Eighter -Noble Gathering-
40ther 〜離した剣鬼を屠れ A〜



#0
裏の世界から去った萌……
だが、それは背信行為と見なされ萌の抹殺が発動されたのだが……しかし、萌は迫る刺客を駆逐し、計画は失敗
に終わった……
……しかし、これで全てが終わったわけでは無かった……
これは、そんな裏の世界と萌との物語

#1
東京都、タワーYATO
そこは表向きは日本剣術組合の総本部であるが、しかし、裏の世界の重鎮の本拠地でもあった……
そして、このタワーの闇に閉ざされた会議室の一室にて、白熱した議論が交わされていた
百井銀牙「だから、勝手に裏の世界を抜けるなどと、重大な背信行為であると言っているのだ!」
机をたたきながら叫ぶのは、かつて萌の抹殺依頼を受けたものの、萌に敗れた殺し屋、百井銀牙である。
刃金鐵郎てつろう「まぁ、確かな……言いたいことは分からんでもない……」
だが、裏の世界で無敵と称されていたお前でも勝てなかった相手に一体誰が勝てると言うのだ?との声もちらほら
と挙がってくる。
*「ならば、集団で襲いかかるという手もあるのではないかね?」
陸堕威蔵おかだ・いぞう「……フン、だが、それでも、個々がバラバラに動けば結果は同じだ……」
*「……確かに……それはそうだな……」
統率のとれた軍隊の様に行動すれば別だが……しかし、我らにそのような行動がとれると思うかね?と1人が声を
あげる
鐵郎てつろう「そして、俺達に統率のとれた連携が出来るとでも?……フフ……無理だな……」
銀牙「……」
その言葉に黙り込み、どすんと椅子に座る銀牙
河上沢斗たくと「まぁ……抜けると言っているんだから、放っておけばいいんじゃないの?」
元石美鈴ウォンソ・メイリン沢斗たくと!」
あっけらかんと意見を放つ沢斗たくとに、視線が注目する
沢斗たくと「俺は嫌だよ……孤高の剣鬼とことを構えるだなんて……」
威蔵いぞう明殺みょうさつ者……」
沢斗たくと「大体、もし、軍隊を組んで孤高の剣鬼を斃したとして、それでも、相討ちだったなら……」
一同「うっ……」
裏の世界に未来はないんじゃないか?と沢斗たくと。
その発言に一行も言葉を詰まらせる。
天然蛍あましか・けい「うん、そ〜だね、放っておくのが一番だね」
一同「!!!!」
そして、けいの発言に一行は戦慄する。
銀牙「貴様……」
*「どうやってここに入った?」
ここは裏の世界の住人のみが立ち入りを許された場所……それなのに、なぜ、裏の世界の住人でもない奴が紛れ
込んでいる?と会場は騒然である
突込魁とつこみ・かい「へ?……え?……えぇ?」
そして、その傍らにいるかいも驚きを隠せない
未地葉呂九三郎みちばろ・くさぶろう未地葉呂九四郎みちばろ・くしろう明殺みょうさつ者……貴様がこいつを招いたのか?」
沢斗たくと「ハハハ……まさか、俺がそんなことをするわけないじゃん……俺だって裏の世界の住人の端くれだよ……」
裏の世界に殺し屋以外を招くはずがないじゃないか……それ位の分別はあるよ……と沢斗たくと

#2
……そう、けいは『そういえば、俺、殺し屋だった』……などと呟くことがあるが、しかし、本当は殺し屋では
無かった……つまり、けいは裏の世界の住人ではないのだ
※ちなみにかいもBoAとして名を馳せていますが、殺し屋ではなく、壊し屋……破壊の結果、死のうが生きようが
 相手の勝手であり、彼女もまた裏の世界の住人ではないのだ

銀牙「貴様……一体どうやってここに入り込んだ?」
けい「え〜〜、どうやってって……普通に入口から?」
*「ふざけてんのか!」
ぶっ殺すぞ!と抜刀したり拳銃を構える奴も現れる始末
けい「物騒だなぁ……もう……」
*「捨て置け……入ってきた者は仕方がない……」
一同「で、ですが……」
一触即発賭する中、声を発するのは会議室の奥の奥……隠れて見えないが、上座と呼ばれる席に座る老人である。
……彼こそは日本の裏の世界の頂点に君臨する漢……通称『魔刃翁』
魔刃翁「この場所は、表向きは日本剣術組合の総本部……裏の世界の住人のみが立ち入る場所ではない」
銀牙「ですが、魔刃翁……それでも、今のこの場は裏の世界の住人のみが集う場所であります」
魔刃翁「ほぅ?裏の世界の住人のみと申したか?」
一同「……」
魔刃翁の言葉に黙り込む一同……
確かに魔刃翁は裏の世界の頂点に君臨する存在ではあるが、しかし、表向きは日本剣術組合の頂点に君臨する
存在でもあるのだ……
つまり、純粋な意味で魔刃翁は裏の世界の住人では無い。
魔刃翁「それよりも、議題は孤高の剣鬼のことであろう」
一同「……」
と、いうわけで、議題は裏の世界を去った孤高の剣鬼に戻る。
銀牙「おい、非情の剣鬼!……孤高の剣鬼が貴様の妹なら、姉たる貴様がどうにかする問題じゃねぇのか?」
そして、銀牙の怒りの矛先は孤高の剣鬼の姉である、非情の剣鬼へと注がれる
冥時萎みょうじ・なえ「……それが、本家の命ならば従おう……」
だが、そんな命は下されていない……ならば、私が妹を殺す理由はない……となえ
銀牙「貴様……孤高の剣鬼が勝手に裏の世界を抜け……そして、その後釜を押しつけられた……そのことを怨んで
 いたりしないのか?」
なえ「見解の違いだな……私はそうは思っていない……」
それとは別に妹のくせに自分より豊胸なんて……と思ったことはあるが……と胸に手を置き考えるなえ
一同「……」
そして、一行に沈黙が訪れる……
……果たして、この騒動、どう決着するのか?


続

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