Eighter -Midnight Howling-
54ther 〜色欲が舞うるとき A〜



#0
 大阪が生み出した殺戮の権化、吉田淳也。
 奴は場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を駆使して自分のコピーを作りEighter一行を滅殺せんと襲い来る。が、しかし、Eighter
を斃すには至らなかった。
 淳也を追い詰めたその時、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在が2人、舞い降りる。
 アッサリと淳也を滅殺。今回は挨拶だけだというのだが……

#1
手寸(てぃすぬ)クディミ、未来邇(みらりに)ルアド「今回は挨拶だけだと言っているんすよ(だな)」
(かみ)総介「挨拶だけで済むなどと本当に思っているのか?」
 ギロリと2人を睨み付けながら総介が叫ぶ
クディミ「そっちこそ、ここで決着をつけられるなんて思っているんすか?」
ルアド「笑止なんだな」
 ずぶずぶずぶ……
 ニヤリと笑みを浮かべる2人。と、同時に陰に飲まれていく
元人交喙(いすか)「なっ、逃がすかよ!」
梓與鷹(よたか)「お、おい、交喙(いすか)待てって!」
 勢いに任せて突き進野はあまりに危険な行為だ!と與鷹(よたか)が諭す間もなく交喙(いすか)は陰に飲まれゆく2人にせめて一矢
報いようと金匙玉楊(きんしぎょくよう)を突き出す。
 ずぐんっ
交喙(いすか)「クソッ!」
 しかし、地面を刳る感触しか得られない。
 ずずっずずずずっ……
與鷹(よたか)「な、何だ、これは!?」
 だが、次の瞬間、交喙(いすか)をはじめとして一行が陰に吸い込まれて行く
総介「フッ、どうやらあっちから招待してくれるようだな」
與鷹(よたか)「冷静に分析してる場合かよ!」
 とぷんっ
 そして、Eighter一行プラスアルファは大阪から忽然と姿を消す。

 歴史の墓場、某所
クディミ「あ〜〜あ、また適合者を探し出さないといけないすね……」
ルアド「本当、面倒なんだな……」
天然蛍(あましか・けい)「でも、次はないみたいだよ」
クディミ、ルアド「なっ!?」
 思わず後ろを振り向くクディミ、ルアド。するとそこには(けい)とかれんの姿があった。
クディミ、ルアド「なんで貴様らがここに!?」
白拍子かれん「ってか、他のみんなはどこにいっちゃったのよ?!」
 きょろきょろしながらかれんが呟く。
*「そんなことより自分の心配をしたほうがいいよ……」
かれん「なっ!?何、今の声!?」
クディミ、ルアド「――様……これは……」
*「そろそろ全てを終わらせるにはいい頃合いだと思ってね……」
 だから、呼んだ。そんなことを言われれば、中位存在たる2人は何も言えない。
クディミ「そういうことなら、やるしかないすね」
ルアド「了解したんだな」
 顔を見合わせてそんなことを呟くと2人はキっとかれん、(けい)を睨み付ける。
クディミ「龍の罪科たる牙(ファング・オブ・シンドラゴン)!」
ルアド「怒れりて忌鋒冥(ヒューリウス・ジャバウォック)!」
 2人が叫ぶと、空が割れて剣が出現する。

#2
かれん(今はみんなの心配をしている場合じゃなさそうね……)
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を相手に話し合いでコトが済むわけもない。かれんは予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)を構えて2人を睨み返す。
(けい)「其の右に纏いしは紅き炎爪……燃ゆる紅蓮の(かいな)……夢炎の刃、真・炎双刃」
 話し合いと果し合いとは一文字違いなどと巫山戯(ふざけ)たことを言いつつも炎を集めて刀を作る(けい)。
かれん、(けい)「……」
クディミ、ルアド「……」
 そして、睨み合ったまま微動だにしない4人。
 いつまでも動きがないのに飽きた(をい)(けい)が口を開く。
(けい)「かかってこないの?」
クディミ「そっちこそ、かかってこないんすか?」
かれん「だったらここは先手必勝よね!」
 そこまで言うのならば、こちらから行く!ととびかかるかれん
かれん「闇龍極舞刃(あんりょうきょくぶじん)!」
 ドンッ
 闇の一閃が走る、と同時に闇の剣気で具現化された龍が襲い掛かる。
クディミ「淵鈎塞月(えんこうそくげつ)!」
 ざぐんっ
かれん「嘘おっ?!」
 クディミが龍の罪科たる牙(ファング・オブ・シンドラゴン)を一閃させると闇の龍はすぐさまかき消されてしまう。奥義の一つがただの一撃でか
き消されてしまうなどと驚きを禁じ得ない。
※ただ、相手がどんな技を使うかわからない場合に先に動くのは愚策なんじゃないかなぁ……って
かれん「クッ、暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)!」
 たかが奥義が一つ、破られただけだ!とかれんは次の奥義を放つ。
 再びの闇の一閃……からの闇の剣気で具現化させた火の鳥!
※いや、奥義が一つあっさりと破られる時点で大変な出来事だと思うんだけど。
クディミ「無駄なんすよ!」
 ニヤリと笑みを浮かべて横薙ぎを一閃。するとどうだろう、闇の剣気で具現化された龍が襲い掛かってくるでは
ないか!
 ズドンッ
かれん(こいつ……)
(けい)「ふ〜ん」
 かれんとクディミの死合をただ観戦していた(けい)はあることに気づく……が、かれんは気づいていない……のかも
しれない。
ルアド「ぼ〜っと突っ立ってないで、とっとと来るんだな」
(けい)「ぼ〜っと生きてんじゃねぇよ!ぼけ〜っとしてただけだよ!」
 何にキれてるのか!?と、言うか『ボ〜っと生きてんじゃねぇよ!』って……
(けい)「じゃ、行っくよ〜。紅龍炎舞(こうりゅうえんぶ)!」
ルアド「ふふん、戟焚光刈(げきふんこうがい)!」
 ガガッ
 (けい)が炎の龍撃を放ち、ルアドは不敵な笑みで一閃を放つ。
 結果、相殺
(けい)「今のはほんの小手調べだよ」
ルアド「奇遇なんだな」
 かれん VS クディミ、(けい) VS ルアド……勝つのはどっちだ!?


続

前の話へ 戻る 次の話へ