Eighter -Noble Gathering-
29ther 〜狗神の巫女の事情 D〜



#7
小方カルト研究所での死合……狗神の力を秘めた人間兵器狗美くみは暴走を始め……止める手立てはあるのか?!
ギンッ
ギャギャギャンッ
ガギィインッ
なおもかんなと狗美くみの攻防は続く……いや、これは攻防というより、一方的な防戦である……
白拍子かんな「……くっ……」
例え相手が神の力を暴走させているとはいえ、人間……故に、全力で死合うことができないかんな。
※なるべく傷つけないように、神滅超越者ラグナロクエクセルの腹で叩いているのだが、しかし、神滅超越者ラグナロクエクセルはオーラソード……
 刀身は全て刃であると言っても過言ではないのだ。
小方駆斗くとう「……な……なぁ、お前ら……どうしても暴走を止めることはできんのか!?」
これ以上自分の彼女が傷つくのを見ていられない駆斗くとうは思わず問いかける。
梓與鷹よたか「……どうしてもって……なぁ、総……」
と、総の方を見ると……
かみ総介「……知らん……真理の断片は今は何も未来を見せてはくれん……つまり、確定した未来が無い
 ということだ……」
駆斗くとう「何をわけの分からんことを!?」
クソッやはり敵に縋ってみるもんじゃなかった……と後悔する駆斗くとう
山咲やまざき桜「……要するに、かんなの働き次第ということです」
駆斗くとうが早々に見限った後に、桜も会話に割り込んでくる
駆斗くとう「ハッ!あんな防戦一方の小娘に何ができる!?」
総介「フン、貴様は何も見えていない……」
総介はそのままかんなの方を見つめる。與鷹よたかもつられてかんなを見る
與鷹よたか「……かんな……?」
バッ
ダダンッ
與鷹よたかの不安そうな声に、一旦距離を置いて話をするかんな
かんな「せめて動きを封じないと、どうしようもないです」
このまま死合えば動きが止まる時と命が終わる時は同じです……とかんなは続ける
ガガガンッ
ガガンガンッ
駆斗くとう「な……なななな……何ぃいい!!?なななんと!!」
かんなの残酷は発言に駆斗くとうも思わず叫ぶ
與鷹よたか(動きを止める方法……か……む!?)
何かをひらめいた與鷹よたか
與鷹よたか「……猿神の力をも取り込ませれば……体内にて犬猿の仲が発動し、動きが止まるんじゃないのか?」
総介「……彼女の体内でそれが発動すれば……動きはとまるかもしれんが……危険じゃないのか?」
かんな「……やってみる価値は……あるかと……」
與鷹よたか「そういうことだ……どうせアンタのことだ用意してあるんだろ?」
駆斗くとう「……確かに……猿神、蛇神、狗神に狐神……揃っている……」
総介「だったら……とっととやってもらおうか?」
駆斗くとう「……それで、彼女は助かるんだな!?」
かんな「……ええ……」
駆斗くとう「……分かった……待ってろ!!」
ドギュオアッ
すぐさま研究所内に駆け込み猿神の力を取ってくる

#8
與鷹よたか(なぁ……総……)
総介(ん?)
與鷹よたか(それだけ揃っているということは……)
総介(ああ、殺人は1件だけじゃないってことだ……)
緊急事態とはいえ、これまでの犯罪を暴露するとは……と與鷹よたかと総介……そんなことをヒソヒソ話し合って
いると駆斗くとうが帰ってくる。
ドタバタドタバタドタバタドバタッ
駆斗くとう「そぉおお〜〜〜い!!!あなたに猿神の力ちからをぉおおお!!!」
ブウウンッ
某テ○○ァのような台詞と共に猿神の力を秘めたカオスプレートを狗美くみに投げつける
バズムッ
カカアッ
狗美くみに触れた瞬間、黒き歪みとなって狗美くみを覆う
狗美くみ「ぐ……うう!!?」
と、その直後、狗美くみの動きがとまる
駆斗くとう「やった!!」
と叫んだのもつかの間……次第に狗美くみの体中に青痣が出来始める
駆斗くとう「なっ!?……なな……なんだ!?アレは!?」
総介「……彼女の体内で狗神と猿神の力が覇権を争っている余波だ……」
犬猿の仲だからな……と総介は続ける
駆斗くとう「なっ!?……そんなこと、聞いてないぞ!……謀ったな!……謀ったな貴様ァ!!親父にも
 謀られたこと無いのに!」
與鷹よたか「……をいをい……」
そんなことを叫ぶ駆斗くとう
かんな「……根源舞刃こんげんぶじん」
バシュアアアアッ
と、その間にかんなが根源舞刃こんげんぶじんにて狗美くみに巣食う狗神と猿神とを同時に消滅させる。
駆斗くとう「ああっ!?」
狗美くみ「うっ……」
ドサリッ
総介に詰問していた駆斗くとうも思わず狗美くみの方を……かんなの方を見る
かんな「……終わりました」
駆斗くとう「な……んだと!?」
ガチャッ
かんなと狗美くみに気を取られている間に手錠をかけられる
駆斗くとう「ぬな!!?」
総介「さて、女児誘拐殺人の他にも猿神、蛇神などの力を持った人間の殺人容疑で……逮捕だ!」
駆斗くとう「ちょ……待て……そんなのってありか!!?」
総介「さぁて、話は署で聞かせてもらおう……とっとと来い……行くぞ!山咲やまざき」
桜「はい、警部……」
與鷹よたか「……おいおい、彼女は……どうすんだ?」
狗美くみを指差す與鷹よたか
総介「……任せた!」
與鷹よたか「んな無責任な……」
と、言うわけで一行は帰ることに……

結局、一連の事件は無事終結し、その彼女は駆斗くとうと別れる事になったとさ……(当たり前か……)


END

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