Eighter -Noble Gathering-
30ther 〜柳生なる剣の系譜 B〜



#3
かく眼同盟本部に突如やって来た漢……彼の名を柳生七吟なぎんといい、何でも柳生七郎左兵衛しちろうさべえの子孫を名乗るもの
だとか……で、なんだかどうにも兵子ひょうことの因縁の死合が始まったのだ……
柳生七吟なぎん「行くぜコラァ!!廿弐にじゅうに式・鋼鉄斬り!」
ゴウンッ
大きく振りかぶってからの一刀両断……が、それも兵子ひょうこには通用せず……
柳生兵子ひょうこ「……」
無言で回避する兵子ひょうこ
七吟なぎん「ええい!いつまでも避けられると思うなぁ!!!」
あくまで物静かな兵子ひょうことあくまでやかましい七吟なぎん……
島友近ゆこん「……そう言えば……」
伊達宗美「ん?何か?」
と、そんな中、何かを思い出したかのように友近ゆこんが呟く
友近ゆこん「柳生七郎左兵衛しちろうさべえとかいう人物は兵庫助……ではなく、左近、甲斐の六郎らに斃された……という記録
 があったはずですが……」
おかしいですわね……真っ先に抹殺に来るのならば、私の元が正しいはずでは?と友近ゆこんも首をかしげる。
宗美「ん〜〜〜?」
宗美がちょろっと考え込んでいると、友近ゆこんが詳しくは原○夫原作のSAKON左近 -戦国風雲録-を参照して
くださいまし……とどこからともなくコミックを取り出す。
※いや、なぜにコミックなのですか!?……友近ゆこんさん……家に代々伝わる書物とかならまだしも……
友近ゆこん「しかし……その記録によれば。柳生兵庫助もまた左近側についた人物……ならば……まずはその仇を……
 と、いうことなのですかね?」
宗美「……いや、そんなことを言われてもねぇ……」
まぁ、なんでもいいんじゃない!?……ともかく、敵意をむき出しにしている奴は斃すに限る……と宗美が呟く
友近ゆこん「やれやれ……」
あなたは気楽でいいですわね……と友近ゆこん。

そして、そんなギャラリーの会話はどうでもよく……話は死合に戻ります
ズダンッ
ガギイイインッ
兵子ひょうこ「……」
七吟なぎん「ぬぅうう〜〜〜〜!!」
無言で七吟なぎんの剣術を回避する兵子ひょうこ……
前田松子(まぁ、あんなに大声で叫んでいたら、すぐ回避されますよね……)
友近ゆこん、宗美(……)
七吟なぎん「ええいッ……今度は外さん!!」
スウッ
右腕を上げての刺突の構えを取る七吟なぎん
友近ゆこん「あ……あの構えは……」
もしや……などと思っていると案の定、七吟なぎんはその技を繰り出す。
七吟なぎん「ハッ!参拾さんじゅう式・牙突弐式!」
ゴギャウウウッ
そのまま突進して牙突弐式の右手バージョンを繰り出す
兵子ひょうこ「……三学円さんがくえん!」
ズバシュッ
相手の斬撃を躱しつつ斬撃を叩き込む兵子ひょうこ
七吟なぎん「ぐ……おう!!!?なな……何ぃい!!?」
躱され、しかも返されたことに驚きを隠せない様子の七吟なぎんであった

#4
宗美「……なぁ……友近ゆこん友近ゆこん「はい?何ですの?」
そして、そんな死合を見ていて宗美が呟く
宗美「……古今東西あらゆる流派ってのはアニメ、マンガの流派も含んでいるのか?」
友近ゆこん「ええ、そのようですわね。先ほどの鋼鉄斬りも示刀流の技……だと思いますし」
宗美「何だ?それ!?」
友近ゆこん「原作ルパンにおける石川五ェ門の流派の1つですわ」
宗美「ゴエの流派ってったら水龍眼斬刀すいりゅうがんざんとう流くらいしか知らんぞ」
よく知っているな……と宗美は感心してみる
水龍眼斬刀すいりゅうがんざんとう流……ルパン三世yにて登場した流派……いや、ってかその流派って……正確には五ェ門の流派
 では無いような……
七吟なぎん(ぐっ……まさか……牙突の弱点を突いてきたということか!?コイツ……やりおるわ!!)
七吟なぎん「だったら……次は……これだ!!」
バシッ
刀を左手に持ち替え右手は親指〜中指を立てて突き出す。さらにぐっとしゃがみこみ……構えを完成させる
※俗に言う虎伏絶刀勢こふくぜっとうせいの構えってヤツです。
七吟なぎん「はああああああああ!!!死ねえやああああ!!!陸拾参ろくじゅうさん式・虎伏絶刀勢こふくぜっとうせい!!!」
ゴギュウウウンッ
左手に持つ刀を右手に移し変えそのまま斬り上げを繰り出す七吟なぎん
ギンッ
七吟なぎん「なっ!!?」
だが、その刃は兵子ひょうこに受けられる
兵子ひょうこ「……八重垣やえがき」
ザギャッ
すぐさま刃を退き2の太刀にて七吟なぎんを斬る
七吟なぎん「ぐ……ぐう……」
ザザザザザザザッ
斬りつけられた七吟なぎんは咄嗟に距離を取る
七吟なぎん「バカな……なぜだ……」
七吟なぎん(我が柳生真陰流は古今東西あらゆる流派をミックスさせ究極進化させた言わば柳生の剣の最終形態……
 その剣がなぜヤツのただの柳生新陰流に通用せん……)
七吟なぎん「まさか……」
そして、突如叫びだす七吟なぎん
一同「ん?」
七吟なぎん「……俺の剣は最終形態ではあるが完全体では無いというのか!!?」
※それ、なんて真ゲッタードラゴン!?
七吟なぎん「ありえん!ありえんぞ!!そんなこと……俺が認めてたまるか!!うおおおおお!!!!」
ドゴアアアアアアッ
邪悪な気が増幅する
七吟なぎん「今までの技はほんの小手調べに過ぎん!!!次の技こそ貴様をブチ殺す技よおおお!!」
ボウウッ
刃を炎が纏う
宗美「ハッ……う〜の真似をするる〜に勝ち目なんか無いんだよ……」
友近ゆこん「それを言うなら『鵜の真似をする鴉』ですわ」
……この死合……どう決着つくのか!?


続

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