Eighter -Noble Gathering-
16ther 〜もう一人の水使い A〜



#0
歪んだ力を持ち、最後に蛍(けい)に斃(たお)された漢……零大辰(れいだい・しん)……彼の使う流派は流水二刀流……覚えているだろうか
……彼の師匠の言葉……彼よりも強い漢がいるのだという……そして、そいつもまたふらっと旅に出て
いるのだと……そう、今回はそんな漢のエピソード……

#1
天四斗(あまよと)、水炎(みなほむら)の剣術道場
ジャリッ
*「……随分と寂れたな……水炎(みなほむら)師匠も……死んだというのは……本当だったのか……」
廃墟の中にたたずむ男性
*「……そして……風の噂で聞いた……歪んだそいつを斃(たお)した漢は……確か……」
そのまま漢は、蛍(けい)のことを思う……この漢こそ……件のもう1人なのか!?
・
・・
・・・
天四斗(あまよと)、某所
突込魁(とつこみ・かい)「……昼寝するからって……あいつ、どこへ行ったのよ!!全く……」
一方、魁(かい)は魁(かい)で、今日も今日とて蛍(けい)に振り回されっぱなしである……
ガサリッ
魁(かい)「うん?蛍(けい)!?」
物音がしたので、そっちへ行ってみると……しかし、そこに、蛍(けい)の姿はなかった……
*「……ここら辺に蛍(けい)がいるって聞いたんだけどな……」
魁(かい)「……えっと……誰!?……ですか!?」
目の前にいる漢は……若干蛍(けい)と似た衣装の……しかし、蛍(けい)ではない漢……
*「うん?……俺……俺は……抉繍鍼(けっしゅう・しん)……流水二刀流を極めんとするものよ……」
魁(かい)「流水……二刀流!?……零大辰(れいだい・しん)の仲間か!?」
抉繍鍼(けっしゅう・しん)「おいおい、あんな力に溺れたクズと一緒にしないでくれよ!」
ゴオオッ
『零大辰(れいだい・しん)』の名前を挙げた途端、ただならぬ殺気が魁(かい)を襲う
魁(かい)(ぐっ……何だ!?コイツ!?……強い……)
ザザッ
咄嗟に後退り、構える魁(かい)……
鍼(しん)「で、ヤツは今どこにいるの!?」
悠然と鍼(しん)は言う……
魁(かい)「……仇討ち……ではないのなら……何のために?」
鍼(しん)「時間稼ぎ……か!?……まぁ、いい……どっちが強いのか……死合いたいだけ……だ……」
魁(かい)(いや、時間稼ぎじゃないんだけど……)
何とか誤解を解きたい……と思う魁(かい)だが……話し合いでは解決しないんじゃないか……などとも思う
魁(かい)であった……
鍼(しん)「さて……どこにいるんだ?隠すとためにならないぜ?」
ズズズズズ……と鍼(しん)の気迫に圧されつつある魁(かい)……しかし、そんな情報は魁(かい)も知りたい……
魁(かい)「……ひっ……昼寝……」
そして、魁(かい)は絞り出すような声で、そう言うしか出来なかった……

#2
鍼(しん)「は!?」
魁(かい)「だから……この近くで昼寝……しているらしい……」
鍼(しん)「おいおい、つくならもっとマシな嘘を付きな!……大体こんな場所で昼寝するバカがいるかッ!」
ドギャアアアッ
近くにあった大木を薙ぎ倒し、脅す鍼(しん)。正直に言わないと……死ぬぞ?と……
ドズウウゥウウ〜〜〜ンッ
魁(かい)(いや、だから……嘘は言ってないんだけどなぁ……)
鍼(しん)「……さぁ……どこだ!?」
チキキッ
いつの間にか間合いを詰められ、刃を突きつけられている
魁(かい)「だから……本当に……私は……」
絶体絶命のピンチ……と、そんなとき、ぬけぬけと登場するのがコイツ!
天然蛍(あましか・けい)「……痛いなぁ……もう……人が折角昼寝していたのに……何も大木を折って(こんな方法で)
 起こさなくたっていいじゃん……」
鍼(しん)、魁(かい)「……」
鍼(しん)「……え!?……マジで昼寝!?」
魁(かい)「んなとこで寝とったんかい!!」
鍼(しん)のことは忘れ、突っ込まずにはいられない魁(かい)……
蛍(けい)「ん?何?そいつ!?」
鍼(しん)「……俺はな……」
蛍(けい)「ああ……庵曾(アンソ)……」
魁(かい)「違うわ!!!確かに『鍼(しん)』ってな共通点あるかもしれないけど……違うの!!」
※何で名前(漢字)を分かっているんだ!?魁(かい)さん!!などと突っ込んではいけない
鍼(しん)「抉繍……抉繍鍼(けっしゅう・しん)!流水二刀流を極めんとするものよ!」
蛍(けい)「ああ……突かれたら3日で死ぬってな秘孔を1日延命させるという秘孔……」
鍼(しん)「名前のネタを暴露するんじゃない!!」
※そこも暴露するんじゃない!!
蛍(けい)「……で、何なの!?」
ふぁ〜〜っと蛍(けい)は欠伸をしながら語る……
鍼(しん)「決まってるだろ!!キサマと俺、どっちが強いのか……死合うのみよ!!」
蛍(けい)「え〜〜〜!?面倒くさいなぁ……もう……」
魁(かい)(面倒くさいって……あのな……)
ズルっとする魁(かい)だが……しかし、これがいつもの蛍(けい)なんだよな……などと思う……
鍼(しん)「零大辰(れいだい・しん)の歪んだ剣を退けたお前だが、真の流水二刀流の後継者たるこの俺を斃(たお)せるかどうかやってもらおう
 じゃねぇか!!」
蛍(けい)「は〜〜〜、へ〜〜〜、ほ〜〜〜」
鍼(しん)「ってかきいてるのか!?キサマ」
蛍(けい)「うん、大丈夫。右からAって入ったら左からBで抜け出るから」
鍼(しん)「全然大丈夫じゃねぇ!!……ってかどうやったらそんな器用なことができるんだぁ!……じゃなくって
 とにかく!俺と死合え!!」
蛍(けい)「はぁ……仕様がないなぁもう……」
鍼(しん)(……やる気あんのか!?コイツ……)
魁(かい)(……大丈夫かなぁ?……蛍(けい)……)
投げやりな蛍(けい)とやる気満々な鍼(しん)……さてさて……この2人の死合は一体……どうなるのか!?


続

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