Eighter -Noble Gathering-
17ther 〜伝説の博士の遺児 A〜
#0
それは、ふとしたことで黄泉帰った……いや、黄泉帰ったというのは果たして本当に正しいのだろうか……
今回は……とある漢の忘れ形見に関するエピソード……
その忘れ形見が、今頃黄泉帰ったことは……一体、何を示すのか……
#1
天四斗、天四斗(中央公園
警官「……君、そんなところで何をしているんだ……」
深夜2:00の天四斗(中央公園……そのただ中にぽつんと1人の子供が呆然と空を見上げながら突っ立っている
警官「親は……何をやっているんだ……」
近づく警官……だが、その子供は微動だにせず空を見上げ続けている
警官「……さぁ、おいで……子供が1人で……こんな場所にいるのは危険だ……」
そのままその子供を引き連れ、警官はその場を後にする……
・
・・
・・・
翌日……
天四斗(、天四斗(警察署
警官「欺盛(警部……」
欺盛凍炉(「……うむ、あの子供か……」
何を聞いても、口を閉じ、黙りこむ件の子供……一体、何をそんなに頑なになっているのやら……と思い
つつも、警官も手も足も出ない……
警官「でも、変じゃないですか……欺盛(警部……」
凍炉(「……ああ、子供が……居なくなったなんてな連絡は入っていない……」
更に困ったことにその子供は自分の名前を示すものや、家の住所を示すものも一切持っていない……若干奇妙な
点を挙げるとするならば……ちょっと時代遅れの流行の服を着ていることだが……
警官「こいつは……ひょっとしたら……捨て子……」
凍炉(「おいおい……」
まさか……現代の世の中で姥捨て山みたいな話があってたまるかよ……と欺盛(警部
上(総介「どうした?お前ら……何があった!?」
と、そこにやってきたのは総介
一同「か……上(警部!!!」
ドオオオオンッ
総介の出現に思わず一行が壮大なリアクションを……行ったのではない……明らかに異変が起こったのだ
警官「何だ!?何が起こった!!!?」
警官「た……大変です、欺盛(警部!昨晩……いや、今日の……とにかく、保護した子供が……部屋を
突き破って逃げ出しました」
凍炉(「な……んだと!?」
総介「部屋を突き破ってだと!?」
警官「は……はい……何か……黒いもやがでたかと思うと……壁に穴があいて……」
その発言を行う警官に、一行は何を馬鹿なことを言っているんだ!?と見向きもしない……
総介「……山咲(」
山咲(桜「はい、警部。これがその子の写真です」
総介「……」
そして、桜がその子供の写真を見せると……総介は顔色を変える……
#2
総介「……行くぞ」
桜「はい、警部」
警官「あ、ちょっと……上(警部……どちらへ!?」
・
・・
・・・
そして……総介が向かった先は……もちろんEighter本部である。
天四斗(、Eighter本部
梓與鷹(「総……」
総介「大至急コイツのことを調べて欲しい」
無駄話をしている暇はない……と総介は與鷹(に例の子供の写真をつきだす
與鷹(「どうした!?総……何があった!?」
総介「いいから、速くしろ……」
白拍子かんな「はい、では……」
と、言うわけで早速アトランティスで検索をかけるかんなだったが……
かんな「……該当なしですね……」
與鷹(「はい!?」
かんな「……生存している人物の中で、この子供に該当する人物はいません」
総介「……やはり……か……」
その解答に、総介は1人納得する……
かんな「……ですが……その子供は確かにいたようです」
與鷹(「……死亡した子供……ってこと!?」
桜「幽霊!?……でも……」
だからこそ、その子供は時代遅れの流行の服を着ていたのか……
かんな「……母親の名前は四又百合……そして……父親の名前は……」
アトランティスのディスプレイに表示されているその名前は……
一同「い、威隻法腱(……!!?」
真理の神殿に足を踏みいれ、そこで永劫の罰を受けているあの威隻法腱(博士であった……
與鷹(「じゃ……じゃあ、この子供は……博士の遺児!?」
総介「……だろうな……」
與鷹(「……しかし……博士に子供が……まして奥さんがいるなんてことは……初耳なんだが……」
かんな「……威隻法腱(に奥さんはいません。ですが、押しかけ女房とその女性(との間に出来た子供は
数人います……」
桜「……女の敵……」
ぼそっと呟く桜
一同「……ま、最もな意見だな……」
かんな「この子供も威隻(研究所崩壊に巻き込まれて死亡したことになっています」
與鷹(「……じゃあ……何故……いまごろ……」
総介「……なるほど……ヤツが逃げ出したのは真理の断片に触れた俺を感知してのことか……」
桜「警部!?」
総介「ヤツの心も体も真理に囚われたままだ……ヤツは永遠に真理の中を彷徨っている……だったら、
俺が救い出すしかない……」
桜「あ、警部……」
すぐさま総介はEighter本部を後にする……果たして……博士の遺児を救うことは……出来るのか!?
続
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