Eighter -Noble Gathering-
22nder 〜波濤に消えた母娘 C〜



#5
黶鬥甦アザトース世界へ奈切なきり親子を救いに来た一行。だが、娘の美加は蠻或讎瑙バアル・アダドに囚われ、力尽くで奪い返すしかない……
そしてかんなとの戦いが始まったのだが……かんな、圧倒的のまま死合は進み……
それを見てニヤリとするかなりは……何を想う?
白拍子かんな「……」
蠻或讎瑙バアル・アダド「小娘がぁ!!この技ならどうだ!!霆戟葬叢ていげきそうそう」
ズギォオオオオオ〜〜ムッ
四方八方に電撃の剣閃が飛び交う
かんな「……下手な鉄砲も数打てば当たる……ですが、通じません」
サササアアアッ
完全回避するかんな
蠻或讎瑙バアル・アダド「な……にぃ!?」
呆気にとられる蠻或讎瑙バアル・アダド。そして、その隙を逃さないかんなは攻撃に移る
かんな「鳳鸞舞刃ほうらんぶじん」
ドゴガッ
平安をもたらす炎の鳳凰が蠻或讎瑙バアル・アダドに襲い掛かる
蠻或讎瑙バアル・アダド「お……おごあああああ!!!?」
そのまま炎に包まれる蠻或讎瑙バアル・アダド
蠻或讎瑙バアル・アダド「ぐ……ぐぬううう……」
ザザザザザッ
チキッ
咄嗟に後退る蠻或讎瑙バアル・アダド。更にかんなは間合いを詰め、神滅超越者ラグナロクエクセルの刃を突き付ける
かんな「……そろそろ幕引きです」
梓與鷹よたか(……呆気ない……異世界の神……の力がこれしきのものか!?)
かみ総介(茜瑙哭セドナの力が強すぎるだけ……だろ?)
與鷹よたか(……そうか!?)
総介(……まぁ、他にも理由はありそうだがな……)
與鷹よたか(……)
総介の言う他の理由とは何なのか……
蠻或讎瑙バアル・アダド「……霆戟天征ていげきてんせい!!」
かんな「はっ!」
チュギュゴガアアアッ
今までにない巨大な雷が蠻或讎瑙バアル・アダドの、また、かんなの居場所めがけて落ちてくる。が、かんなは間一髪回避し
距離を取る
バリバリバリバリバリッ
與鷹よたか「自分にも……当たってるぞ……」
蠻或讎瑙バアル・アダド「フ……ここからが本番よ!!」
與鷹よたか「なっ!?帯電……している……だと!?」
ドオオアアアアアッ
そのまま電撃が四方八方に飛び交う
サッ
ダダンッ
しかし、飛び交う電撃を、簡単に回避するかんな。
白拍子かなり「ふふん……」
ババシイイッ
一方、観戦している方も……と、いうか、かなりも真殺影刃しんさつえいじんにて電撃を防ぎきる。
電撃を斬り払うなどと、どこぞの斬鉄剣のようである。
かなり「無駄よ無駄!」
※そういえば……美加さんは大丈夫なんですかね?(え〜〜!?ここでそれを聞くの!?)

#6
かんなと蠻或讎瑙バアル・アダド……死合は第2ラウンド開幕!
蠻或讎瑙バアル・アダド覇滅智りゅうはめっち!」
ドギュギュギュギョオオオアアアッ
雷が3回かんなを付けねらう
かんな「……龍咬舞刃りゅうこうぶじん」
キュイイインッ
しかし、応龍おうりゅうで簡単に相殺するかんな
蠻或讎瑙バアル・アダド「フン……覇創玖りゅうはそうきゅう」
ゴバウアアアアッ
ならば、とすぐさま次の攻撃に移る蠻或讎瑙バアル・アダド。9人に分身し、一気にかんなに斬りかかる。
かんな「……麟廻舞刃りんねぶじん!」
ドギュオアアアアアッ
だが、しかし麒麟が全ての蠻或讎瑙バアル・アダドを一瞬で叩きのめす
蠻或讎瑙バアル・アダド「馬鹿な……たった一撃で!?」
驚愕に眼を剥く蠻或讎瑙バアル・アダド。
かんな「そこです!」
ヒュンッ
更に、間髪いれずに蠻或讎瑙バアル・アダド本体へ間合いを詰め、斬撃を繰り出すかんな
蠻或讎瑙バアル・アダド「ぬぅん!!!」
ギギイイインッ
何とか反応が間に合い、かんなの兇刃を受けることに成功する蠻或讎瑙バアル・アダド
蠻或讎瑙バアル・アダド「……貴様……大鋒を使う光の神と同じ世界の……」
かんな「……」
茜瑙哭セドナ(大鋒を使う光の……!?)
その言葉に一瞬硬直するかんな。そして、そんな隙を逃す蠻或讎瑙バアル・アダドではなく、一気に圧し返す
ズズウンッ
ザザザザッ
與鷹よたか「かんな!?」
かんな「心配要りません」
弾き飛ばされつつも、体勢を立て直し、神滅超越者ラグナロクエクセルを構え直すかんな
かなり「ふふん、随分と『光』の破壊神にご執心の様ねぇ……」
與鷹よたか「光の破壊神!?」
かんな「……」
と、そんななか、かなりが呟く。
『光』の破壊神……それは茜瑙哭セドナと同じく浚澄羽帝サラスヴァティー世界が破壊神の1人……
蠻或讎瑙バアル・アダド「……」
グッと拳を握りしめ、険しい表情になる蠻或讎瑙バアル・アダド
蠻或讎瑙バアル・アダド「忘れもせん……奴に受けたあの屈辱を……奴を滅することでこの怨みを晴らさん!」
茜瑙哭セドナ(なるほど……だからあの娘が贄か……)
光を呼ぶ印章とは、『光』の破壊神を召喚する道具……そして、その使い手とみなされた美加は贄なのである
ズビシッ
そのまま蛇矛を突き付ける蠻或讎瑙バアル・アダド
蠻或讎瑙バアル・アダド「貴様があの光の大鋒使いと同じ世界の神……それが分かった以上、貴様も滅する。これは……
 前夜祭だ!」
バリバリバリバリバリッ
蠻或讎瑙バアル・アダドの怒りに呼応するかのように帯電していた雷の量が増加していく。
與鷹よたか(くっ……何だ!?……あの力……まさか……今まではまだ、手加減していたとでも!?)
蠻或讎瑙バアル・アダドの寒々しい神氣に当てられ、どっと冷や汗が出てくる與鷹よたか
かなり「さ、かんな、バトンタッチよ!」
一同「へ!?」
そんな中、突如、かなりがそんなことを言い出す。
蠻或讎瑙バアル・アダド「……何だ!?貴様……光の大鋒使いと関係のない貴様が相手になるなどと……笑止……死に
 たくなければ消え失せろ!……この世からな!」
※それは死ねと言っているものです。
かなり「まさか……あなたの相手をするのは、位の破壊神を宿しているかんなでもなければ、私でもないのよ」
蠻或讎瑙バアル・アダド「ハッ……ならば……」
すっ
そのまま空を見上げるかなり
一同「ん?」
……一体、そこには何があるというのか!?


END

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