Eighter -Noble Gathering-
17ther 〜伝説の博士の遺児 B〜



#3
夜中、天四斗あまよとで保護された子供……それは今は亡き威隻法腱いせき・はっけんの遺児であった……そして、真理に囚われ、
彷徨う子供は総介は現れたことで逃げ出してしまう
梓與鷹よたか「……しっかし……総のヤツ……何も情報を得ずに探しに行って大丈夫なのか!?」
白拍子かんな「……真理に触れた人間同士……感応するものがあるのだと思います」
與鷹よたか「ふむ……つまり、大丈夫……だと」
かんな「ええ」
・
・・
・・・
そのころの総介は……
天四斗あまよと、某所
かみ総介「……こっち……か」
子供の気配を察知した総介はその気配をたどり、右往左往……
山咲やまざき桜「警部……?」
総介「心配いらん。山咲やまざき……俺がなんとかする……」
桜「……」
不安をよそに、桜は警部に従う
ところで……博士の遺児(名前は四又啓太というらしい)はどこにいるのかというと……
四又啓太「はぁ……はぁ……はぁ……」
*「テメェ!何モンだ……ここを我ら350dサゴオドライバーのアジトと知ってやってきたのか……?ああ!?」
350dサゴオドライバー……『d』とは直径の意味であり、半径に直すと『175r』となる……つまり……(待って!!)
*「ボス……相手はたかが子供だ……そうムキにならなくても……」
*「ほぉう?ただの子供が……あんなことするか!?」
と、ボスが指差す向こうには……屍の山……
*「ど……同志!!」
その惨状に、流石に部下も驚きを隠せない……
*「何か言ったらどうなんだ!……ああ!?」
啓太「う……う……うあああああああ!!!!」
バシュンッ
一同「おごえあああ!!!?」
啓太が大声を発すると……突如黒いもやが手当たり次第にそこらにいた人を襲い、殺していく……
と、その叫び声が総介に届いたのかどうかは分からないが……そのころ
総介「くっ……こっちか!?」
桜「警部……」
ダダダダダッ
今までにない異常なを感知した総介はすぐさまそっちへ向かう。桜も桜で置いていかれないように総介の後を
追う
・
・・
・・・
*「この……バケモノがぁ!!?言え!貴様の目的は……何だ!?」
啓太「……う……うぁぁあああ……あああ……ああがああああ!!!」
バシュンッ
*「ぐ……ごおお!!?」
しかし……意志の疎通は叶わず……ここに犯罪組織、350dサゴオドライバーは壊滅したのであった……

#4
総介「……」
啓太「う……うううう……」
桜「け……警部……これは!?」
遅れて総介がその場所にやってくると……屍の山の上に立つ啓太の姿が……
コツコツコツ……
啓太「……!」
総介が近づくと……ビクっとする啓太……・
啓太「や……やめろ……近づくな!!お前は……」
桜「警部……」
総介「山咲やまざき……下がっていろ……ここからは俺の問題だ……」
桜「はい……警部……」
と、言うわけで桜は引き下がる……
啓太「くるな!くるな!くるな!」
ドドンドンドンッ
黒いもやが総介に飛ぶ
総介「……」
バッシュッ
ズバシュッ
だが、そのもやは総介に当たる前に掻き消える
総介「お前は……真理に心と体を囚われているだけだ……」
啓太「うる……さい!!うるさい!うるさい!!」
ドドドドオッ
なおも黒いもやは襲い掛かる……だが、全ては無意味……刻一刻と総介と子供との距離が縮まる
総介「真理は……残酷なものだ……大人でさえ残酷に思えるのだから、子供たるお前では想像を絶する
 残酷さだろう……」
啓太「う……ああああ!!!」
総介が近づくたびに、啓太は一歩ずつ後退る……しかし、それは子供後退……すぐに距離は縮まっていく
総介「……だからといって……逃げるんじゃない!」
啓太「……あ……ああああ」
ガタガタと震えだす子供
総介「お前も威隻法腱いせき・はっけんの息子ならば……心理に打ち勝つことはできるはずだ!!」
さっ
手を伸ばす総介
啓太「威隻いせき……法腱はっけん」
総介「……さぁ……手をとれ!」
啓太「……う……うううう……」
ガッ
総介の手を掴む子供……すぐさま真理の情報が総介に流れ込む
総介「ぐ……ぐううう……」
ビシビシビシッ
知識の闇が総介を蝕む
桜「警部!!?」
だっ
咄嗟に駆けつける桜……しかし、それを制止する総介
総介「く……来るな!!!私は……大丈夫だ!山咲やまざき!!」
振り向かずに叫ぶ総介……その気迫に桜もその場に立ち止まる
総介「……お前は……今まで……苦しんできたんだな……だが……もう……苦しむ必要は……
 ないんだ!!!」
啓太「……あ……ああ」
総介「真理を恐れるな!囚われるな!逃げるな!打ち勝て!!お前なら……出来る!!!」
ガカアアアッ
そのとき、総介の蒼王の刃ブルーロード藍后の刄ブルーエンプレスが光り輝く
啓太「……う……うあああああ!!!!!?」
シュオオッ
次の瞬間子供が消え……そして……総介を蝕んでいた知識の闇も消える
総介「……はぁ……はぁ……」
桜「大丈夫ですか!?警部!」
総介「ああ、心配はいらん」
……こうして……威隻法腱いせき・はっけんの遺児、四又啓太は安らかに眠ったのだが……しかして、なぜ今になって彼が
出現したのかは……誰にもわからなかった……


END

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