Eighter -Noble Gathering-
33rder 〜とぶらう紅き鳳凰の章 C〜



#3
元人交喙いすかの父親、鷦鷯しょうりょう……彼は世界に名を馳せたトレジャーハンターだったが……今はもはや故人である。
そして、これは、そんな鷦鷯しょうりょうの十三回忌に因んだ蔵の整理に起きた事件(え?事件なの!?)
梓與鷹よたか「……さすがは……世界に名を馳せたトレジャーハンターだな……」
蔵に集められていたオーパーツの量に感嘆する與鷹よたか。
元人交喙いすか「まぁな、親父は世界をまたにかけたトレジャーハンター……一説によると世界で十本の指に入る腕前
 だったらしいからな」
梔曹くちなし・つかさ「トレジャーハンターなんてのがまだ世界に少なくともまだ10人もいるのか……それはそれで驚きだな」
交喙いすか「おいおい……」
と、そんな折、與鷹よたかは棺の様なものを発見する
與鷹よたか「なんだ?これ……」
早速開けてみようとするが、びくともしない
與鷹よたか「おい、交喙いすか、この棺……何だ?」
交喙いすか「……何だろうな……あかないのか?」
與鷹よたか「全く……」
白拍子かんな「リーダー、ここ」
と、かんなが指差すと棺に透明なピンが刺さっており、それが鍵の役目をしていた。
與鷹よたか「こいつは……」
それは、水晶の栓ならぬ、水晶のピンだった……
交喙いすか「あ、開いた……」
そして、水晶のピンを抜くことで棺はいとも簡単に開けることが出来……中には……
與鷹よたか「……これ……マヤの水晶ドクロじゃねぇか!?」
つかさ「あん?」
だが、それは厳密には水晶ドクロでは無かった……否、水晶製の部分はドクロのみではなかった。
その棺の中には水晶で造られた全身骨格が納められていたのだ
つかさ「こいつは……例えるならば、水晶全身骨格だな……」
一同「……」
水晶ドクロならなんだか格好いいんだけど、水晶全身骨格ってなると途端に格好よさが半減してしまう。
日本語って不思議……などとどうでもいいことを思う一行であった。
つかさ「……お、おい、見ろ、これ……」
與鷹よたか「どうした?」
続いて、つかさが大声を張り上げる。
交喙いすか「これは……」
そして、つかさが取り出したるは……骨壷であった
一同「……」
なんでこんなものがここに?とは一同総意の疑問である
トレジャーハンターたる交喙いすかの父がハントしてきたトレジャーなのだろうか……しかし、それにしても、何故に
骨壷……などと思っていると……
與鷹よたか「待て……ラベルが……」
交喙いすか「ん?……シナントロプス・ペキネンシス……何だこりゃ?」
聞いたことのない名前に首を傾げる交喙いすか
與鷹よたか「骨の持ち主……の名前か?……いや、待て、しかし、どこかで聞いたような……」

#4
かんな「……北京原人の学名……ですが、今はホモ・エレクトス・ペキネンシスが正しい学名になっています」
一同「何だって!?」
と、そんな時、かんなの超運による解説に一同騒然。
※かんなの超運による正しい解説にも驚きを隠せませんが、それ以上に北京原人の骨という部分が驚きを隠せない
 部分なのです
つかさ「ってことは、これ、北京原人の骨なのか?」
與鷹よたか「だとしたら、大変な発見じゃねぇか……」
北京原人の骨……それは、その多くが日中戦争の最中に紛失してしまった代物……もし、完全な骨が残って
いるのならば、それは歴史的に大変価値のある代物である。
早速期待を胸に骨壷を開けるつかさ……しかし、中は灰だった……
一同「……」
たしか、とある世界的に有名な泥棒の三代目のTVアニメ2期シリーズに同じように北京原人の骨を盗むという
話があったが、しかし、その骨は10年前に火事で焼け、灰になってしまった……というオチがあったが、これも
正にそのオチを再現したようなものであった
與鷹よたか「……蔵の整理……続けるか……」
つかさ「……だな……」

その後も出るわ出るわよく分からない代物……
ヒイロ○ユイの行動パターンを詳しく分析したレポート『ヒイロの研究』
細心の注意を払って扱わないとすぐバラバラになる『バラける煤の秘石』
饕餮とうてつの瞳のような(ってどんなだよ)宝石『トウテツアイ』
流石に交喙いすかもトレジャーハンターってこんな職業だったっけ……と自分の職業に幻滅するのであった……

……そして、蔵の整理を始めてはや2時間……

わけのわからないものはこの際処分すると言うことで次々と先ほど出てきたおかしな代物をごみに出すこと
で蔵も大分すっきりしてきたのだった
交喙いすか「ふぅ……大分片付いたな……」
與鷹よたか「ああ、そうだな……」
交喙いすか(……俺の黎t劫棍れいきょうごうこんもこの蔵の中で見つけたんだけどなぁ……)
與鷹よたか(……まぁ、分かっていたさ……オーパーツがごろごろしているわけがないってことは……)
與鷹よたか與鷹よたかでオーパーツに釣られてやってきたものの、肝心のオーパーツが存在しないが、しかし、文句の
一つも言わず作業を続けていた。
手伝うと言った手前もあるのだろうが……
つかさ「……」
與鷹よたか「どうした?」
つかさ「これ……」
つかさが下を向きながら呟く……
交喙いすか「ん?」
蔵を整理し、不要な品物あらかた捨て去ったからこそ分かったが、どうやら隠し扉の様なものがそこにあった
交喙いすか「隠し扉?」
與鷹よたか「……のようだが……」
一同、ゴクリと喉を鳴らす
果たして、その中には一体何が納められているのか?


続

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