#0
　��劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)、それはEighterが回収し損ねた場違いな白き遺物(ポジティヴ・オーパーツ)。
　そして、今回はそんな��劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)に関係がある……かもしれない騒動。その背後では場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)も暗
躍している……としたらどうだろう？
※推定ばっかで確かな情報が何一つとしてないんかいっ！

#1
　富山県、倶利伽羅峠
※倶利伽羅峠とは富山と石川の境にある峠なので富山と石川とどっちのモノとして表記するのが正しいのか……と
　か考えてはいけない。
＊「ぐおおっ」
　今、この峠では二人の剣士が死合っていた。両者ともにフードのついた黒いコートを目深に被っており表情は窺(うかが)
えない。
　片方は四尺二寸の大太刀を、片方は斬馬刀を手に死合っていたのだが、既に勝敗はついていた。大太刀を持って
いた方が頽れる。
＊「砕け散れ！」
　ズムッ……ビシリッ
＊「があっ？！」
　無慈悲に叩きつけられる斬馬刀を大太刀で受けるも、大太刀には罅(ヒビ)が入る。すると、何という事か、斬撃を受け
た方がサラサラと崩れていく
　……後に残ったのは一本の大太刀だけだ。
＊「弱い！」
　そう言いつつも、そいつは刀身に罅(ヒビ)の入った大太刀を持ち去っていくのであった。

　天四斗(あまよと)、Eighter本部
一同「……」
　その日、Eighter本部は沈黙に包まれていた。それもそのはずである。突如依頼人としてフードを目深に被った
いかにも怪しいですという黒いコートの漢がやってきたためである。
雨水朧(うすい・おぼろ)（ね、ねぇ、この怪しさ100%な人、何なの？）
百鬼あろえ（いや、私に聞かれても困るし……）
　と、言うか気配を全く察知できなかったんですけど……
　そんなことをヒソヒ素亜ヒ酸と話していると、與鷹(よたか)とかんなが帰ってくる。
※二人がどこで何をしていたのかは秘密です。きっと依頼なんじゃないですかね？（そんな適当な）
梓與鷹(よたか)「どうしたんだ、お前ら？」
朧(おぼろ)、あろえ「あ、リーダー、この人が依頼だって」
與鷹(よたか)「依頼いぃい！？」
　二人に言われるがままに視線を移すとそこには謎の黒尽くめが立っていた。
　気配が全く察知できなかったことに與鷹(よたか)は驚きを隠せない。
　……いや、かつて似たような経験をしたことがある。ならば、この漢は……
與鷹(よたか)「お前は……まさか」
朧(おぼろ)、あろえ「え？リーダー、この人知ってるんですか？」
　だったら早く言ってよ、不審者として撃退しようかなんて考えたんだから……と二人。そんな二人に対して、い
や、知っているというかなんというか……と歯切れの悪い與鷹(よたか)。
＊「頼む！是非、我らアルスに力を貸してほしい」
　そんな中、謎の漢は見事に直角に頭を下げる。
與鷹(よたか)「ちょっと待ってくれ……アルス！？」
　まずは何があったのか、話を聞かせてくれと、応接室へと案内する。
＊「まず、私はラージックーギミ……貴方が想像している通りの存在だ」
朧(おぼろ)（ラージックーギミだなんて変な名前）
あろえ（凄く言いにくい……）
　ってか、想像の通りってどういうこと？と首をかしげる二人。

#2
　朧(おぼろ)、あろえの疑問的な視線を他所に、與鷹(よたか)は黙り込んでいた。
與鷹(よたか)「……」
朧(おぼろ)、あろえ「リーダー？」
與鷹(よたか)「ああ、すまん、考え事をしていた」
　無論、ラージックーギミの銘についてである。
白拍子かんな「ラージは大きい……」
與鷹(よたか)「いや、それは分かるんだが後半が全然……」
かんな「ギミックの逆さ言葉です」
與鷹(よたか)「……そりゃ分かんないな」
　寧ろ、運の女神たるかんなにしかわからない。
かんな「ギミックはからくり。これまた逆さ言葉にすると……」
與鷹(よたか)「くりから、か！」
　つまり、ラージックーギミとは大倶利伽羅広光の刀剣男子（違ッ）であるということだ
　いや、さっきから何の話をしているの？と疑問符でいっぱいのあろえと朧(おぼろ)。後で話すからとりあえず先に進めよ
うと與鷹(よたか)はラージックーギミに事のあらましの説明を求む。
ラージックーギミ「端的に言えば、敵に奪われたロックスケルトンを取り返したい。そのために力を貸してほしい
んだ」
※倶利伽羅峠での死合の頽れた方のことですね。
　なお、余談だがロックは岩、スケルトンは骨という意味ではなく、スケルトンバッグの方のスケルトンのことで
ある。
　つまり、『透けるとん』である。（誰がうまいこと言えと！）
朧(おぼろ)、あろえ「敵？」
ラージックーギミ「先ほどの続きになるが、我らはアルスという要人警護の組織に属している」
朧(おぼろ)「あぁ、聞いたことがあるわ。最近噂になってるボディーガードの集団よね」
　アルスとはCode-ALS……顕明連(けんみょうれん)のことなのだろうか？
ラージックーギミ「ならば、クリンゲフィシュという組織を知っているか？」
與鷹(よたか)「聞いたことはないな」
ラージックーギミ「では、そこから話そう……」
　クリンゲフィシュとはある日突然現れた剣客集団で……と言いだしたところでだったら誰も知らないでしょ！と
突っ込みを入れる朧(おぼろ)。
　そんな揚げ足取りはいいから……
　と、ともかく、ロックスケルトンがさる要人の警護に当たっていた時のことである。突如クリンゲフィシュを名
乗る刺客が襲ってきたのだという。
　更には警護対象には見向きもせず、一方的にロックスケルトンに果し合いを申し込んできたと続ける。
　一体、奴らは何が目的だったのか！？


続