Eighter -Midnight Howling-
55ther 〜色欲が錆びるとき(ラスト・オブ・ザ・ラスト) A〜



#0
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に誘われ、一行は歴史の墓場へ……そして、クディミら4人の場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)との決戦が始
まる。
 同じく、かなりもまた、彼らの更に上に立つ存在、アスモデウスと対峙、死合が始まったのであった。
 アスモデウスといえば諦めない感じのソロモン72柱の一つであるが、果たして場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の上位存在は72
も存在するのか、それとも與鷹(よたか)の勘違いなのか……
※いや、これ絶対に與鷹(よたか)の勘違いってパターンだ!

#1
 ここで、死合は一旦かれん VS クディミ、(けい) VS ルアドに戻ります。
白拍子かれん「暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)!」
手寸(てぃすぬ)クディミ「無駄なんすよ!」
 ズドンッ
 闇の剣気によって具現化された龍と鳳凰とが激突し、相殺される。
かれん「流石に簡単にはいかないわね……」
 だからといって諦めるわけにはいかない。
 と、言うか諦めたらそこで人生終了ですよ。なんて名言もある。
※いや、そんな名言はないから!
かれん「晦麟極舞刃(かいりんきょくぶじん)!」
クディミ「淵鈎塞月(えんこうそくげつ)!」
 ざぶっ
 斬撃と共に闇の剣気で具現化した麒麟を解き放つも、再びクディミの一閃にて忽然とかき消される。
かれん「だったらもう一回喰らいなさいよ!晦麟極舞刃(かいりんきょくぶじん)!」
 ぷすんっ
かれん「え!?」
 しかし、どういったわけか不発に終わってしまう。
クディミ「どうしたんすか?」
 ニヤニヤしながらクディミが呟く。
天然蛍(あましか・けい)「次は麒麟に気を付けて」
かれん「はいぃ!?」
 ルアドと死合っている(けい)が、突如口を挟んでくる。
未来邇(みらりに)ルアド「貴様の相手はこっちなんだな!」
(けい)「うん、知ってる!」
 言うべきことは全て言った……と(けい)は再び自分の死合へと戻る。
クディミ「チッ……」
かれん「……ま、まぁ、いいわ……気をとりなおしての、暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)!」
クディミ「だから、無駄なんすよ!」
 ズドンッ
 斬撃!と同時に闇の剣気で具現化された鳳凰がクディミに襲い掛かる。
 そして、先ほど(けい)が予言した通り、クディミは闇の剣気で具現化した麒麟で応戦してくる。
奠夷瑪(ディーヴァ)(かれん!)
かれん(大丈夫。まだいける!)
 右手に予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)を構えるのはさることながら、左手もグっと握りしめて、炎で刃を作る。
かれん「今までのはほんの小手調べなのよ!」
 じゃ、とっとと本気出せよ……とか言わないで……

#2
 一方……
(けい)蒼鳳炎舞(そうほうえんぶ)!」
ルアド「戟焚光刈(げきふんこうがい)!」
 ズドンッ
 蒼き炎の鳥が四匹ルアドに襲い掛かるが、しかし、ルアドは斬撃一閃でこれを弾き飛ばす
ルアド「無駄なんだな」
(けい)「そっちもね」
ルアド(結果だけしか見ていないのならば、それは愚かなことなんだな……)
 結果だけを見れば相殺されているので死合は膠着している様に見える。
 だが、(けい)はさっきよりも威力の高い技を繰り出しているのに対し、ルアドは同じ技で相殺したことを踏まえると
実は(けい)の方が劣勢なのではないか?
(けい)「次も相殺できるといいね?」
 かっくんと首を曲げてそんなことを呟く(けい)
ルアド「せいぜい吠えているがいいんだな」
 そして死ぬのは貴様だ!と静かに怒りを燃やすルアド
(けい)黒炎虎舞(こくえんこぶ)!」
ルアド「戟焚光刈(げきふんこうがい)!」
 ガガッ
 黒き炎の虎が四匹、ルアドに襲い掛かる。
 凝りもせずに……とルアドは怒れりて忌鋒冥(ヒューリウス・ジャバウォック)を振るい黒炎の虎を一匹ずつ切り払っていく。
 一匹、二匹、三匹と斬り飛ばし、最後の一匹を切り裂いた瞬間、ルアドは違和感を覚えた
ルアド(手ごたえがない!?)
 次の瞬間、背後から襲い来る四匹目の黒虎
ルアド「チィ!」
 振り向き様に斬撃を叩き込むルアド。
(けい)「あれ、え!?……は・ず・し・た!?」
ルアド「少しは考えたようだが、甘いんだな」
(けい)「駄目だよ、そこはドロップキックかますところだよ」
※それ、(けい)がボコボコにされる……わけでもない!?
ルアド「あまり巫山戯(ふざけ)たことをぬかしていると、死んでしまうんだな!」
 瞬時に(けい)の懐に飛び込むと怒れりて忌鋒冥(ヒューリウス・ジャバウォック)を振りぬくルアド
(けい)「え〜、まだ死にたくないよ〜」
 巫山戯(ふざけ)た態度だが、サラっと斬撃を回避して見せる(けい)(けい)「これはお返し」
 ずどおむっ
 上段からの斬り降ろし
ルアド「ぐうっ!?」
 軽い言動とは裏腹に重い一撃だ。思った以上の威力に競り負けて押し出されるルアド。
(けい)「ねぇ、さっきの技……あれって怒れば怒るほどに威力が上がるんでしょ?」
ルアド「貴様!何故それを!?」
 というか、どうやって戟焚光刈(げきふんこうがい)の秘密を看破した!?と驚きを禁じ得ないルアド。
 しかし、それに対して(けい)は首を傾げつつこう答える。
(けい)「ん〜〜、なんとなく?」
 なぜに疑問形?
ルアド「巫山戯(ふざけ)るなぁ!」
 その態度はルアドの怒りに火を注いだ。今更だがルアドにとって(けい)は自分のポテンシャルを最大限に引き出せる
相手だった。だから、全力を解き放てる。
ルアド「ならば、この怒り、受け取るんだな!」
(けい)「じゃ、そろそろこっちも抜錨しようかな……」
 それは『いかり』違いだ!ってか何するんだよ……


続

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