Eighter -Noble Gathering-
39ther ~鬼才達の滅死咆哮 C~
#5
娘を殺されたことから仇を殺るべく沢斗、弐に襲い掛かった沖田&土方父……だが、そんな2人を相手に沢斗、
弐は遊んでいるかのような振る舞いで立ちはだかる。
……そして……死合はいよいよ涙最高!
※『涙最高』って……『クライマックス』を無理やり日本語訳にしないでください!
河上沢斗「さてと……じゃ、ぱっぱと終わらせようねぇ」
斎藤弐「……キサマの戯言に付き合う暇などないが……確かに遊びはこれまでだな……」
ズズズズズズッ
そう呟くなり、沢斗、弐の殺気が凄まじく膨れ上がる
土方歳之輔「遊び……!?」
沖田総一郎「フッ……」
歳之輔、総一郎「遊びはまだまだこれからよッ!」
歳之輔「でああああ!!閃影刃・鬼門」
ゴガッ
心臓目掛けて2回の刺突が飛ぶ
総一郎「ハッ!神鎗・霓鐫窮」
ボボボボボボボッ
1撃1撃が必殺に相当する刺突を7回繰り出す
スカアアアアッ
歳之輔、総一郎「……あ!!?」
だが、その渾身の一撃は2人には届かず虚しく空を斬る(いや、正しくは『突く』か……)
歳之輔「き……消えた!?」
総一郎「おちつけ、土方、いくらなんでも人間が消えるわけがない」
沢斗、弐を見失って慌てる歳之輔に優しく総一郎が宥めるのだが……今はそんなことをやっている場合ではない
安村蛟(ねぇねぇ、2人はどこに?)
安村蟒(上だバカ!)
そんな中、蟒と蛟は能天気に会話を繰り広げる
蛟(上~~?)
そう言って蛟が空を見上げると、確かに、上空には沢斗と弐が舞っていた
沢斗、弐「はああああ!!!!」
ゴアアアアアッ
そのまま重力加速をつけて降りてくる
総一郎「う……えだッ!」
歳之輔「な……んと!!!?」
ズギャアアアアアアッ
飛び込んで来た2人を辛くも回避する歳之輔、総一郎
歳之輔「フッ……空からの一撃……やるなぁ……」
総一郎「ですが、それは一度きりの大一番……外されてしまえば無防備……にっ……」
と、そこで胸を押さえる総一郎
総一郎「……無防備になるんだっ!」
だが、気力で肺の苦しみを堪える総一郎、そして叫んだのであった
歳之輔「今度こそ……死ねぇああ!!閃影刃・鬼道」
刀を回転させながら突きかかる
総一郎「フンッ……神鎗・乱犠竊」
確実に相手の心臓を穿つ刺突を繰り出す
ガギンッ
歳之輔、総一郎「な……に!?」
沢斗、弐「……どこが無防備だって!?」
しかし……再びいとも簡単に刃が止められてしまう
沢斗「な~~~んかスローすぎて欠伸が出るよね……」
弐「……お前はどこかの北斗の者か!?」
沢斗「じゃ、弐ちゃんは南斗?」
弐「……勝手にやってろ!」
歳之輔、総一郎「キサマら!イチャつくのは後に……」
弐「誰がだっ!」
聞き捨てならない弐は怒りと共に刀を振るう
#6
バキインッ
総一郎「な……なあ!?」
そして、弐の怒りの一撃と同時に、総一郎の刀が砕かれる
沢斗「うん、これで勝負ありだね」
歳之輔「ほざけ!まだ俺……」
ビキビキビキビキッ
と、その時、歳之輔の刀にも罅が入り、そのまま砕け散る
歳之輔「バ……バカな……」
沢斗、弐の2人を相手に歳之輔、総一郎では力不足だった……
逆を言えば、沢斗、弐は歳之輔、総一郎が相手では役不足だった……
※いやいや、いちいち逆に言わなくてもいいから……
沢斗「さぁ~~て、鬼畜プレイの土方サン、アナタの愛しの娘にもうすぐ逢えますよ。何か言い残す
ことはありますかねぇ?」
弐「肺を病んでいるお前に私は斃せない……仇討ちなど所詮無理だったのだ……」
ニヤニヤしながら愛刀・デュランダルを突きつける沢斗
そして、冷ややかな表情のまま愛刀・アロンダイトを突きつける弐
歳之輔、総一郎(グ……こ……こいつら……)
この時、歳之輔、総一郎はようやく悟った……自分たちでは娘の仇を討つ事ができない……と……
眼の前に立つ沢斗、弐がずば抜けた剣才を持つ剣士である……そして、自分の娘はその才に負けたのだ……と
歳之輔「桁が違う……」
総一郎「違う、次元が違うんだ……」
歳之輔の言葉を訂正する総一郎だが、しかし、どちらも対して変わらない……
沢斗、弐「それでは、さようなら……」
ズバシュッ
そして、沢斗と弐は同時に歳之輔、総一郎の命を摘む。
歳之輔、総一郎……娘の仇を取ること敵わず、その場に頽れる……
沢斗「……暇つぶしにもならなかったねぇ……」
弐「……」
あ~~あ、帰って寝よう……とか言いつつのほほんと沢斗は去ろうとする
弐「待て……」
沢斗「ん?何?弐ちゃん……殺し足りない?……うん、実は俺も……」
弐「……今日こそ貴様との禍根を断つ!」
死ねッ!と襲いかかる弐をひょうひょうと躱しつつ斬撃を叩き込む沢斗
弐「貴様ッ」
沢斗「うん、やっぱり、死合はこうでなくちゃね……」
ズガガガガガッ
そして、そのまま先ほどの歳之輔、総一郎との死合とは比べ物にならない激しい死合が展開される
#7
蛟「輝いてるね……」
蟒「夫婦喧嘩は犬も食わん……」
誰が夫婦か!という弐の怒号が聞こえたような気もしたが……しかし、それは撃剣の中に消えてしまった……
そして……
沢斗「はぁ~~、楽しかった……また死合おうね……」
結局、死合は引き分け……いや、弐の方が先に体力が尽きて地面に突っ伏しているところから沢斗の勝利とも
言えなくもない……
弐「ま、待て……」
しかし、待てと言われて待つような沢斗ではなく、沢斗は颯爽とその場を去っていく……
……うむ、この2人に決着がつくことがあるのだろうか……
END
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