケンの背後に現れた萌は……右手にしか刀を持っていなかった……
そして、ケンが攻撃を放った先には3本の刀が……
そう、萌は自分の殺気を纏わせた刀を3本、囮にしケンをの注意をひきつけ、狙ってケンの背後に転移したのだ
……はてさて、この死合、どう決着する!?


続

前の話へ 戻る 次の話へ