Eighter -Midnight Howling-
56ther 〜色欲が堕つるとき(ラスト・オブ・ザ・ラスト) A〜



#0
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在に誘われて、Eighter一行(と他にも数名)は歴史の墓場にて決戦を行うこととな
る。
 更に、かんなの元には場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の上位存在も現れた。
 果たして、Eighter一行プラスアルファは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を討滅することができるのか!?
※なお、現在アスモデウスが冥王の心臓を利用しているので他の中位存在は冥王の心臓が使用できない状態になっ
 ています。

#1
 まずはかれん、(けい)とクディミ、ルアドの死合。
白拍子かれん「覚悟ぉおお!闇龍極舞刃(あんりょうきょくぶじん)!」
手寸(てぃすぬ)クディミ「淵鈎塞月(えんこうそくげつ)!」
 右手の予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)、左手の炎の刃の二刀流で勝負を決めようとするかれんはまず右手から闇の剣気で具現化させ
た龍を襲わせる。
 が、しかし、これはまたしてもクディミの一閃でかき消されてしまう
かれん「だが、甘い!暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)!」
クディミ「甘いのはそっちなんすよ!」
 ズドガッ
 続いて炎の刃から闇の剣気で具現化させた火の鳥を解き放つかれん。
 しかし、それはクディミが放った闇の龍の前に相殺されてしまう。
かれん「やっぱり、そういうことなのね……」
 ようやくわかったわよ、淵鈎塞月(えんこうそくげつ)のカラクリが!とかれんが叫ぶ
※いや、今更気づいたんですか?とか言われかねない気もするけど……
 クディミの放つ一閃でかれんの放つ奥義がかき消され、次にかれんが先ほど放った奥義が返されたのか……
 そして、かれんが同じ奥義をもう一度放とうとしたとき不発に終わってしまったのはなぜなのか……
 それは、奪われたからだ!
かれん「人の奥義を奪うなんて盗人猛々しいとはこのことね!」
クディミ「強欲なんすよ……」
 傲然と言い放つクディミ
クディミ「でも、どうするんすか?わかったところで防ぐことなんてできないんすよ?」
 これはそういう奥義。正しく『猿猴捉月(えんこうそくげつ)※いや、ちょっと待ってください、猿猴捉月(えんこうそくげつ)って欲を出し過ぎて身を滅ぼすことなのでは!?
かれん「ふふん、そっちこそ、自分の力を過信して欲を出しすぎて滅びないように気をつけなさいよ!光焔熾(こうえんし)!
そしてKR耀(こくげんよう)!」
 ズゴオオオオッ
 赤と黒、二つの炎を纏ってパワーアップするかれん。
クディミ「こちとら強欲なんすよ……だから、人間(パーツ)……お前の全てを奪ってやるんすよ!」
かれん「闇暝極蒙晦(おんみょうごくぼうけ)!」
クディミ「淵鈎塞月(えんこうそくげつ)!」
 ズドンッ
 両者渾身の一撃……その結末は!?

#2
天然蛍(あましか・けい)「さて、じゃ、こっちもそろそろ全力で相手しようかな?」
未来邇(みらりに)ルアド「貴様、どこまでも虚仮に……」
 貴様は絶対に殺す!と怒りに震えるルアド
 (けい)が先ほど適当に解説して、見事に的中していたが、ルアドの繰り出す一撃は、怒りのボルテージが高まれば高
まるほどに威力が増すというシンプルな代物。
 それは正しく激憤慷慨(げきふんこうがい)である。
ルアド「戟焚光刈(げきふんこうがい)!」
 ズドンッ
(けい)「あ!?」
 反撃する暇もなく、(けい)は怒りの翼の前に砕け散る。
ルアド「ふん、人間(パーツ)風情が……口ほどにもないんだな」
(けい)「いや〜、そんなこともないけど……」
ルアド「な、なぁにぃ!?」
 だが、次の瞬間、ルアドの背後より聞こえるのは(けい)の声。
 思わず振り向くと、そこには無傷で、しかも、欠伸をしている(けい)の姿があった。
ルアド「馬鹿な、貴様……」
 一体何をした!?と、聞こうとしたら、(けい)はお馴染みといっても過言ではないあのフレーズを口走る。
(けい)「さぁ、夢でも見たんじゃないの?」
ルアド「ふ、巫山戯(ふざけ)るなぁッ!」
 その人を小馬鹿にした態度が、ルアドの怒りに火を注ぐ。これ以上ないくらいに怒り狂うルアド。
ルアド「感謝しておくんだな……人間(パーツ)……ここまで怒り狂ったのは生まれて初めてなんだな」
(けい)「ふ〜〜ん、怒りすぎると体に良くないよ?」
ルアド「死ね!貴様は死ね!極限の怒りの前に、今度こそ死ね!」
 ズゴゴゴゴゴゴゴッ
 空気が怒りに震える
(けい)「いや、死んだら、死ぬな馬鹿ッ!って突っ込む人もいるからまだ死ねないんで……」
 魁のことか!?いや、確かに、彼女ならある意味死体に鞭打つようなそんなことするかもだけど……
(けい)火龍双刃(かりゅうそうえん)炎黒鎧爪(えんこくがいそう)!」
 ボッ
 ボボボボボボッ
ルアド「なっ!?何ぃ?!こ、これは……これは、一体何」
 燃える。燃える……ルアドの怒りすら生ぬるい位に炎が猛る。
 それは、赤く美しい、神性火炎
(けい)「じゃあ、そっちから来てもいいよ?」
 カク〜ンと首を90°近く曲げて(けい)が呟く。
ルアド「どこまでも馬鹿にする……よかろう、ならば、極限の怒りの前に死ぬんだな!戟焚光刈(げきふんこうがい)!」
 ドガッ
 怒りが意思を持っているかの如く、うねり動く特大の剣閃が(けい)に迫る。
(けい)炎水之極(えんすいのきわみ)夢刃冽火(むじんれっか)!」
 ドンッ
 水と炎を螺旋の様に絡めて巨大な刃にして全てを薙ぎ払う(けい)。
 果たして、勝つのはどちらだ!?


続

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