Eighter -Midnight Howling-
54ther 〜色欲が舞うるとき B〜



#3
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に誘われて、Eighter一行は大阪から歴史の墓場へ……
元人交喙(いすか)「はっ!?ここは……」
山咲(やまざき)桜「歴史の墓場です」
 気が付けば歴史の墓場。あたりをきょろきょろ見渡していると、隣から桜の声が聞こえる。
交喙(いすか)「いや、そんなことは分かってるけど……」
(かみ)総介「フッ、どうやらここに呼ばれたのは俺とお前のようだな……」
交喙(いすか)「何ぃ!?」
 後ろには総介。そして、他のメンツは近くには見当たらなかった。
歯付サヤ「ようこそ、といえばいいのかしら?」
泥諏(でぃす)クォヴァ「ここが地獄の一丁目って言えばいいらしいね」
交喙(いすか)「貴様らはッ!」
 だが、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)、その中位存在2人は居た。そんな場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在達を見るや否や交喙(いすか)金匙玉楊(きんしぎょくよう)を構えて臨戦態勢を取る。
総介「てっきり挨拶だけで終わりになるかと思ったが……」
クォヴァ「こちらとしてもそうしたかったんだけど、上からの命令らしいよ」
交喙(いすか)「上ェ!?」
桜(場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)、その上位存在からの命ということでしょうか?)
総介(フン、本気で俺達を始末しようということか……)
 つまりはそれほどまでに俺達が邪魔だという証左。しかし、それは逆に言うと追い込まれているともいえる
総介「こちらとしても願ったりだ、今日こそ、貴様らを斃す!」
 宣言と共に蒼王の刃(ブルーロード)藍后の刄(ブルーエンプレス)を構える総介。
サヤ「はたして、そんなことができるのかしら?」
交喙(いすか)「やってやらぁ!」
 そこは総介が言うセリフではないのか!?
 ところで、交喙(いすか)と総介とは仲が悪いのだが、このことが死合にどう響くのか……今は誰もしらない。
サヤ「青ざめたる水(ブルー・デュース)!」
クォヴァ「恫喝する妬み(ジェラシー・アイスクリーム)!」
 虚空より蒼き刃が出現しサヤの手に、闇が刃を成してクォヴァの手に、それぞれ渡る。
交喙(いすか)「ハッ!紅旋闘渦(こうせんとうか)!」
 ゴガッ
 先手必勝と言わんばかりに交喙(いすか)金匙玉楊(きんしぎょくよう)をぶん回し、竜巻を発生させて襲わせる。
サヤ「鋩隕鋩蝕(ぼういんぼうしょく)!」
 ガボンッ
交喙(いすか)「何!?」
 が、しかし、竜巻は突如かき消される。
総介「忘れたか……奴らの力」
交喙(いすか)「あぁ?」
 ンなわけねぇだろ!喧嘩売ってんのか!と交喙(いすか)いきり立つ。
サヤ「そんなことをしている場合なのかしら?」
 総介につっかかっている間にサヤは交喙(いすか)の背後を取る
交喙(いすか)「チッ、このヤロウ!」
 ぶおんっ
 金匙玉楊(きんしぎょくよう)を振りぬき迫るサヤを叩く……が、しかし、届かない。
交喙(いすか)「おりゃあッ!紅気剪躯(こうきせんく)!」
サヤ「鋩隕鋩蝕(ぼういんぼうしょく)」
 紅いオーラを纏った金匙玉楊(きんしぎょくよう)で薙ぎ払う交喙(いすか)だが、サヤの手により紅いオーラはかき消される。
 そして、紅いオーラがかき消されたことで交喙(いすか)の技の効果もまたかき消される。

#4
クォヴァ「お前はただ見ているだけらしいね?」
総介「フッ……そう思うか……ならば……」
 すすっと無造作に間合いを詰める総介。
総介「蒼地烈葬(そうちれっそう)!」
 ドドドドドッ
クォヴァ「凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)!」
 ボッ
 分身を作り一斉に斬撃を叩き込もうとする総介だが、クォヴァの一閃により分身は全て炎に包まれる。
桜(触れたものを焼く罪の業火ですか……)
総介(実に厄介なモノだな……だが、わかったこともある……)
桜(それは?)
総介(それは……)
クォヴァ「随分と余裕らしいね」
 桜と秘密裏に会話している場合ではなかった。
 ヌっと音もなく総介の背後に忍び寄るクォヴァ。
総介「ああ、貴様をどう攻略すればいいのか、それを考えていたものでな……」
クォヴァ「人間(パーツ)風情が……」
 ガッ
 恫喝する妬み(ジェラシー・アイスクリーム)を振り下ろすクォヴァ。それを振り向きもせず藍后の刄(ブルーエンプレス)で受け止める総介。
クォヴァ「貴様という存在はとてもムカツクらしい」
 叫ぶとともに刃を引いて飛び退るクォヴァ。その直後、総介はくるりと後ろを振り返る
総介「ハッ!抉蒼紅穿(かっそうこうせん)!」
 ズンッ
 右手の蒼王の刃(ブルーロード)をドリルのように回転させながら追撃する総介
クォヴァ「凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)」
 ゴガアアッ
 炎に包まれる総介。だが、しかし、突撃の勢いは留まることを知らずクォヴァへと迫る
クォヴァ「な、何だって!?貴様ッ!」
 迫る蒼王の刃(ブルーロード)(きっさき)恫喝する妬み(ジェラシー・アイスクリーム)受け止める。が、しかし、総介の勢いの方が強く押し出されてしまう。
総介「フッ、心頭滅却すれば火もまた涼し……」
※とか言ってるが要はやせ我慢です
桜「(かみ)警部!?」
 一見何事もないように見えるがそんなわけはなく、また、それを案じて桜は口を開く
総介「心配はいらん!」
 それに多少は無理をしてでもこいつを斃さないとならん。これは千載一遇のチャンス。この機を逃せば次はいつ
になるかわからんからな!と総介。
クォヴァ「……いいよ、だったら心も頭も滅殺して何も感じられなくしてやるよ!」
 心頭滅殺すれば火もまた涼し……どころか何も感じぬ!
 力押しなんかで場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在をどうにかできるとは思わないことだな!とでも言わんばかりだ
 交喙(いすか) VS サヤ、総介 VS クォヴァ……この勝敗の行方は!?


続

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