Eighter -Noble Gathering-
23rder 〜翳光えいこうに消えた雷神 C〜



#5
黶鬥甦アザトース世界に召喚され、渡り歩き、そして始まった光の破壊神と雷の鬼神との死合は幕を閉じた……しかし、
ここにかなりと光りの破壊神との死合が始まった!
逢喇且雫アフラ・マズダ烱紡錐削殞けいぼうすいさくいん!」
ゴギャギャギャギャギャギャッ
無数の光の矢がかなりに飛ぶ
白拍子かなり「ふん……十四誹謗死点衝じゅうしひぼうしてんしょう!」
ドドドドドドドドドドドドドドッ
14回の斬撃で全ての光の矢を切り払う
逢喇且雫アフラ・マズダ「やはり、その技は……」
白拍子かなり「ええ、あなたの思っている通り……よ」
梓與鷹よたか(どういうことだ!?……まさか……かなりにも……)
かみ総介(まぁ、そういうことだろうな……)
つまり、かなりにもまた、神が……しかも、浚澄羽帝サラスヴァティー世界の破壊神が宿っていると、言うことに他ならない
逢喇且雫アフラ・マズダ「おおお!」
かなり「はああ!」
ギイイインッ
鎌と鉾が組み合い……両雄は微動だにしなくなる。
かなり「はっ!」
逢喇且雫アフラ・マズダ「フンッ」
ザザザザッ
組み合ったまま動かない状況を打破すべくかなりが力任せに逢喇且雫アフラ・マズダを弾き飛ばそうとするも、その隙を逃さず
逢喇且雫アフラ・マズダは自ら距離を置く
逢喇且雫アフラ・マズダ「受け取れ!!烱紡冽棘殞けいぼうれっきょくいん!」
ゴギャギャギャギャギャギャッ
横に薙ぎ払うと共に無数の光の矢を放つ
かなり「ワンパターンねぇ……そんなものがこの私に通じるとでも、思っているわけ!?……八正道刹無はっしょうどうせつむ!!」
ドドドドドドドドッ
8回の斬撃をもってして迫る光の矢を全て斬り払う
逢喇且雫アフラ・マズダ(流石、幾千、幾億の技の使い手よ……技比べでは……我に勝ち目はない……か……ならばッ)
逢喇且雫アフラ・マズダ「……烱紡冽棘殞けいぼうれっきょくいん!」
ゴギャアアアッ
そして、逢喇且雫アフラ・マズダは懲りずに再びかなり目掛けて横に薙ぎ払うと同時に無数の光の矢を放つ
かなり「さっき言ったでしょ、ワンパターンだって……」
ザガギャギャギャギャギャギャッ
もはや技を出すまでもなく必要最小限の動きで矢を切り払う
與鷹よたか「ンなっ!?」
何と言う順応力の高さか……しかし、それがかなりがかなりたるゆえんなのである。
逢喇且雫アフラ・マズダ「フッ……烱紡穿骸殞けいぼうせんがいいん!」
ドッ
すぐさま鉾を構えなおし、そのまま突きかかる逢喇且雫アフラ・マズダ
かなり「ぐ……くう……」
ザガガガガガガッ
無数の光の矢は斬り払えても、神氣しんきを纏った大鋒の一撃までには対応できず、弾き飛ばされるかなり
逢喇且雫アフラ・マズダ「さぁ、存分に味わってくれたまえ!……烱紡冽棘殞けいぼうれっきょくいん!」
ドギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャッ
大量の光の矢がかなりに迫る

#6
白拍子かんな「かなり姉さん!?」
かなり「ち……ちいい……」
ザザザザッ
かなり、危機一髪……しかし、辛うじてそれを回避するかなり。
だが、そんな逃げた先に逢喇且雫アフラ・マズダが悠然と待ちかまえていた
逢喇且雫アフラ・マズダ「詰めだ!」
ギュオアッ
ビタアアッ
逢喇且雫アフラ・マズダ「ぬ……!?」
しかし、かなりもまた、逢喇且雫アフラ・マズダの攻撃を読んでいた……双方が双方に刃を突き付け、死合は再び硬直状態へ
・
・・
・・・
逢喇且雫アフラ・マズダ「フフフ……」
と、ここで、突如、逢喇且雫アフラ・マズダが笑い出す
かなり「勝ち負け無し……おあいこね……」
かなりの宣言に、逢喇且雫アフラ・マズダは再び大鋒を仕舞い、かなりも鎌の形状にしていた真殺影刃しんさつえいじんを扇子の状態へと戻す
逢喇且雫アフラ・マズダ(……引き分け……か……だが、ヤツは人間が力を借りただけだ……ならば……全力ならば
 ……)
すっ
そのまま背中を向ける逢喇且雫アフラ・マズダ
逢喇且雫アフラ・マズダ「……次に、逢う時は……互いに敵でないことを祈りたいものだな……」
ヴオムッ……
シュパアアアッ
一同「くっ……」
かくて、逢喇且雫アフラ・マズダ、光と共に消ゆ……
與鷹よたか「……や、やれやれ……一時はどうなることかと思ったが……これで一件落着か……」
緊迫した空気も緩み、與鷹よたかが開口一番そんなことを言う。
奈切なきり涼子「待ってください。まだ元の世界に戻れてませんよ!」
かなり「はいはい、分かってるわよ……かんな?」
かんな「はい、既に準備はできていますよ」
ピポパポポパッ
かなりが逢喇且雫アフラ・マズダと死合っていた時からすでに帰る支度をしていたかんなはOCTUにて現実世界へのゲートを開き、
一行は無事に現実世界へと帰還する……
ヴオムッ
シュパアアアッ
・
・・
・・・
西表いりおもて島、海岸
一同「ななな……何だああ!!?」
突如人間が現れたので慌てふためく観光客
総介「……もうちょっと人気のないところの方が良かったかもな……」
ポツリと漏らす総介……
山咲やまざき桜「……ときに、警部……再びゲートが開いたりは……」
そして、桜は不安要素を告げるが……
かんな「大丈夫ですよ。呼び出した元凶たる蠻或讎瑙が滅したことにより、もう、黶鬥甦アザトース世界への扉が開くこと
 は無いはずです」
與鷹よたか「……まぁ、なら、安心か……」
総介「……帰るぞ、山咲やまざき」
桜「はい、警部」
かくて、海に消えた母娘の事件は幕を閉じたのであった……
ちなみに、光の破壊神・逢喇且雫アフラ・マズダを召喚する光を呼ぶ印章は依然、奈切なきり美加の手の内にある。
Eighter本部で保管しなくてよかったのだろうか……


END

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