Eighter -Noble Gathering-
1ster 〜失われし力と記憶 B〜



#3
鵺帛主ヤヌスとの最終決戦後……かんなはなかなか戻ってこなかったのだが……突然、歴史の墓場に出現……
與鷹よたから一行はかんなを迎えに歴史の墓場へと向かうのだが……
白拍子かんな「……かんな……?」
百鬼あろえ「かんな……ちょっと、どうしちゃったの!?」
かんな「……私が……かんな……!?」
梓與鷹よたか「これは……記憶喪失って奴か!?」
一同「ええ〜〜〜!?」
鵺帛主ヤヌスとの壮絶な死合の反動の結果……記憶を失ってしまった……のか!?と與鷹よたか……
白拍子かれん(ふっふっふ……これはチャンス……かんなが記憶を失っている隙に色々と吹き込めば……
 私にも……)
ガシッ
白拍子かなり「かれん……こういう諺を知ってる!?『人の恋路を邪魔するものは……竜馬に蹴られて
 生きながら無間地獄を彷徨うがいい』ってね……」
肩を掴んでかなりが脅す
かれん「うひぃい!!!」
あろえ「……なぜ、竜馬……」
與鷹よたか「かんな……」
かんな「は……いっ!?」
ビクっとするかんな……
あろえ「……本当に……何もかも覚えていない……みたいね……」
かれん「ん〜〜、こういうときは……ショック療法よね……」
與鷹よたか「おい、かれん……お前は、かんなに再び鵺帛主ヤヌスと死合えとか言うんじゃないだろうな!?」
かなり「残念だけど、鵺帛主ヤヌスは滅したのよ……もう、復活しないのよ……」
かれん「そんな……」
あろえ「いや、鵺帛主ヤヌスのことに嘆くんじゃなく、かんなのことについてよく考えて……」
かれん……あなた、心の片隅でまだ、かんなのことを疎ましく思ってるんじゃないの!?とあろえの突っ込みに
かれんは……冷や汗をたらしちょっと後退るのであった……
與鷹よたか「はぁ……参ったね……こりゃ……」
かんなは帰ってきた……しかし、彼女に今までの記憶はないときた……
かなり「ん〜〜、まぁ、気長に待てばそのうち戻るでしょ……」
あろえ「そんな……適当な……」
かなり「まぁ、人生なんて存外適当なものなのよ……それよりも……さっさとこの場から帰らないと……
 送り狼が現れるわよ……」
かれん「いやいや、歴史の墓場こんな場所に送り狼なんて出ないでしょ!!」
*「……もう帰ってしまうのか……」
一同「なっ!?誰!?」
かなりの変な一言で皆が呆れたその直後……突如、歴史の墓場に声が響く

#4
グニャリ……
そして、かんなの前方の空間が歪み……そこに1柱の神が舞い降りる
與鷹よたか「な……んだ!?」
*「初めましてだ……お嬢さん……」
かなり「あ〜〜、厄介なのが出てきたわね……」
かれん「いや、厄介なのって……いきなり言われても分からないんですけど……」
かなり「いいこと、アレは過初叨素ヨグ=ソトース……女ったらしで有名な『千界の媛女えんじょを求めし大地の魔狼』よ!」
あろえ「女ったらしで有名な神って……」
過初叨素ヨグ=ソトース「知っているなら……話は早い……」
かなり「言っとくけど、かんなは渡さないわよ……」
すっと真殺影刃を構えるかなり
過初叨素ヨグ=ソトース「……我が妾となれる……これほど光栄なことはないというのに……」
ぐいっ
かんな「あっ……」
そのままかんなの腕を掴み持ちあげる
與鷹よたか「かんな!」
過初叨素ヨグ=ソトース「人の身では味わうことのできない快楽にたっぷりと漬けてやろうというのに……」
コオオオッ
歳殺月天さいさつげってん(そうは……させません!!)
記憶を失っても、かんなに宿る月天げってんの力は健在……
あろえ「あれって……歳殺月天さいさつげってんの!?」
過初叨素ヨグ=ソトース「ハッ……鵺帛主ヤヌス世界の……脆弱な神如きがッ!逕庭神アザーゴッドの我に意見するかッ!」
ズドゴオアアアアアアアッ
歳殺月天さいさつげってん(あ……あああ!!?)
一同「ぐっ!?」
過初叨素ヨグ=ソトースの裂帛の気合……その神氣しんき月天げってんを容赦なく呑み込み、消し去る……かくてここに、かんなから
月天げってんの力が消失したのであった……
與鷹よたか「くっ……」
こんなときに……なんて奴と遭遇してしまったんだ……と與鷹よたか……かなりはこれを見越して早々に
立ち去ろうとしていたのか……と、思うが……既に後の祭りである……
過初叨素ヨグ=ソトース「さぁ……」
かんな「い……やっ……」
ずざっ
後退るかんな……
過初叨素ヨグ=ソトース「何も恐れることはない……我に身を委ねるだけだ……それだけでいい……後は……甘美なる
 世界がお前を待っている……」
かんな(ダメ……この……神についていっては……駄目……でも、私には……何も出来ない……
 どうしたら……いいの!?)
過初叨素ヨグ=ソトース「さぁ……我が手を取れ……そして、永劫の快楽に酔いしれるがいい……」
かんな「嫌です……」
與鷹よたか「くっ……かんな……」
助けに行きたい與鷹よたかだが……過初叨素ヨグ=ソトース神氣しんきに圧され、身動きが取れない……
*(……ほう……気高き誇りを胸に……折れない心を持つ……か……)
かんな(え!?)
……そして、突如かんなに語りかける謎の存在……それは……かんなの救いとなるのか……それとも
このまま過初叨素ヨグ=ソトースに寝取られてしまうと言うのか!?


続

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