Eighter -Noble Gathering-
15ther 〜奪い去られた天球D〜



#7
蓋五山ふたごやまグループへ乗り込んだ一行……殺人集団ブラッディー・ベレーに爆弾付き機械人形HAMAをも退けた一行は
すぐさま最上階を目指す……
東京都、蓋五山ふたごやまグループ本社・最上階
ドガンッ
一同「蓋五山ふたごやま千蔵!!!キサマの悪事もこれまでだ!!」
ドアを蹴破ってなだれ込む一行
獅殺山しころやま麗(これじゃあこっちが悪役だよ……)
頭を抱え、その場にしゃがみ込む麗。依頼の相手を間違えたかも……と後悔してみる
*「しゃ……社長!!!」
蓋五山ふたごやま千蔵「慌てるなバカものが……」
ドガンッ
近くのロッカーを殴り、凹ませ、部下を鎮める千蔵
かみ総介「……お前らのやっていた悪事は前々から全てお見通しだ……」
その割にはここ10年間ずっと逮捕できなかったが……と総介は自嘲してみる
千蔵「フン……サツか……だがな……所詮分かっていても逮捕できなくては意味が無い……」
梓與鷹よたか「……じゃあ……やってみるか!?」
千蔵「フッフッフッフッフ……」
しかし、不敵にも千蔵は笑う
元人交喙いすか「何がおかしいってんだ!?」
千蔵「おりゃあはああ!!」
ボゴアアッ
イキナリ近くにいた部下の首を吹き飛ばす
麗「ひっ!?」
流石に衝撃がヒドすぎて失神してしまう麗
一同「しゃ……社長!?」
部下一行も突然の出来事に戦々恐々……
千蔵「数々の力士を葬ってきたこの頸刈くびかり……味わってみるか!?」
ボキボキっと指を鳴らしつつ千蔵が叫ぶ
與鷹よたか「……はぁ……本当に力士なんだなぁ……」
交喙いすか「マジで名前の通りの部屋にいた……んだったりして……」
総介「フッ……」
力士崩れなのか……そうでないのか……とちょっとした冗談に3人は笑みを浮かべる
麗「いや……あの……笑っている場合じゃないですって……」
そんななか、冷静に突っ込む麗……なんだか毒を食らわば皿まで……ってなことでもう、ここまできたら
どうにでもなれ……みたいな感じの麗であった……
※良く言うとふっきれた……悪く行くと諦観……でございます
*「そうだ!社長!!やっちゃってください!!」
*「おお!!あんなヤツラ……一ひねりですって……」
一同「殺れ!!殺っちまえぇええ!!」
うおおおおっと部下一同も千蔵社長に熱いエールを送る
千蔵「……おらぁあ!!」
ドボアアアアアアッ
一同「!????!!」
と、言うなり部下ら全員の首を落とす
麗「ヒッ!!?」
あんまりな行為に呆然唖然騒然な麗……使えない部下は一律クビってのは良いけど、何もそこまでしなくとも
……などと心の片隅で思ってみる

#8
千蔵「五月蝿ぇんだよ!てめぇら!」
・
・・
・・・
総介「殺人の現行犯でも逮捕……だな……」
サラリと総介は言い放つ
交喙いすか「……で、どうするんだ!?」
総介「どうするもこうするも……やることは1つだろ……」
與鷹よたか「……ああ……どうせならこのバベルの塔ごと破壊するか!?」
交喙いすか「いいね、それ」
麗(ってどうやるのよ!!ってかそんなことしたら私達の命まで危ないじゃないのよ!ここ23階だよ!!)
突っ込まずにはいられない一般人代表の麗であった……
與鷹よたか交喙いすか、総介「覚悟はいいな!千蔵!」
千蔵「ハッ!覚悟するのは貴様らだ!死ねぃ!相撲界禁じ手奥義!頸刈千手観音くびかりせんじゅかんのん」
ボハアアアアアアッ
北斗百烈拳……みたいな張り手で触れるもの全ての首を落とす
交喙いすか與鷹よたか、総介「ハッ!翠光斷すいこうだん!」
ズ……ゴギャアアアアアアアアアッ
緑色に輝くエネルギーの球体を作り出し、それを打ち出して部屋ごと千蔵を吹き飛ばす……いや、もはや
その威力は、最上階からそのまま地上まで響き、全てを打ち砕く
千蔵「な……なあああ!!!?」
・
・・
・・・
ガラガラガラガラガラッ……
白拍子かんな「……終わりましたね……」
山咲やまざき桜「ええ……」
麗「って何で……23階から落下してきて無事なのよおおおお!!!」
3人の放った技が全てを滅し、そのまま本社ビルは崩壊……千蔵は一歩も動けなくなった……
のだが、それはそれでおいといて……23Fから1Fまで叩き落とされてそれでもみんなはともかく、自分でさえ
無傷なことに驚きを隠せず叫ばずにはいられない麗
千蔵「ぐっ……キサマら……バケモノか!!?」
一同「人間だよ!」
麗「いやいや、アンタらが言いますか……」
ガサガサガサガサッ
そんな中、廃墟の中を探るかんな
かんな「あ、ありました……これですね……オーパーツの……光の天球」
23階から落下したにも関わらず傷ひとつ無い天球……やはり、かんなの超運のたまものか!?
麗「……」
最早、驚きの声も出ない麗
與鷹よたか「流石、オーパーツってなところだな……」
総介「フッ……」
交喙いすか「……ってなことで……これで仇は討ったわけだ……」
麗「……う……うん……何だか……夢みたいな……」
千蔵「違う!悪夢だ!!これは何かの悪夢だ!!」
確かに、千蔵にとっては悪夢のような出来事だったに違いない
総介「話は署で聞かせてもらおう……おら、とっとと歩け!!」
・
・・
・・・
かくて、10年前に発生し、そのまま解決せずに今まで放置されていたこの事件は幕を閉じた……
※光の天球とはどんなオーパーツなのか……それは、いずれまた……


END

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