Eighter -Noble Gathering-
9ther 〜喧嘩上等な化粧品コスメ C〜



#5
ある日、Eighterに舞い込んだ依頼……それは自社のモノを奪い、設立した会社からそれを奪い返してほしい
……とのこだった……
かくて、かんなら一行はVoCEヴォケの技術を盗んだDHCに乗り込んだのだが……
ザッ
ダダンッ
暫くの攻防が終わった後、かんなは距離を置く
白拍子かんな「……そろそろ茶番は終わりにしましょう……」
チキッ
神滅超越者ラグナロクエクセルを構え直すかんな
多藤刺青さしあお「フフ……茶番はそっちだ……そろそろ覚悟決めてもらおうか!……はぁ……」
梓與鷹よたか「ん!?」
そのとき、與鷹よたかは気が付いた……刺青さしあおの息が上がっていると言うことを……
※先ほどの刺青さしあおの『はぁ……』ってのはため息ではなく、息が上がったために出たものです。
かんな「お終いです」
ヒュッ
ガウアアッ
瞬時に間合いを詰め、横に薙ぎ払うかんな……だが、それを軽々と回避してかんなの背後を取る刺青さしあお
刺青さしあお「ぜはぁ……ぜはぁ……フフフ……そこまでか!?……」
雨水おぼろ「……地味〜〜に息切れてるよ……」
與鷹よたか「……ああ、俺もさっきからそれが気になっていたんだが……」
なんか息が上がっていっぱいいっぱいだな……などと思う與鷹よたか
かんな「……言ったはずです。もう、お終いですよ……」
刺青さしあお「何を馬鹿な……はぁ……はぁ……負け惜しみもそこまでに……ぜはぁ……おかしい……なぜか
 ……呼吸が……」
そのままちょっと休憩……と言わんばかりに肩で息をする刺青さしあお
スチャッ
そんな刺青さしあおに無慈悲にかんなは刃を向ける
與鷹よたか「かんな……これは……一体……どういう!?」
一体……何をしたらこうなるんだ!?と與鷹よたかいぶかしんでいると……かんなは答える
かんな「……化粧で底上げできるのは戦闘能力や、スピードだけです。……自身の基礎体力が上がることは
 ないんです」
與鷹よたか「あ〜〜〜」
おぼろ「……えっと……つまり……」
そう、刺青さしあおは体を酷使して今までかんなと渡り合ってきた……が、しかし、もともと体力がある方では無かった
ため、スタミナがすぐに切れてしまった……
一同「……」
刺青さしあお「え!?……じゃあ……」
ガックリと力切れでそのまま頽れる刺青さしあお
刺青さしあお「……わ……私のやってきたことは……無駄だったの……か!?」
與鷹よたか(……いや……確かに鍛え上げられた兵士がコレを使ったならば……あるいは……)
與鷹よたか、一抹の不安を胸に……しかし、彼にそれを教えるわけにはいかない……
かんな「確かに、これは返してもらいますよ……」
そんな中、優雅に香りの尾片アロマ・テイルピースを取り戻すかんな

#6
刺青さしあお「させる……ぜはぁ……はぁ……はぁ……」
体力の限界な刺青さしあおに……かんなを止める術はなく……呆気なく、奪い返されてしまう……
かんな「……では……」
刺青さしあお「あ……ちょ……俺の化粧……ぜはぁ……ど、どうにか……ならんの……か!?」
一同「自業自得だろ!」
刺青さしあお「そ……そんな……ぜはぁ……ぜはぁ……」
・
・・
・・・
天四斗あまよと、Eighter本部
黒菊ぷらむ「……取り返したんだな……」
後日、再びVoCEヴォケの女社長、ぷらむがEighter本部を訪れる
かみ総介「……ちょっと待った……」
ぷらむ「ああん!?何だてめぇ!?」
総介「……これはオーパーツ……しかも、兵器に転用可能な危険な代物……それをお前に託したまま……
 というわけにはいかないのでな……」
ズズイっと自分の手に置く総介
ぷらむ「ああん!?何だってぇ!?」
與鷹よたか「総……」
総介「オーパーツを保管、管理するのがお前らの仕事だ……」
與鷹よたか「……それは……だが……」
かんな「だったら、貸出ってことでどうでしょう?」
ぷらむ「貸出だぁ!?」
総介「……」
ルシャーティー・エィユゥミス「……そうですね……確かに、その香りの尾片アロマ・テイルピースの管理登録は済みました
 ……」
プラム「……をぉ!?」
突如空間スクリーンと共にルシャ出現……が、しかし、あまり動じないぷらむ
総介「……フン……だったら……好きにしろ……」
プラム「フン……もとからそうさせてもらう!!」
ガッ
そのまま総介から香りの尾片アロマ・テイルピースを奪い去るぷらむ
おぼろ(……なんか、似た者同士……って感じ……)
ぷらむ「世話になったな……」
かくて、ぷらむはEighter本部を去っていく……香りの尾片アロマ・テイルピースはEighterが管理しつつ、VoCEヴォケに貸与ということに
なり、VoCEヴォケが使用方法を誤ればたちどころに強制返却されるという仕組みとなり、この事件は一応幕引きと
なったのであった……
・
・・
・・・
その後……
*「VoCEヴォケがまた新作を出したのよ……」
*「ふふん……私は既に購入済みよ!」
*「あ〜〜、いいなぁ……」
ナチュラルメイク専用化粧品コスメの雄、VoCEヴォケは更に事業拡大……
『ああン!?てめぇも女なら、ちったぁ美容に気ぃつけろVoCEヴォケェ!』
……かくて、VoCEヴォケの快進撃は続く……

#7
東京都、某所
刺青さしあお「フフフ……フハァ〜〜〜ッハッハッハ!!ついに、やったぞ!!今度こそ完全なる兵器としての化粧品コスメ
 だぁ!!」
余談だが、DHCはその後、Detroit Heaven Cosmeticsとして生まれ変わったりするのだが、それはまた別の話
である。

END

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