Eighter -Noble Gathering-
4ther 〜災厄の土地カラミティアスな誘い C〜



#5
第四の力フォース・フォースの代わりを求めて災厄の土地カラミティアスまでやってきたかれん……そこは人間が足を踏み入れてはならぬ不可侵
の場所であった
……そして、そこの守護者、『グラシュティグ』と一戦交えることになる。
グラシュティグ「フン……」
バアッシュッ
白拍子かれん「な!?」
先手必勝……のかれんの大技……だが、それは容易く打ち破られる
すすっ
呆気にとられていると、次の瞬間には間合いを詰められるかれん
かれん「しまっ!?」
グラシュティグ「遅い……消えろ!」
ドンッ
かれん「!!!!!」
その直後、かれんの意識は闇に呑まれるのであった……
・
・・
・・・
かれん(……こ……ここは……)
そして、暗黒の中のかれん……そこは……死後の世界……なのか……
かれん(あ〜〜……)
参ったな……また……死んじゃったのかな……と妙に楽観的なかれん……だが、今回は運などないかれん
最早……復活することは皆無……と、その時……声が……辺りに響く
*(……お前は力を求めてここへ来たようだが……ここにはお前の望む力はない……縦しんばあったと
 しても、その力は誰にも貸与されることはない……)
かれん(だ……誰!?)
辺りを見渡しても……やはり、人影などなく……しかし、声は響く……
*(……人なんてものは……愚かな生き物だ……力を手に入れれば、より強大な力を求め、その力に溺れる
 ……そして、その果てにあるのは……『死』……力に魅入られしものとは……なんと……浅はか
 なものか……)
かれん(……ええ、そうね……人の欲望は果てなく……その力が身を滅ぼすと知っていてもその力を手に
 することを厭わない……)
*(……それでも、お前は力を求めるのか!?)
かれん(私は……)
そして、かれんはふと想う……自分は、何のために力が欲しかったのか……
かれん(……そうか……私は……本当は誰かを護るための力が欲しかった……でも、いつしか、『力』
 しか見ようとしていなかった……)
だから……陽天に付け込まれた……とかれんは呟く……
*(……なるほど……『護る』……か……)
その力で……何を護りたかったのだ……と声は問う
かれん(全て……仲間も、世界も……かんなを……かんなのセカイを護りたかった……)
でも、その役目は全てかなり姉さんが全うしてしまった……だから……私は……姉さんを超える力が
欲しかった……とかれんは呟く……
それが……かれんが家を出て行った……本当の理由……

#6
*(……その者を……そのセカイを護るためならば……どんな対価を払っても良いと?)
かれん(ええ。当然!)
*(……)
そして、かれんの宣言を最後に、その謎の声は途絶える……
かれん(……何?質問は終わり!?……だったら次は私の番……あなた一体誰なの!?)
ぼや〜〜〜
すると、突如かれんの前に何やら人影が……
*(……護るための力……その想いは力を凌駕する……)
かれん(……?)
*(……そうか……だから……あいつは……笑って……私を……)
ぼんやりとしてた人影が徐々にその全貌をクッキリと顕していく……
*(もはや、2度と力を貸すことはない……そう、決めていた……だが、それは……逃げていただけなの
 か……)
かれん(さっきから……何を!?)
*(お前の覚悟……見せてもらうぞ……故に、我が『力』を受けよ……そして、我が名を唱えよ……
 我が名は―――……)
・
・・
・・・
ここで、話は災厄の土地カラミティアスに話は戻ります
ひょいっ
かれんの近くに落ちていた第四の力フォース・フォース(柄部分)を手に取るグラシュティグ
グラシュティグ「……第四の力フォース・フォース黒の獣王ネロ・ビスティアか……だが、このようなものはもはや何の役にもたたんな……」
バシュッ
そして、それをいとも簡単に消し去るグラシュティグ
グラシュティグ「……さて……」
そして、かれんも消し去ったことで満足したグラシュティグはその場を去ろうとするのだが……
カアアアアッ
グラシュティグ「くっ……何!?……この……光!?」
パアッ
光と共にかれんが参上する
グラシュティグ「馬鹿な!?どうやってあの場所から!?」
かれん「……力の差だ……グラシュティグ……」
グラシュティグ「馬鹿なことを……ただの人間の小娘に……」
コオオオオッ
そして、かれんの右手から光が放たれる
グラシュティグ「……フンッ、どんな奇術を使おうとも……」
ギュルルルルッ
光が形を作り、刃を成す
グラシュティグ「な……何!?バ……馬鹿な……」
出来上がったそれを見てグラシュティグは驚く
グラシュティグ「なぜ……貴様がそれを持っている!!?何故……予兆共鳴者オーメンレゾナンスが貴様の手にある!?……
 答えろ!」
かれん「……」
……かれんに力を貸した新たな存在とは……!?
かれんは……無事に現実世界に戻ることが出来るのか!?


続

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