Eighter -Noble Gathering-
12ther 〜黄泉帰る侍と憎悪 B〜



#3
東京都にある神崎研究所で行われているのは死者蘇生プロジェクト……そこには羅漢の恋人と思しき女性、
つるぎの舞が関わっており……更に……神崎通にも何かしら関係が……!?
一体、何が起きようとしているのか!?
*「所長。そろそろ復元が完了するころだと思われますが……」
神崎はじめ「うむ」
つるぎの舞「では、いきますよ」
と、言うわけで、一行は培養カプセルから離れ、パソコンが置かれている部屋へと移動する……
ピポパポパポパ
ニライカナイを操作する舞、それに伴い培養カプセルの液体が排出されたり、再注入されたりする
ゴボッゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボッ
はじめ「フフフ……フフフ……この実験が完成すれば……人類はついに死を克服することが出来るのだ!」
両手を広げ、叫ぶはじめ……
*「所長……どういうことですか!?……このプロジェクトは死者を蘇生するプロジェクトであり……
 不老不死のプロジェクトでは無いはずでは!?」
と、ここで、1人の研究員が素朴な疑問を提示する
はじめ「何を言う……死者が生前と全く同じ情報を持って……しかも一番の最盛期の状態で黄泉帰るのだぞ
 ……これを死を克服する以外になんと言う……」
*「……そ……そうか……例え死のうとも……このプロジェクトがあれば……」
そして、研究員もこのプロジェクトの真の目的に気が付く……
ザバザ〜〜〜〜
ガコッ
その間にも最後の排出が終わりカプセルが開く
はじめ「……気分はどうだね?現世の……何百年ぶりかの気分は……?」
*、*、*「……」
ゴギャウッ
ゴギンッ
バキベキゴキャッ
一同「おごえあああ!!!?」
しかし、突如として襲い掛かる弐番、参番カプセルの中身
※ちなみに、番カプセルの中身は微動だにしておりません。あくまで暴れだしたのは弐番、参番のみです
はじめ「な……何!?……どういうことだ!?舞……このプロジェクトは……失敗か!?」
突然の出来事に後退るはじめ……
舞「いいえ、成功ですよ……」
バッ
はじめ「バカを言うな!こんな事態に……」
ザクッ
はじめ「ご……ぐ!?」
咄嗟に振り向いて叫ぶはじめ……だが、その胸元に突き刺さるナイフ
舞「……うふふ……」
はじめ「貴様……まさか……はじめから……このつもり……で!!?」
ガクリッ
騙したのか……とはじめ……しかし、その言葉が最後まで紡がれることはなかった……

#4
舞「……私はね……あなたを利用していただけにすぎないのよ……そう、私1人の力ではこの施設や制御
 装置は創りだせなかった……あなたはただの資金提供者……私には……羅漢がいればそれでいいのよ
 ……」
あなたは簡単に私の策に乗ってくれたわ……死者蘇生……そして、不老不死……馬鹿な漢……と舞は
ほくそ笑む
舞「全ては……羅漢の為に……でも、その羅漢も2度と復活しない……だったら……今度は私があいつ
 に同じ思いをさせる番……」
ゴキャアアアッ
鈍い音と共にはじめの首の骨が折られる……番カプセルの漢の仕業だ……
舞「うふふふふ……あはははははははは!!!!」
*、*、*「……」
舞と復活した武将以外いないその部屋に、狂気に満ちた舞の笑い声が谺する
・
・・
・・・
それから3日後……
梓與鷹よたか「……ここ……か!?」
エル・オンブレ・ドラド「神崎研究所……間違いないです」
白拍子かんな「依頼の内容は『私の経営する研究所で起こる怪現象を全て解決して欲しい……神崎はじめ』との
 ことでしたが……」
白拍子かれん「怪現象だろうが皆日食だろうがぱっぱと解明してあげようじゃないのよ!」
白拍子かなり「アトランティスでの検索の結果、所長の神崎はじめとやらは既に死亡している……」
與鷹よたか「ああ……そして……」
エル「つるぎの舞……彼女が事件の黒幕である可能性が高い……」
與鷹よたか「……舞……か……」
かれん「確か伍佰ごひゃく羅漢の恋人って情報だったけど……」
かなり「フン……恋人が死んだくらいで何をメソメソしているのかしらねぇ!全く……」
かれん「いや、普通メソメソすると思うんですが……」
エル「とにかく、気を引き締めていった方がいいですね……この先、何があるか分かりませんから……」
與鷹よたか「……ああ、そうだな……」
*「グオオオオオオオオオオッ!!」
かれん「ななな……何よ!何よ!今の雄たけび!?」
かなり「ああ?そんなの分かるわけ無いでしょ!!!」
ドドドドドドドドドドドッ
そして地響きが……
かんな「来ますよ……」
ゴアッ
小柄な漢と大柄な漢がそれぞれ刀を携えて襲ってくる
かんな、かれん「くっ」
ギギインッ
小柄な方はかんな、大柄な方はかれんが相手をする
かなり「頑張りなさいね〜〜」
かれん「ちょ、ちょっと姉さん!!!」
振り向きかなりの無責任さに呆れるかれんだが……
かんな「おしゃべりの時間は無いみたいですよ、姉さん……」
敵はそんなこと待っていてはくれない……
ギンッ
ギギンッ
……さて、突如襲い掛かってきたこの2人は一体……!?


続

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