Eighter -Noble Gathering-
27ther 〜賊の威を借る小者 B〜



#3
オバちゃんとヤクザが支配する都市、大阪府……その大阪府にて起きた事件……その名も……
『それでも儂ぁやっとらんけぇのぉ!』事件
※それ、何てオマージュ!?……ってかそれ、何弁ですか!?
鬼哭啾啾きこく・しゅうな「……」
かみ総介「……」
暫しにらみ合う両雄……
警官(お、終わりだ……いかにかみ警部が強くとも……世間には勝てまい……)
警官(……)
南城塚嶺つかみね(だが……ヤツがいなくなれば……あるいは……)
警官(ほ、本部長……そ、それって……)
塚嶺つかみね(ああ、権力を暴力を持ってして制す……まさしく、毒を持って毒を征すだ!)
※いや、その理屈はおかしい……どう見ても、薬で毒を制しているからね……
警官(……そ、そうですよね……本部長……)
警官(ああ、これほどまで、暴力団を応援したくなったのは今日が初めてだ!)
警官(いけ!)
と、いつの間にやら『総介が啾啾を撃破一縷の望み』と『総介が啾啾の前に撃沈一"縷"の不安』を抱くダメ警官ズ……
※『一抹』ではなく『一縷』なのは間違いではなく、『そうあって欲しい』という望みがあるけど、その望みが
 叶ったら叶ったで今度はまた別の問題が生じるから一"縷"の不安なのです。
啾啾しゅうな「確かに儂ぁのぉ……ヤクザ仕事をしてここまでのし上がってきた漢じゃけぇ……やけどなぁ……痴漢、
 立ちション、カツアゲ……そげなショボい仕事ことに手ぇ出してきた覚えは無いんじゃい!」
と、そんな折、総介を睨みつけていた啾啾しゅうながぽつりと呟く
総介「……そうか……」
啾啾しゅうな「おうよ!」
そして、暫し、沈黙する総介
一同(……)
総介「……ひとつだけ、質問に答えろ……お前が痴漢行為を働いたことは無いんだな?」
啾啾しゅうな「無い!」
総介の問いにきっぱりと断言する啾啾しゅうな。
総介「……そうか……」
一同「か、かみ警部!?……そんな犯罪者の言葉を信じるんですか!?」
啾啾しゅうな「ああ!?」
一同「ヒイイッ!!」
強気で発言してみるも、啾啾しゅうなの睨みにより後退る一行
啾啾しゅうな「大体儂ぁ……いつもリムジンで移動しとるんじゃ!……何を理由に地下鉄なんちゅうゴミ臭い箱に
 乗らにゃならんのや……ああ!?」
警官「あ……確かに……言われてみると……」
そういえば、いつもリムジンを使っているのを見たことはあるけど、電車とか使ったところを見たことがない
な……と一行
総介「……行くぞ……山咲やまざき山咲やまざき桜「はい、警部……」
そして、2人はその場を去っていこうとするが……
啾啾しゅうな「待ちぃや……まだ話ぁ終わっとらん!!」
総介「……今からお前の無実を証明してやる……付いて来い……」
啾啾しゅうな「……ホンマか!?……ワレ!?」
総介「……」
そして、3人は府警を後にする……

#4
警官「た……助かったぁあ〜〜〜!」
そして、台風一過……の後の大阪府警では……
塚嶺つかみね「ふぃ〜〜、一時はど〜なるか思うたわ……」
警官「南城本部長……かみ警部がいるんやから……もっと気の利いたウソをついて下さいよ」
塚嶺つかみね「いや、すまんつい失念していたわ〜〜次ぃはグラサンをするかぁ、特殊メイクで顔を変えるかぁ……
 善処せにゃなぁ……」
警官「本当に……頼んますわ……南城本部長」
塚嶺つかみね「おう、任しとき!」
一同「あっはっはっはっは!!」
※コイツラ……本当にダメだ……

さて、ヤクザに骨抜きになった哀れな大阪府警はさておいて……3人は……啾啾しゅうなは変装をし、地下鉄に乗り込む
……
大阪府、某地下鉄
啾啾しゅうな(……こんなゴミゴミしたもンを……)
プシュ〜〜
一同「!!!!?」
と、いつも痴漢が発生する駅にて、1人の漢が乗車……紛れも無く啾啾しゅうなその人である。
啾啾しゅうな(ヤツかい……儂の顔にドロぉ塗ったんは)
総介(現行犯逮捕で行く……少し待っていろ……)
啾啾しゅうな(まどろっこしいもンやのぉ……)
女性「ひっ!!?」
そうこうしているうちに痴漢行為は始まり……周りは見てみぬ振りを決め込む。
啾啾しゅうな「……腐った街の……腐った飼い犬どもが……」
包帯塗れの真実を追い求めた新聞記者みたいなセリフを吐き、啾啾しゅうな啾啾しゅうなっぽい痴漢を働いている漢の元へと
歩みより、そのままむんずととそいつの肩を掴み、叫ぶ
啾啾しゅうな「おい!何しとんじゃワレ!?」
一同(あ……あのバカ!!!)
偽啾啾しゅうな「あぁん!?見て分からんかい痴漢じゃヴォケ!」
一同(こっちもバカか!?)
堂々と痴漢を宣言するのもどうなのか……
偽啾啾しゅうな「アンタ……この俺を誰だと思ってやがるンでい……大阪府にその人ありと謳われた……鬼哭啾啾きこく・しゅうな様
 であるぞ!!」
啾啾しゅうな「過去形か……あぁん!?」
今の偽啾啾しゅうなの言動に……一同疑問を持つ……
啾啾しゅうな「おい、ワレ……鬼哭啾啾きこく・しゅうなちゅう漢をよく知らんようやのぉ……」
偽啾啾しゅうな「ああ!?何言っとるがな……わいが一度怒るとてめぇなんぞこの大阪府に一生すめなくなるんやぞ!」
啾啾しゅうな「それしか知らんゴミクズが……いい加減なことをヌかすなヴォケが!」
そして、満を持して、変装を解く啾啾しゅうな。
一同「ああああ!!?」
本人登場……はてさて……この後……どうなる!?


続

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