Eighter -Noble Gathering-
2nder 〜消せない過去の楔 C〜
#5
與鷹、交喙(、総介……同じ夢を追い、道は違えども、交友は変わることは無いと思っていたのだが……
それは突如壊される……
そう……それは、今から3年前の出来事……
東京都、某所
上(総介「……今回の事件(はヤバイな……」
物陰に隠れつつ、総介は呟く……
山嵜昨羅(「犯罪斡旋組織、血に飢えた鮫群(……その首魁……血の鮫(……本名は……桐間西斗(」
当時、警察も手を焼いていた新興犯罪斡旋組織……しかし、いつまでも手を拱いているわけにもいかず、遂に
警視庁は選りすぐりのメンバーを一つの部隊に纏め、血に飢えた鮫群(の壊滅、および、その首魁の血の鮫(の捕縛に
乗り出したのだ……
元人交喙(「あの事件で……オトリになった昨羅(は死んだ!!……総介!お前が殺したんだ!!」
ガッ
襟もとを掴んで叫ぶ交喙(
※ここで、話は回想から一時、現在に戻っております。
梓與鷹(「お、おい……交喙(……」
総介「……確かに……俺が……アイツを殺した……」
弁明をするまでもなく、その事実を口にする総介……しかし、それで納得するようならそもそも交喙(はこの時期
に総介に話を持ち出さない
交喙(「キサマぁあああ!!!」
総介「……交喙(……」
・
・・
・・・
ここで、話は再び3年前に戻ります……
総介「……上の判断を仰いでいる暇はねぇな……」
血の鮫(は今にも動き出そうとしている……そして、ここで相談していては機を逃す……
昨羅(「どうすんの?総介?」
総介「……厳しいが……正面突破して逮捕するか……」
昨羅(「OK。やっぱそうじゃないとね……」
総介「……蒼王の刃(……万一のために持って行け」
蒼王の刃(を差し出す総介
昨羅(「何言ってんの……それはあなたに必要不可欠でしょ……私はこっちで十分よ」
すっ
藍后の刄(を勝手に取り出す昨羅(
総介「しかし……」
この時、既に、総介は真理の断片で昨羅(の未来死を予測していた……
昨羅(「何?……いつもの総介らしくないよ……」
総介「……フッ……死ぬなよ……」
昨羅(「そっちこそ……」
ドドッ
無謀な特攻であることは百も承知……無茶な作戦であることは十分理解していた……加えて真理の断片が
語るものは残酷な真実……だが……俺は……俺の身に宿る神……その神の持つ神器の力なら……
あるいは……と……過信していたのかもしれない……
#6
総介「うおおおお!!!」
ドッ
ガスッ
*「ぐううっ……な……何!?」
総介「桐間西斗(!!……いや、血の鮫(!キサマを逮捕する!!どけぇ!テメェら!邪魔だああ!!!!」
2手に分かれて突撃したのだが……それがマズかったのか……
ドダダンッ
そのまま並いる犯罪者を蒼王の刃(で峰打ちにしつつ、総介は突き進む……
ダムッ
総介「血の鮫(ッ!もはやキサマに逃げ道は無いぞ!!」
そのまま血の鮫(がいる部屋へと乗り込む総介……
血の鮫(「フフフ……そいつはどうかな!?」
総介「……くっ」
真理の断片が告げる残酷な未来……総介はその時、自分の過ちを悟った……
血の鮫(「つれて来い……」
*「フフフ……」
……そして、連れてこられたのは……銃を突き付けられている昨羅(
総介「貴様……」
血の鮫(「さぁ〜〜て……おとなしく武器を捨ててもらおうか……」
昨羅(「総介……」
総介「……」
ドスッ
蒼王の刃(を地面に突き刺す総介……
血の鮫(「拳銃、手錠も置いて、そのまま下がってもらおう……」
総介「……」
チャッ
拳銃、手錠を取り出す総介……と、そのとき昨羅(が叫ぶ
昨羅(「総介!……王は死んではならない……一時の情に流されて王が死ねば……それに従う千の兵も死ぬ
……総介……あなたは今、死んではならない人間なのよ!!」
総介「よせ!昨羅(!!それは……」
昨羅(「総介……あなたが私を愛しているならば……私を……私を捨ててッ!!!」
総介「そんなことは……俺には出来ん!」
昨羅(「総介……あなたは『王』たる資質の持ち主なのよ……」
*「黙れ小娘」
ガツッ
拳銃で昨羅(を殴る血の鮫(の部下
昨羅(「総介……私の最後のお願いを……聞いて」
総介「や……やめるんだ!」
ガウンッ
そのまま昨羅(は血の鮫(の部下の持つ銃……正確にはその引き鉄を引いた……
血の鮫(「……チッ……」
折角の人質が……と血の鮫(……
総介「う……うおおおおおおおおお!!!!」
コアアアアアアアッ
昨羅(が死んだことで怒り狂う総介……そして、その怒りに呼応する蒼王の刃(
総介「……貴様ら……全員……逮捕だ!!!」
ドゴアアアアアアアアッ
一同「ぐ……ぐおおおお!!!!?」
蒼き光が満たされ……その場に居合わせた全員が弾き飛ぶ
血の鮫(「ゲ……ゲフォ……な……何だ!?……今……何が起こった!!?」
チキッ
総介「……キサマはここで終わりだ!」
怒りに燃える総介……
血の鮫(「ぐ……ぐうう……」
ガクリと頽れる血の鮫(であった……
……その日……犯罪斡旋組織、血に飢えた鮫群(は壊滅した……1人の婦警の殉職をもってして……
続
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