Eighter -Noble Gathering-
19ther 〜奏でるは死の組曲パルティータ C〜



#5
絶対音を引き出すオーパーツは九大オーパーツCPが1つ、エリュシオン……一行は禾口加貝英良わくか・かえら
の家を訪ね、そして彼に問いただす……
禾口加貝英良わくか・かえら「フフフ……フハァ〜〜〜〜〜ッハッハッハッハッハ!!!」
オーパーツCPのことをかんなに、指摘され……そして貝英良かえらは突如笑い出す
かみ総介「何がおかしい……」
貝英良かえら「フフフ……笑わずにいられるかよ……絶対音にオーパーツCP……クククク……そこまで分かって
 いるとは……そうか……」
梓與鷹よたか「……その言動……殺人を肯定するってことだな?」
貝英良かえら「……ああ……だが……貴様らが俺を逮捕することは出来ん……そして、俺の悪行が世間に公表
 されることも……ない……」
サッ
指揮棒を取り出す貝英良かえら
貝英良かえら「この絶対音はたとえ耳を塞ごうが聞こえる……そして我が絶対音を聞いたが最期……体が摩擦熱
 に耐えられず燃え出す……しかも、貴様らは既に我がテリトリーの中にいる……」
このスタジオは既に貝英良かえらのテリトリー……つまりは、元から殺すつもりだったのか……
総介「……やってみるか?」
チラっとかんなを見つつ、総介が呟く
白拍子かんな「……」
コオオオッ
チャッ
無言で茜瑙哭セドナ覚醒し、神滅超越者ラグナロクエクセルを構えるかんな……こちらも準備は万全だ……
貝英良かえら「ハッ!音を防ぐ手立ての無い貴様らに勝ち目は無い!!死ぬがいいわ!!!」
ビュオアアアアアッ
そして指揮棒を振るう貝英良かえら……それにあわせてかんなも神滅超越者ラグナロクエクセルを振る
貝英良かえら「ククク……ハハハ……ハァ〜〜〜〜〜〜ッハッハッハッハ!!!……アハハハハハ……ハハハ、
 ハァ〜〜〜ッハッハッハッハ!!」
既に勝利を確信した貝英良かえらは高らかに……狂ったかの如く笑う……
総介「……フッ……」
それに対し、総介もニヤリとする
あとは燃えるのを待つだけ……いや、貝英良かえらが絶対音を奏でた瞬間、その音を聞いてしまったものは炎に身を
包まれ、焼け死ぬだけなのだが……
・
・・
・・・
シ〜〜〜〜ン
だが、いつまでたっても一向に燃える気配はない
貝英良かえら「……??……な……何故だ!?何故……何故燃え出さん!!?」
流石に、こんな事態は予測できていなかった貝英良かえらは慌てふためき、一歩後退る

#6
総介「……音の性質を知らないのか?」
貝英良かえら「音の性質だと!?」
そんな中、総介が静かに言い放つ……
與鷹よたか「ああ……全く同じ波長の音を逆の位相で送れば……相殺して音は消える……」
貝英良かえら「バ……馬鹿な……この俺の繰り出す音と同じ音を繰り出すには……俺の出す音を聞く必要がある
 ……そして俺の出す音を聞くということは死ぬということであって……」
相手を振動させることで音を伝える絶対音……ならば……逆位相で同波長の音を自らに纏うことで相手の
繰り出す音を無理やりキャンセルさせることが可能となる……
※普通は逆位相で同波長の音を纏う時点でタイミングが悪ければ焼き死にますが……そこを完璧なタイミングで
 行えるのがかんなが運の女神と呼ばれるゆえんです。
貝英良かえら「な……何故だ!?常人にこんなこと……不可能だ!!」
総介「……ああ、常人だったらな……」
貝英良かえら「は!?何を!?……」
お前ら、言っていることがおかしいぞ……と貝英良かえら。そんな中、かんなは1人無言で佇む
かんな「……」
與鷹よたか「おいおい、総……それじゃあかんなが異常な人間みたく聞こえるぞ……」
総介「……おっと……」
いや、悪気はないんだが……と総介……しかし、かんな、ひいては茜瑙哭セドナはそれを気にしていない様子
貝英良かえら「かんな……だと!?……ま……まさか……運の女神……白拍子かんなかッ!!」
みな、誰しもその名前を知っている……運の女神……しかし、その素顔ってか、どんな人物なのかは以外に
知られていないのは……やはり、かんなの持つ超強運の加護なのだろうか?
與鷹よたか「……そうだ、かんなの運をもってすればお前の出す音を聞かずとも同波長、逆位相の音を繰り出すことが
 可能だ!!」
貝英良かえら「ぐ……ぐぐぐ……」
かんな「……その、下種な雑音も……今日で終いだ……」
貝英良かえら「なめるな!俺にエリュシオンがある限り!俺の栄光は不滅なのだ!!」
ヒュンッ
瞬時に貝英良かえらを追い越してエリュシオンの元へ行くかんな
かんな「音源が無ければ、音は出まい」
バギャンッ
貝英良かえら「な……なあああ……あああああ!!!!?」
かんなの一閃……エリュシオンが一刀両断される……
貝英良かえら「俺の……夢……希望が……絶対音がぁ……!!」
ガクリッ
そのとたん、頽れる貝英良かえら
総介「……後の話は署でゆっくり聞く……とっとと来るんだ……」
ガチャンッ
手錠をはめられて連行される貝英良かえら……
・
・・
・・・
與鷹よたか「エリュシオン……」
かくて、事件は解決したのだが……やっぱり與鷹よたかはエリュシオンが破壊されたことが残念なようだ……


END

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