Eighter -Noble Gathering-
23rder 〜翳光えいこうに消えた雷神 B〜



#3
今より数百年前……既に鵺帛主ヤヌス世界に光の破壊神・逢喇且雫アフラ・マズダは訪れており……そして、雷の鬼神・蠻或讎瑙バアル・アダド
もまた、この世界に侵攻していた……
※ここで、話は現在へ戻ります。
ギイイインンッ
光の大鋒と雷の蛇矛が組み合い、両雄はその場を動かない
ギリギリギリギリギリギリ……
蠻或讎瑙バアル・アダド「……光ぃいい……」
逢喇且雫アフラ・マズダ「……よく吠えることだ……」
蠻或讎瑙バアル・アダド「はあああ!!!」
ヒュガウッ
キュラキュラキュラキュラキュラッ
組み合ったまま微動だにしなかった両雄……しかし、力任せに蠻或讎瑙バアル・アダド逢喇且雫アフラ・マズダの大鋒を弾き飛ばす
ドスッ
奈切なきり美加「ひゃっ!?」
飛ばされた大鋒は美加の近くに突き刺さる
蠻或讎瑙バアル・アダド「……フッ……」
ビシッ
勝利の余裕で雷の蛇矛を突き付ける蠻或讎瑙バアル・アダド
逢喇且雫アフラ・マズダ「……あの時の再現……のつもりか!?」
……数百年前の逢喇且雫アフラ・マズダ蠻或讎瑙バアル・アダドの死合も……このように……逢喇且雫アフラ・マズダ蠻或讎瑙バアル・アダドの蛇矛を弾き飛ばし
そして、斬り捨てたことで決着はついた。
蠻或讎瑙バアル・アダド「貴様に敗北したこの屈辱を……今、晴らす!」
梓與鷹よたか(かんな……)
白拍子かんな(……)
茜瑙哭セドナ(……しかし、『光』は助けを求めてはいない……)
援護に行った方がいいのではと思う與鷹よたかなのだが、しかし、逢喇且雫アフラ・マズダがそれを望んでいないのでは、援護は無用。
いや、それ以前に蠻或讎瑙バアル・アダドが眼を光らせている中、援護など、出来るはずもない
蠻或讎瑙バアル・アダド「滅せ!!覇穿錐りゅうはせんすい」
ギュガゴアアアアッ
雷を纏った蛇矛を回転させながらドリルのように穿ちだす蠻或讎瑙バアル・アダド。
しかし、それを体を僅かに捻っただけで回避する逢喇且雫アフラ・マズダ
蠻或讎瑙バアル・アダド「な……!?」
そのまま光の大鋒の突き刺さった近く、美加を見る逢喇且雫アフラ・マズダ
蠻或讎瑙バアル・アダド「だが……甘いわッ!」
バリバリバリバリバリバリッ
以下に蛇矛を回避しても、その刃に纏いし電撃までは回避できまいと、辺りに電撃を放出する蠻或讎瑙バアル・アダド。
一同「なっ!?」
だが、次の瞬間、その場から逢喇且雫アフラ・マズダが消え失せる。
フオッ
美加「え!?」
次に逢喇且雫アフラ・マズダが現れたるは美加の近く。
蠻或讎瑙バアル・アダド「馬鹿な!?」
白拍子かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホ、何を驚くことがあるわけ!?……そもそも、彼女の持つ光を呼ぶ
 印章は逢喇且雫アフラ・マズダを召喚する道具……」
與鷹よたか「そうか!」
だからこそ、瞬時に美加のもとへ転移することが可能だったのだ。
ザッ
そのまま地面に突き刺さる光の大鋒を手に取る逢喇且雫アフラ・マズダ
逢喇且雫アフラ・マズダ「遊びは終わりだ!」
※そういえば、光の刃はそれを出しているモノの手から離れても出続けているものなんですかね……
 (神の力の賜物なのか!?)

#4
蠻或讎瑙バアル・アダド「遊びは終わり……だと!?……貴様……今まで全力ではなかったと言うのか!?」
バッ
すぐさま逢喇且雫アフラ・マズダの方を向き咆える蠻或讎瑙バアル・アダド逢喇且雫アフラ・マズダ「言った通りの意味だ……」
ズオオオオオオオッ
逢喇且雫アフラ・マズダ神氣しんきが膨れ上がって行く
與鷹よたか(なっ……)
確かに、今まで窮地に追いやられていても余裕だったが、それは、まだこのような力を秘めていたからなのか!?
上総介「フッ……まぁ、しかし、気付けない蠻或讎瑙バアル・アダドもそこまでの器だった……ということだな……」
與鷹よたか「総……どういう……ことなんだ!?」
かなり「ふふん、いいこと……蠻或讎瑙バアル・アダド逢喇且雫アフラ・マズダにいろいろと奥義を使ってきたけど、対する逢喇且雫アフラ・マズダは、
 剣戟で応戦しても、まだ、何ひとつ技を繰り出していない……」
蠻或讎瑙バアル・アダド「……」
ここにきて、その意味を……逢喇且雫アフラ・マズダの力を知り、戦慄する蠻或讎瑙バアル・アダド。
だが、もう、遅い……
逢喇且雫アフラ・マズダ「滅するのは……貴様の方だ!烱紡錐削殞けいぼうすいさくいん!」
ドドドドドドドドッ
キュオオアオアアアアアアッ
瞬時に光の槍が蠻或讎瑙バアル・アダドめがけて降り注ぐ
蠻或讎瑙バアル・アダド「ご……ごあああああ!!!!?」
ボシュアアアッ
無数の光の槍に貫かれ、蠻或讎瑙バアル・アダド、滅す……
・
・・
・・・
こうして、光の破壊神と雷の鬼神との死合は……呆気なく終了したのであった……
一同「……」
シュウウンッ
死合を追え、逢喇且雫アフラ・マズダは光の大鋒を仕舞い、再び美加を見る
美加「な……何!?」
奈切なきり涼子「ちょ……」
まさか、次は娘を手にかけるんじゃないでしょうね!?と母親の涼子は慌てふためく
かなり「そんなに、似ているわけ!?……あなたが以前契約していた光の巫女に……」
逢喇且雫アフラ・マズダ「……そこまで知っているとは……貴様は……何者だ!?」
そんな中、かなりがぽつりと呟き、それを振り向きもせず逢喇且雫アフラ・マズダが問い返す
かなり「んふふふ……」
逢喇且雫アフラ・マズダ「……む……」
しかし、何も答えず、ただニヤニヤするかなりに、逢喇且雫アフラ・マズダが振り向く
與鷹よたか「お、おい、かなり……」
一触即発の空気が……再び……
逢喇且雫アフラ・マズダ「……貴様……我を愚弄するのか!?」
シュオオオッ
ビシッ
再び光の大鋒を取り出し、かなりに憑きつける逢喇且雫アフラ・マズダ。
かんな「かなり姉さん……」
かなり「折角だから……ねぇ……」
白拍子かれん「いや、何が折角なんですか!?」
グニャリッ
かれんが突っ込むなか、かなりは真殺影刃を鎌の形に変形させ、逢喇且雫アフラ・マズダの前に立つ
逢喇且雫アフラ・マズダ「……よかろう……」
かくて、かなりと逢喇且雫アフラ・マズダの死合は唐突に!


続

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