Eighter -Midnight Howling-
53nder 〜淵に佇む妃后剣者 B〜
#3
吉田淳也は何度でも20人に増殖できる!
しかし、何人に増えようとも最早Eighter一行の敵ではない……だが、しかし、淳也はまだ手を隠している!?
吉田淳也「貴様ら、これで勝ったと思うなよ!」
元人交喙(「ハッ、負け惜しみか……」
淳也「そう思うのならば、勝手に思ってるがいいッ!」
淳也「そして後悔しろ!」
超振動拳は無敵だぁ!とまるで北斗〇拳みたいな感じでいきり立つ淳也達。
淳也達「砕け散れ!振動爆砕遠隔襲(ッ!」
ウィィ〜〜ンッ
一同「何!?」
20人の淳也達は人差し指と中指からなる二本拳を突き出すと固有振動を帯びた衝撃波を放つ。
目には見えぬ固有振動……察知する術は音だけだ!しかも、それが20個、神由来の代物で受けることは自殺行為
に等しいこいつらを回避しきるのもまた、至難の業である。
天然蛍(「う〜〜ん……」
仕方がないかなぁ……と言ったような雰囲気で頬をぽりぽりかきながら、蛍(が一歩前に出る。一体何をする気な
のか!?
しかし、その直後、かんなが動く。
白拍子かんな「いえ、ここは私が……」
あ、そう……じゃ、どうぞどうぞ、と蛍(は再び下がる。
かんな「根源舞刃(」
バシュッ
淳也達「何ぃ!?」
それは、全てを消し去る究極の一手。あらゆる存在を滅殺する最強の一閃だが、一歩間違えれば全てを失う諸刃
の刃。
あまりにもハイリスクなその技は、超強運の持ち主のかんなだからこそ放てる一手である。
淳也「貴様、一体何をした!?」
かんな「言ったところで分からないと思いますが……」
淳也「だったら俺にもわかるように説明しやがれ!」
お前はチェ〇ゲの竜馬か!
白拍子かれん「残念だけど、そんな時間はもうないのよ!」
淳也「何ぃ!?」
ズシャアッ
淳也がかれんの方を向いたその時、既にかれんは淳也の近くに迫り、そのまま何のためらいもなく淳也達を20人
斬りしていく。
かれん「一丁あがりよ!」
ぶいっと指を立てて得意げなかれんであった。
上(総介「待て、まだすべては終わってないぞ!」
総介が叫ぶと同時に、かれんの背後から21人目の淳也が襲い掛かってくる
淳也「死ねぇあ!振動爆砕……」
蛍(「ほいっと」
ボッ
淳也「まひゃどざきぃッ!?」
だが、しかし、淳也渾身の一撃は、繰り出される前に蛍(の手によって阻まれる。と、言うか、蛍(の手によって炎
に包まれる。
※ってか、『マヒャドザキ』って……マヒャド + ザキ……エターナルフォースブリザード、相手は死ぬ的な……
明らかにマヒャドデスの間違いでマヒャ〇ドスの二重間違いだな。
交喙(、かれん「なっ、こいつは……」
総介「フンッ、そいつがオリジナルの淳也だ!」
梓與鷹(「オリジナルの!?」
淳也は21人居た!
#4
交喙(「おい、どういうこった!?」
わけがわからない交喙((と、かれんも同様だ)
かんな「最初から本人は隠れ、コピーだけを送り出していたってことですよ」
淳也「馬鹿な!貴様、何故分かった!?」
ぶすぶすと全身に火傷を負いつつも、淳也は一行を睨み付ける。
蛍(「え〜〜と……なんでだろうねぇ?」
かっくんと首を90°かしげて蛍(が呟く。
淳也「巫山戯(てんのか貴様ぁ!」
蛍(の態度に思わず怒り怒髪天な淳也
蛍(「え〜、どちらかといえば巫山戯(ているのはそっちの方だよね……」
一方、歴史の墓場にて一部始終を見ていた場違いな黒き遺物(の中位存在は、というと……
歯付サヤ「では、これでおしまいなのかしら?」
泥諏(クォヴァ「意外とあっけない幕切れらしいね」
手寸(クディミ、未来邇(ルアド「……」
クディミ「……確かに、《キツネザルの使徒》の力については知っていたつもりなんすよ」
ルアド「……これは断じて不覚ではないんだな!」
負け惜しみじみているが、本人にとっては負け惜しみではないという。
これは断じて場違いな黒き遺物(の負けじゃない!ただ、オラァの不覚だ!といった感じだ
※どこの流〇燕だよ!
サヤ「で、この後はどうするのかしら?」
*「そうだね、それは是非とも聞かせてもらいたいものだね」
一同「ッ!!」
4人しかいないはずのその空間に突如響く5人目の声……その声は底冷えするような冷たさを持ち、4人を震撼さ
せていた。
そう、この声の持ち主こそ場違いな黒き遺物(の上位存在。4人が唯一畏怖する存在だ!。
*「さて、この後、どんな手を打つのか、是非聞かせてもらいたいものだ」
クディミ、ルアド「そ、それは……」
声だけしか聞こえないにも関わらず、ズシリと重しを乗せられたかの如く……
クディミ「ま、待ってください――様……」
ルアド「これは……」
*「まぁ、余興程度にはなったし、いいんじゃないの?」
その時、別の声が響く。こちらもまた、場違いな黒き遺物(の上位存在である。
*「余興……ね……」
*「大体、その喋り方、疲れない?」
*「う、五月蠅いな!」
上に立つものは上に立つために窮屈な思いをするものだ!といわんばかりである。
なんだか大人びている子供に見えるが……場違いな黒き遺物(の中位存在からして見た目は子供なので……その上
位存在たるこいつらもまた、見た目は子供……なのかもしれない。
*「と、いうわけで、後始末、お願いね……」
クディミ、ルアド「は、御意に……」
ふおっ
そして、クディミとルアドの二人はその場から掻き消える。
#5
そして、話は戻り……大阪……
交喙(「さぁて、こいつ、どういてくれようか」
かれん「そうねぇ……どうしてくれようかしら?」
ゴキゴキと腕を鳴らす交喙(やかれん。その姿はまるで悪党である。
クディミ、ルアド「それにはおよばないんだな(すよ)」
淳也「お、お前らは!?」
突如出現する二人に淳也は驚きに眼を剥く。
クディミ「無様すね……」
淳也「貴様ッ!奴らには俺の超振動拳が効かなかったぞ!」
ルアド「まぁ、そんなこともあるんだな」
淳也「巫山戯(るな!」
ドンッ
淳也「がふあっ!?」
二人を睨み付けた次の瞬間、淳也は二人に足蹴にされる。
クディミ、ルアド「アンタはここで終わりなんだな(すよ)」
グシャリッ
淳也「あがああ!?」
突如が捻じれだしたかと思うと、そのまままるでブラックホールに吸収されるかの如く潰れて消える。
與鷹(「……今度はお前たちが相手になる……と?!」
交喙(「ってか、お前ら、一体なんだよ!?」
いや、言われなくともなんとなくわかるが……
クディミ「そうすね、殺される相手の名も知らないまま死ぬのはかわいそうすね」
ルアド「だから、自己紹介してやるんだな……」
上から目線な2人。まぁ、人間を道具のように見下しているのが場違いな黒き遺物(の中位存在なので……当然か
クディミ「手寸(クディミ……」
ルアド「未来邇(ルアド……」
山咲(桜「ヌンク・ディミティス……それにニヒル・アドミラリ……」
総介「いずれもラテン語で『今こそ主よ、僕を去らせたまわん』、『何事にも驚かない』という意味だ」
與鷹((やっぱりラテン語か……)
謎のこだわり様である。
白拍子かなり「オ〜〜ッホッホッホッホ、それで、アンタら二人が尻拭いでもしにきたのかしら?」
クディミ、ルアド「いや、今日は挨拶だけなんだな(すよ)」
これが挨拶だけで留まるタマなのか!?……いいや、そうではあるまい!
これは、新たなる死合の幕開けなのか!?それとも……
END
前の話へ 戻る 次の話へ