Eighter -Midnight Howling-
51ster 〜淵に佇む特級剣者 C〜
#5
大阪、富田林市の留置所に拘留されていたが脱走した凶悪殺人犯、吉田淳也は数多の婦女暴行の果てに超振動拳
を会得していた!
そして、そのゴールドフィンガーの前に米軍、MyThRIr(の連中は砕け散った!?
さておき、與鷹(らは刈忍奔侍(にかかってきた電話を頼りに富田林市から堺市へと向かっていた。
梓與鷹(「しかし、総……」
ふと思った疑問を口にする與鷹(
與鷹(「今から行ってももう奴はいないんじゃないか?」
上(総介「フン、そうかもしれんが……」
山咲(桜「何か手がかりの一つでも残っていればあるいは……と言ったところです」
大阪、堺市某所
與鷹(「なっ、これは!?」
死屍累々……そう表現するのが正しいといった感じにあちこちに転がる米軍兵士、MyThRIr(のエージェント。
その死に様はまるで内部からの破壊を得意とする一子相伝の秘拳を喰らったかの如くだ。
それだけではない。その場には二人の生きた人間が居た……一人はもちろん、件の凶悪殺人鬼、吉田淳也である
……そして……
與鷹(「交喙(……なんでお前がここにいるんだ!?」
元人交喙(「與鷹(か……あいつ、ヤバい技使うぞ……」
肩で息をしながらそう答えるのは交喙(……そう、もう一人とはこの交喙(であった。
吉田淳也「クソが!時間をかけ過ぎたか!」
苦虫を噛み潰したかのような表情で怒鳴り散らす淳也。
総介「奴について予め知識を得ずに死合って生きているとは貴様も大概悪運が強いな……」
交喙(「貴様、俺を馬鹿にしてんのか?」
総介「まぁ、そんなことはどうでもいい。重要なことはなぜ貴様がここにいるのか、その点だ!」
交喙(「はぁ!?何で貴様に言わなきゃならねぇんだよ!」
先ほどの窮地!ってな雰囲気はどこへやら、すぐさまギラリ総介を睨(み胸ぐらをつかみにかかる。
與鷹(「おいおい、落ち着けって二人とも……」
そして、そんな二人を宥(めるのは與鷹(の役目だ。
桜「何故あなたがここにいるんですか?」
総介の問いかけにはキれるが、桜の問いかけには答えてみるのが交喙(。はぁと大きく息を吸ってからぽつりと呟
く。
交喙(「……俺は奴が賞金首だって聞いてな……」
懐から指名手配書を取り出して見せる交喙(。その手配書は『この顔にピンと来たら警察まで』ではなくWantedと
デカデカと書かれ、何故か単位がドルの賞金付きという代物であった。
與鷹(「……」
なんだこの手配書ってなのもあるが、お前、いつからトレジャーハンターから賞金稼ぎに転向したんだよと突っ
込みたくなる與鷹(であった。
※なお、その指名手配所はMyThRIr(が作りました。
#6
さて、ここで話を少しだけ戻そう……
交喙(が堺市に訪れ、そして、淳也を発見したその時まで……
*「ガハアッ!?」
淳也の人差し指と中指の二本拳から繰り出される超振動拳の前に文字通り砕け散る米軍兵士、それにMyThRIr(の
エージェント
淳也「どうした?俺を捕まえるのではなかったのか?だ〜か〜ら〜お前らは阿呆なのだぁ!」
更に挑発までしてくる淳也。お前はマ〇ターアジアか!
*「クッ、奴の超振動拳は防御不可能……どないせぇっちゅうんや……」
※防御できないなら回避すればいいんじゃない?って簡単に言わないで……
交喙(「よっと!」
ズダンッ!
その時、交喙(がその場に舞い降りる。
交喙(「見つけたぜ!てめぇが百万ドルの賞金首、吉田淳也だな!」
ズビシっと背中に背負っていた金匙玉楊(を突きつけて叫ぶ交喙(
淳也「貴様も死に急ぐ有象無象の一人か……よかろう、我が秘拳の前に砕け散れ!」
ウィィ〜〜ンッ
人差し指と中指が嫌な音を立てる。
*「あんさん気ぃつけなはれや、奴の右手は全てを破壊するさかい」
交喙(「そりゃまた大きく出たな……」
淳也「人の手で作られたものは必ず人の手で壊すことができる!……これが世界の真理よ!」
交喙(「あぁ、そうかよ……」
だったら破壊してみろよ!と交喙(は一足飛びにかかる
*「あんさん、そりゃ自殺行為やで!」
悲痛の叫び、しかし、もう遅い。
淳也「言ってもわからんヤツは砕け散れ!振動爆砕桃掌(!」
交喙(「紅抉刺(!」
ズドゴガアアッ
淳也「な、何ィ!?馬鹿なッ!」
固有振動をもって全てを破壊する究極のゴールドフィンガー!
それを前にすれば人が作り出したものはみな等しく砕け散るが必定……
しかし、今それが打ち砕かれ、淳也は驚きを隠せなかった。
だが、それも無理もない話である。奴自身も言っていた。『人が作り出したものは必ず人の手で破壊する事が出
来る』と……つまり、それは裏を返せば『人以外が作り出したものは人の手では破壊できないことがある』という
ことだ。
そして交喙(の持つ武器、金匙玉楊(は神器!つまりそれは人が作り出したものではなく、神が作り出したものであ
る。
故に人の手がたどり着いた究極の破壊の奥義では壊すことができなかったのだ。
淳也「くそがッ!」
すぐさま拳を引いて距離を置く淳也。
ここまでは交喙(が優勢のようだが、総介らが駆けつけた時、交喙(はピンチに陥っていた……一体、この後何が起
こったというのか!?
続
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