Eighter -Noble Gathering-
1ster 〜失われし力と記憶 C〜



#5
かんなは帰ってきた……が、しかし、彼女は記憶を失っていた……とりあえず、一行は歴史の墓場を後に
しようとしたその矢先、逕庭神アザーゴッドなる過初叨素ヨグ=ソトースが参上し……かんなを妾にすると言いだす
果たして……
過初叨素ヨグ=ソトース「我を拒むことはない……何、痛いのは最初の内……いや、直に……痛さも快楽になる……」
白拍子かんな(あなたは……!?)
*(お前は……その気高き誇りと折れない心を胸に……あやつに立ち向かいたい……のであろう!?)
かんな(……はい)
*(ならば……我が力を貸してやろう……我が『位』を使うことを許そう……我が名は――――)
ピクリ……
そして、いままで虚ろに空間を見つめていたかんなに変化が訪れる
すくっと立ち上がるかんな
梓與鷹よたか「か……かんな!?」
かんな「醜い手で我に触れるな!下種が!」
過初叨素ヨグ=ソトース「な……何だと!?」
一同「か……かんな!?」
その、あまりの豹変ぶりに一同も唖然とする
コオオオオッ
そして、かんなの額には……月天げってんのものではない紋様が輝いていた……
※ちなみに、與鷹よたからからはその紋様が見えません……ってか、かんなの背中しか見えてないので当然なのです
 が……
百鬼あろえ「何!?……何が起こったの」
かんな「……神滅超越者ラグナロクエクセル!」
ヴオオ〜〜ム
かんなが呟くと……空間が歪み、蒼き刃の刀が姿を見せる
過初叨素ヨグ=ソトース「我に立ち向かうか!?……愚かな……お前の力では我に遠く及ばん……」
シュオオオオッ
過初叨素ヨグ=ソトースも、余興とばかりに空間を歪ませ、神器・レンの硝子を取り出す
かんな「……その醜き眼では……事の真贋も見抜けないようだな……誰が誰に遠く及ばないか……篤と
 見るがいい」
過初叨素ヨグ=ソトース「我に……醜いとは……ほざいてくれたな……人間の小娘がぁ!気が変わった……お前は
 苦痛だけが快楽になるように漬けてやる!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
対峙する2人……
與鷹よたか(かんな……お前……一体どうしちまったってんだ!?)
白拍子かなり「んふふ〜〜〜、これは見ものだわ……かんなに備わった新たな力……とくと見せてもらい
 ましょう」
與鷹よたか「おいおい……かなり……」
何を呑気なことを……と思っている矢先に、死合は開幕……
※とはいえ、かんなの挑発に乗った過初叨素ヨグ=ソトースが先に手を出したのですが……

#6
過初叨素ヨグ=ソトース「ハッ!昴世の渦禍セラエノ・リマンソ!」
ドビュゴアアアアアアアッ
剣気を収束させて作った竜巻がかんなを襲う
かんな「醜いのは心だけではないようだな……」
過初叨素ヨグ=ソトース「貴様……神を侮辱するのも大概にしろぉ!」
すっ
だが、かんなはそんな過初叨素ヨグ=ソトースの言葉を意に介さず、冷静な面持ちで神滅超越者ラグナロクエクセルを構える
かんな「龍咬舞刃りゅうこうぶじん」
ドキュオオアアアアアッ
応龍に変幻する光の龍が竜巻を一瞬で打ち破り、そのまま過初叨素ヨグ=ソトースへ向かう
過初叨素ヨグ=ソトース「な……何ぃいい!?」
ドドオオンッ
ザザザザザッ
間一髪、光の応龍を回避する過初叨素ヨグ=ソトース
ヒュンッ
だが、かんなはなおも距離を詰めて斬りかかる
バヒュッ
過初叨素ヨグ=ソトース「ち……ちい……」
その一撃は過初叨素ヨグ=ソトースを掠め……
かんな「……」
そして、おもむろに神滅超越者ラグナロクエクセルを見つめるかんな……
過初叨素ヨグ=ソトース「お前は……何だ!?……そのような神氣……鵺帛主ヤヌス世界のものではあるまい!?」
かんな「……迂闊……いつもと同じ要領で死合っていた。……神滅超越者ラグナロクエクセルでは短いんだったな……」
しかし、過初叨素ヨグ=ソトースの問いかけは無視して語るかんな
與鷹よたか「あれが短いって……あれは普通の長さだと思うんだがな……」
※掠ったのは刃が短かったから……本来ならばさっきの一撃は深く入っていたとのことである。
そのままかんなは神滅超越者ラグナロクエクセルの刃を伸ばす……太刀から大太刀へ……
過初叨素ヨグ=ソトース「……我の質問への回答はないのか!?!?」
かんな「……フン、醜悪な輩へ答えることは何も無い……」
過初叨素ヨグ=ソトース「な……んだと!?」
激情の過初叨素ヨグ=ソトース……と、そのとき……
かんな「……が、特別に答えてやろう……」
そして……暫く時間を置き、かんなは厳粛に言い放つ
かんな「……我が心、誰にも折ること敵わず……その気高き誇りを胸に……我は絶対なる美を求むる」
過初叨素ヨグ=ソトース「はぁ!?」
かんな「お前のような醜悪なものは……斬る!」
チャキッ
神滅超越者ラグナロクエクセルを構え直すかんな
過初叨素ヨグ=ソトース「……何を寝ぼけたことを……我が姿を見よ……神として美しいこの姿……お前が我を醜悪だ
 などと……間違いだ!」
かんな「……見かけの美しさなど無意味……我が求むるはその存在の深層心理の美しさ……」
過初叨素ヨグ=ソトース「……ワケの分からないことを……」
かんな「……フン……お前に我の美意識が分かるとは思えん……」
話は平行線をたどる……この両者が和解するなどあり得ないことであり……
かんな、過初叨素ヨグ=ソトース「ハアッ!」
ドッ
ガギンッ
そして、無意味な話し合いも終わり、両雄は再び一足飛びにかかる……果たして……この死合……どう
なるのか!?……そして……かんなは……!?


続

前の話へ 戻る 次の話へ