Eighter -Noble Gathering-
6ther 〜真理までの求道者シーカー C〜



#5
電話から始まった依頼……威隻法腱いせき・はっけんが遺した遺産をもとに、一行は真理の神殿へと旅立つ……はたして、
そこで一行を待ち構えるものとは……何か……
と、ここで、ここで、話は真理の神殿に赴いている芒星ぼうせいへと移ります
歴史の墓場、真理の神殿
時野芒星ぼうせい「……こ……ここは!?」
玲子の兄、時野芒星ぼうせいは厳かな雰囲気の神殿(=真理の神殿)の中にいた……
*「……愚か者……」
そして、突如聞こえる怒号……しかし、それは、芒星ぼうせいのよく知る者の声であった……
時野芒星ぼうせい「は、博士……威隻法腱いせき・はっけん博士なのですね!!どこです!?博士!姿を!!」
ビシイッ
突如として研究所と共に消滅した威隻いせき博士を探そうと、辺りを見渡そうとするが……動きが取れない
芒星ぼうせい「なっ……こ……これは……」
何が起こったのか……と自分の体をよく見てみると、自分の足に赤黒いヒビ割れが出来ている
芒星ぼうせい「な……!?」
何が起こったのかわからぬまま驚く芒星ぼうせい……
威隻法腱いせき・はっけん「……お前も……禁断の扉を開けてしまったようだな……」
スウッ
と、そこに半透明な博士が登場する
芒星ぼうせい「博士!……そのお姿は!?」
一体、ここはどんな場所なんです!?……と聞く芒星ぼうせい……だが、その質問には法腱はっけんは答えない……
法腱はっけん「……やはり……『神との対話』は……執筆すべきではなかった……」
ビシビシッ
芒星ぼうせい「ぐお!?」
その間にも芒星ぼうせいを蝕むヒビ割れが進んでいく
芒星ぼうせい「……くっ……どういうことです!?博士……ここは……ここはどこなんです!?……いや、
 そんなことはどうでもいい!!ここは……何ですか!!?」
パニックに陥る芒星ぼうせい……そんな彼を冷めたまなざしで見つめる法腱はっけん……
法腱はっけん「……ここが……『真理の神殿』……だ……」
芒星ぼうせい「博士!ふざけないでください!!そんなことは……わかってます!!!だから……」
更に、博士は続ける
法腱はっけん「……ここはある意味地獄……人間の……業そのもの……神々が永劫隠し続けた場所……人類ヒト
 が踏み入れてはならぬ領域」
ビシビシビシッ
芒星ぼうせい「う……うぅ……」
なおもヒビ割れは芒星ぼうせいの体を蝕んでいく

#6
芒星ぼうせい「博士……博士……」
救いを求める手……だが、それも虚しく……ますます、黒きヒビ割れは増えていく……
法腱はっけん「お前の罪も……私が背負おう……だから……」
芒星ぼうせい「博士……何を……!!?」
そんなことを聞いているわけではない……と芒星ぼうせい
法腱はっけん「……ここに足を踏み入れたが最後……お前はもう生きて帰ることは出来ぬ」
芒星ぼうせい「はか……せ!!?」
法腱はっけん「……かつて……私の同胞がそうだったように……」
それは、悔んだところでどうしようもない、遠い日の思い出……
芒星ぼうせい「博士!博士!……一体……あのときに……何……ぐうう!!!」
ビシビシビシビシッ
一体、威隻いせき研究所崩壊の際に、何が起きたのか……だが、そんなことを考える暇もなく、無情にヒビ割れは進む
……
法腱はっけん「……全ては儂の愚かさが原因……お前も儂を恨め……憎め……そして……『知識の闇』に
 食われてくれ……」
芒星ぼうせい「博士……どういう!?」
ヴオムッ
と、そのとき、空間が歪み、與鷹よたから一行……真理の神殿に到着す……
法腱はっけん「……」
梓與鷹よたか「……何だ!?ここ……」
山咲やまざき桜「……警部……ここは!?」
かみ総介「クソッ!やはりここか……」
忌々しげに毒づく総介……
與鷹よたか「総……お前……ここを!?」
知っているのか!?と與鷹よたかが聞こうとした矢先、桜が何かを見つける
桜「……あれは……」
芒星ぼうせい「うおおおお!!!」
それは……苦しみもがく漢と……それを興味なさそうに見つめる半透明な漢……
與鷹よたか「なっ……威隻法腱いせき・はっけん……博士!!?」
法腱はっけん「……お前達も愚か者だな……」
ようこそ、地獄へ……と法腱はっけん
與鷹よたか「……今は、早く、彼を助け出さないと……」
法腱はっけん「無駄だ……この『知識の闇』から人は逃れる術を持たない……そして、ここに足を踏み入れたが最後、
 お前たちは永劫現実世界に戻ること叶わぬ……」
白拍子かんな「……では、やってみましょうか?……聖明舞刃せいみょうぶじん」
パアアアアアッ
と、ここでかんなが会話に割り込む
芒星ぼうせい「う……おおおお!!!!?」
ふおっ
芒星ぼうせいを蝕んでいた知識の闇が消える
法腱はっけん「な……何ぃ!?」
芒星ぼうせい「くっ……た……助かったのか!?」
法腱はっけん「……なぜだ!?なぜ……『知識の闇』の侵食が……」
人の力では絶対に救うことのできない神の究極の呪い……それを解除できたことに対し、驚きを隠せない法腱はっけん
白拍子かなり「……」
・
・・
・・・
法腱はっけん「……助かったのならば、帰れ!」
與鷹よたか「何!?」
法腱はっけん「……ここは人類が立ち入るべき場所では無い」
與鷹よたか「……博士……あなたは……ここで……何を?」
法腱はっけん「……ふふ……儂か?……儂はここで未来永劫死ぬことなく、ここに足を踏み入れた愚か者どもと
 罪と罰を共有している……」
総介「……確かに……ここは人類の罪、いや業が集っている場所かもしれんな……」
一同「え!?」
総介はこの場所を知っている!?……真理の神殿とは……一体


続

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