Eighter -Noble Gathering-
27ther 〜賊の威を借る小者 C〜



#5
大阪府で起きた痴漢騒動……犯人は大阪府を代表するヤクザの大親分、鬼哭啾啾きこく・しゅうな……と、思われたが……
そんな現場に本人が登場し……
*「あ……アンタ……一体何モンや!?」
痴漢行為をこれまでひたすら耐えてきた女が強気に叫ぶ
偽啾啾しゅうな「……泣く娘も黙る鬼の啾啾しゅうな様やけぇのぉ!」
*「あン方ぁなぁ、ンな言い回しはせぇへんぞ……」
が、今度は別の場所から見て見ぬふりをしていた漢が叫びだす
一同「そやそや!アンタ一体誰や!?」
じぃ〜〜〜っと一行が偽啾啾しゅうなに視線が……
偽啾啾しゅうな「な……何や……てめぇら……ンなもん、変装でもすれば誰だってなり済ませるやろ!」
かみ総介「そうだ!!」
ほぼ暴露っぽい発言……それに総介が叫ぶ
総介「……ただし、通常の変装なんかで……いや、特殊メイクでも無理なものは無理だ……」
山咲やまざき桜「……アナタが使ったものは……オーパーツ……顎頤変異器フェイスシフト!」
※なんだか、どこぞのC.E.に出てきそうな名前ですね……啾啾しゅうな「な……何ぉ!?」
馬鹿らしい……と思いつつも内心は何故そのことを!?と焦り出す偽啾啾しゅうな
総介「……だが、所詮変装は変装……いかに姿形を似せても……絶対に真似できないものがある」
偽啾啾しゅうな「はぁ!?何言ぅとんねん……」
姿、形を完璧にコピーできるこのオーパーツを前に何を真似できないと言いだす!?と既に認めている偽啾啾しゅうな
総介「それは……格だ!」
一同「ああ〜〜〜」
*「確かに、言われてみると……あン方とお前さんとじゃ威厳が違うわ〜〜」
*「今まで姿だけで怯んでたんやけど……確かに……違うわ……」
*「アンタめっちゃ弱そうやん……」
一同……ホンモノと偽物を見比べ、納得。口々に指摘する
偽啾啾しゅうな「ちょ……待てぇや……この俺を誰だと思ってるんや……大阪府の影の支配者……鬼哭きこく」
ドガシッ
偽啾啾しゅうな「はげふぅッ!?」
*「アンタ、いつまで触っとる気ぃや!?……いい加減にその汚らわしい手ぇどかさんかぃ!タマぁ潰すで!」
既に股間に蹴りを入れつつ痴漢に耐えていた女性が叫ぶ。
そして、直撃を食らった偽啾啾しゅうなはその場でくずおれ悶絶する
偽啾啾しゅうな「ご……ごがががっ……」
啾啾しゅうな「情け無い奴ぁのぉ……」
本物の啾啾しゅうななら今の蹴りは簡単に回避できたはずだ……それが出来ない貴様こそ、贋物であることの証左……
と一行。
蔑みの視線が偽啾啾しゅうなを貫く

#6
啾啾しゅうな「おらっ……いつまで這いつくばってんじゃボケ……とっとと立たんかいッ!」
偽啾啾しゅうな「ち……違っ……このアマぁ……タマ刺しやがった!」
※それ、どこの攻撃的メイドさん!?
啾啾しゅうな「はぁ〜〜〜!?知るかッ!……儂の顔に泥ぉ塗った覚悟……出来てんやろぉなぁ!?」
そんなことはどうでもいい……とそのまま啾啾しゅうなは偽啾啾しゅうなの襟首をつかみ持ちあげ、殴りかかる
偽啾啾しゅうな「ヒッ……ひぃいいい!!?」
トドメの一撃が迫る……
偽啾啾しゅうな「!!!!!」
咄嗟に目を瞑る偽啾啾しゅうな……そして……死んだ……と覚悟を決めたのだが……しかし、いつまでたっても
トドメの一撃はやってこなかった……
偽啾啾しゅうな「????……」
おかしいと思い、そろっと目を開けると……
啾啾しゅうな「何するんじゃワレ!?」
総介が啾啾しゅうなの拳を止めていた……
総介「……俺はこれでも警官なんでね……お前の無実を証明するとは言ったが、お前が犯行を犯すのを見逃す
 とは言って無い……」

啾啾しゅうな「……」
総介「……」
そのまま睨み合う両者……
※ちなみに、この隙に逃げ出す……のでは無いかと思われてますが……タマを刺されている(のか!?本当
 に!?……)上に腰が抜けて動けないので無問題!
啾啾しゅうな「アンさん……腐った街の住人にしちゃあ惜しい人材やのぉ……」
拳を納める啾啾しゅうな
総介「……ほめ言葉として取っておこう……」
ヴオムッ
と、その間……桜が顎頤変異器フェイスシフトを回収、漢はもとの姿に戻る……
偽啾啾しゅうな「うわっ……ちょ……やめて……やめてってば!!」
その途端、その場にいた一行が一斉によくも啾啾しゅうなの名を騙って好き放題してくれたな!と怒りの鉄拳が……
総介「……虎飼狐夫次とらかい・こおじ……痴漢の現行犯で逮捕だ!」
虎飼狐夫次とらかい・こおじ「なな……何で俺の名を知ってるんだアンタ!!」
※勿論、真理の断片が見せる未来のおかげである。

……漢はアッサリと犯行を認めた……どうやら啾啾しゅうなの顔をしていれば誰も通報することが無いと高を括って
の犯行だったらしい……全く……虎の威を借る狐とは言ったものである……

#7
数日後……
大阪府、大阪府警
ドガアアッ
啾啾しゅうな「おらぁ……」
再び、ドアを蹴破って啾啾しゅうなが大阪府警に家具り込む
一同「ひっ……ひぃいいい……啾啾しゅうな様ぁ……」
南城塚嶺つかみね「なななな……何のご用件でしょうか!?」
すかさず手をすりつつ南城本部長が近寄る。また、貴方様の名を騙る不届き者が出てきたのでしょうか?と……
しかし……
啾啾しゅうな「決まっとるやろが……先日、かみ警部とやらが言ぅとった……『ヤクザモンに抗えぬサツなど潰れて
 しまえ』と……そやさかい、実行しに来たンや!」
一同「は……!?」
そして、更にゾロゾロとその場にやってくる鬼霍会きかくかいの面々
塚嶺つかみね「あ、あの……」
啾啾しゅうな「行くぜ!ものども!」
一同「うおおおお!!!!」

その後、大阪府警がどうなったかは……不明である。


END

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