Eighter -Noble Gathering-
12ther 〜黄泉帰る侍と憎悪 A〜



#0
第九帝国を復活させ、世界を支配しようと考えた漢、伍佰ごひゃく羅漢……彼は自らの欲に飲まれ、消滅したのだが
……それで全て終わったわけではなかった……
今回はそんな羅漢の亡霊(?)に纏わるエピソード

#1
第九帝国、ディルンバデロ
*「ああ……羅漢……羅漢んん……」
羅漢がいたであろう場所に佇む女性。そのばに頽れ、涙を流す……
*「……あなたの仇は……必ず……この私が……」
そして、彼女は決意する……必ず羅漢の仇を討つ……と……
これが、大事件に発展するなどと……この時誰も思いもしなかった……
・
・・
・・・
……場所は変わって……
東京都、神崎研究所
*「所長、はじめ所長……」
神崎はじめ「どうした?」
書類整備を行っていたはじめはじめに、研究員が1人やってくる……
*「逃げ出していたヤツが見つかりました……しかも、最近この近くにいたようです……」
はじめ「ほぉう……」
その言葉を聞き、ニヤリとするはじめ……
*「聞いた話だと……ヤツは今、『神埼通』を名乗っているそうです」
※Q:あれ!?通さんって……偽名なの!?
 A:……はい、そうです。(え!?即答!?)
はじめ「我が神崎家の名前をかたるか……フフン……」
*「どうします?」
はじめ「……構わん……放っておけ……」
*「しかし……」
*「今は、こっちのプロジェクトの方が大事……ってことですよ」
と、そこへさっきまでディルンバデロで泣き崩れていた女がやってくるる
*「はっ……つるぎの舞さん……」
つるぎの舞「ただいま戻りました」
はじめ「……何か分かったかね?」
舞「……」
しかし、無言の舞……沈黙は肯定と言うが、この場合、何もわからなかった……のが正しいだろう
はじめ「……そうか……」
しかし、それ以上かける言葉が見つからないはじめ……
*「羅漢氏のことですか!?……自分はよくは分からないのですが、我々のプロジェクトでどうにかならない
 ものなのですか?」
と、そこへ、研究員がぽつりと漏らす……
はじめ「……死者蘇生プロジェクト……でか……?」
*「はい」
舞「……故人の情報をベースにオーパーツCP、ニライカナイにて本人を復元させる……それが死者蘇生
 プロジェクト……」
*「でしたら……」
舞「……でもね、復元させるにはその本人の何かしらの生体情報が必要なの……分かる?」
*「……へ!?……それは……分かっていますが……」

#2
舞「……つまり、そういうことなのよ……」
羅漢の生体情報は……なかったわ……と舞
*「……しかし……それを言うならば現在行っている武将の復活も……」
だったら……古の武将を現代に復活させるなんて……そっちの方が無理じゃないですか!と研究員
はじめ「……いや、それは可能なのだ……なぜならばその情報は……歴史の墓場に眠っているからだ……」
*「歴史……の……墓場!?」
舞「でも、羅漢の情報はどこにも無かった……死亡……ではなく、消滅したのよ、羅漢は……與鷹よたかの手に
 よって!!」
*「は……はぁ……」
しかし、話についていけない研究員は……ただ、頷くことしかできないのであった……
はじめ「ところで、順調にいっているのかね?プロジェクトの方は?」
*「はい、弐番、参番カプセルには時々不具合が見られますが、さほど問題は無いと思われます……ですが、
 番カプセルはここのところ常に……」
舞「何ですって!?……詳細は!?」
*「は、こちらに……」
詳細をまとめたレポートを渡す
パラパラパラッ
舞「ふぅん……なるほどね……ちょっと数値が高いだけじゃないの……」
レポートを見ながら話す舞
*「しかし……今まで行ってきた実験ではこのような数値が出たことは……」
舞「順調よ!これは……そう……完全に復活している……ってところかしらね?」
はじめ「……フム……」
舞「じゃ、行きましょうか……ゲート開いて」
*「はっ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
扉が開き、一行は研究室の中へ……
舞「……気分はどう?……って、まだしゃべれないのよねぇ……ふふふ……」
ゴポゴポゴポ……
緑色の液体の中にいる人間が3人……
はじめ「だが、心配は無用だ……直にお前たちは復活する……現世に!第2の人生を!!」
舞「そ、うふふふ……」
はじめ「ハハハハハ……ハァ〜〜〜ッハッハッハッハ!!」
・
・・
・・・
そのころ東京都をぶらぶらしていた神崎は……
東京都、某所
*(……我が恨み、未だ晴れず……殺してやる……殺してやるぞ!!!!)
神崎通「む!?……何だ……?今の……声!?」
当りを見渡すが、声の主は見えない……
通「……気のせい……か!?……しかし……あの声は……まさか……な……」
通に聞き覚えのある声だったのか……だとしたら、それは一体誰の声であるのか!?……
そして……神崎研究所で行われている死者蘇生プロジェクトに羅漢、つるぎの舞……これかが示すものとは……


続

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