Eighter -Midnight Howling-
46ther 〜とある横道(アストレイ)禁漏(ロートフォビドゥン) C〜



#5
 かんな VS 狂蔵(くるうぞう)……その試合は終結し、狂蔵(くるうぞう)はここに敗北した。
 これで全てが終わったわけではない。ボルツァーマトムを破壊してオーパーツを歴史の墓場で管理することまで
が今回の任務です。
梓與鷹(よたか)「よし、こんなもんか……」
 かんなからのカウンターに敗れ、甲板に叩きつけられた狂蔵(くるうぞう)をロープでぐるぐる巻きにして與鷹(よたか)が呟く。
 一仕事終わったぜ……ってな感じで額の汗をぬぐう與鷹(よたか)
鴨川狂蔵(くるうぞう)「フッ、フハハハ、フハハハハハ!」
與鷹(よたか)「な、何だ?」
 突如盛大に笑い出す、狂蔵(くるうぞう)、ついに怪訝(おか)しくなったか!?
狂蔵(くるうぞう)「確かにリキッドタイガーは壊滅よ……だが、貴様らも道連れだ!」
與鷹(よたか)「お前、何を!?」

 その頃、その言葉を聞いていたリキッドタイガーの、残りの幹部は……
畑中伽捨(きゃすてろ)「……」
 ヘッドホンを片手にふるふると首を横に振る伽捨(きゃすてろ)若狗葉磨(じゃっく・はま)「く、くそおっ!」
 ドカンと拳を壁に叩き付ける葉磨(はま)。
粂原芽理沙(めりさ)「だが、これはリキッドタイガーの……狂蔵(くるうぞう)からの最期の任務だ!CU魚雷、全砲門開け!……目標は…
…この空母ッ!全弾発射!」
葉磨(はま)「イエッサ〜〜!」
 キュドドドドドッ
 これが先ほど狂蔵(くるうぞう)が出撃の前に行っていた、万が一の時の備えだ。

 そして、話は甲板に戻る。
與鷹(よたか)「ま、まさか自爆でもするってか!?」
狂蔵(くるうぞう)「フッ、生憎この艦には自爆装置などついては居ない……だが、目いっぱいCU魚雷は積んである!」
 わかるか!その意味が!と豪語する狂蔵(くるうぞう)與鷹(よたか)「な、何だと!?」
 ってかCUってなんだ?銅か?とか素朴な疑問を投げかける與鷹(よたか)。今、それ気になります!?
(かみ)総介「フン、無駄な足掻きだな……」
 しかし、総介は動じない。
狂蔵(くるうぞう)「貴様ら……俺と一緒に地獄に行くんだぜ!?」
 いや、地獄に落ちるのはアンタだけなんじゃないかなって思うけど……
白拍子かんな「そんなことは、させません」
 だが、ここにはかんながいる。かんなの使う羅神無綺(らじんきむ)流にはも失敗すると辺り一面を巻き込んで消滅しかねない
が、成功すれば相手の存在を消し去るチート的な技がある。
 その名は重〇斬!
※って違ぁう!
 そして、かんなの超運をもってすれば失敗などありえない
かんな「根源舞刃(こんげんぶじん)」
 バシュウウッ
狂蔵(くるうぞう)「な、なんだとぉ!?」
 迫るCU魚雷全ては虚しく消し飛んだ。
総介「さて、無駄な抵抗はやめて大人しく投降するんだ!」
 最早、リキッドタイガーに抵抗するだけの気力は残されていなかった……
 と、言うわけで艦を操作する芽理沙(めりさ)やソナーの伽捨(きゃすてろ)、砲撃手の葉磨(はま)も抵抗をやめ、大人しく縛につくのであった

#6
與鷹(よたか)「これが、ボルツァーマトム……」
 リキッドタイガーのメンバーを全員拘束した後、一行は改めてボルツァーマトムが設置されている部屋へと足を
運ぶ。
 その……無数の突起物が生えた球体を円柱に押し込めたような物体を見て言葉を失う一行。
 それもそうだ、ここだけなぜかWWUなのか?ってなそんな雰囲気の物体が目の前にあれば誰だってそう思う。
 いや、ジ〇ングとか読んでない人には全く共感できないですが……
與鷹(よたか)「網谷ゼルシフォムだったっけ……」
 奴は一体何者なんだ?
総介「フン、今はそれはいい……」
 ともかく、これを破壊すれば、と言いかけたところでかんなが首を横に振る
與鷹(よたか)「ん?どうしたんだ?」
かんな「この空母はボルツァーマトムを動力源にΛ(ラムダ)ドライブで航行しています」
一同「え!?」
 と、言うことは、どういうことなのか……
 そう、今ここでボルツァーマトムを破壊するとΛ(ラムダ)ドライブも連動して停止し、それを駆使して航行していたこの
空母・りゅうのいぶきは動きを止めて沈むということだ。
與鷹(よたか)「奴ら、ちゃんとした艦と現行の技術で航行させろよ!」
 だが、文句を言っても何も始まらない。
総介「やれやれ、つくづく巫山戯(ふざけ)た連中だ……」
 仕方がないので、一行は八丈島へと進路をとるのであった。
 いや、もともとリキッドタイガーは八丈島へ向かっていたので進路が変わったわけではないのだが……

 八丈島
自衛隊海軍「む、あ、あれは……」
 双眼鏡で偵察を行っていた自衛隊海軍の一人は八丈島へ迫る空母・りゅうのいぶきを目視
自衛隊海軍「奴ら、失敗したというのか!?」
自衛隊海軍「待て、あの艦、リキッドタイガーの旗がない」
一同「と、いうことは!?」
 顔を見合わせる自衛隊海軍一行
 そうこうしているうちに、空母・りゅうのいぶきは港へとたどり着く。
 万が一のために銃を構えて草影に潜む自衛隊海軍。
 だが、総介を筆頭にロープでぐるぐる巻きになったリキッドタイガーの面々を連れて降りてくるところを見て自
衛隊海軍の面々は安堵する。
シーゼロ「どうやら無事に終わったみたいだな」
総介「ああ、まだ一仕事残っているがな」
シーゼロ「一仕事?」
総介「いや、こっちの話だ……」
 ズズズズズッ
一同「お、おい、艦が沈むぞ……」
 それはまるでここまでやって来たことで役目を追えたかのように見受けられた。
 敵の空母ながら、あっぱれ……敵な面持ちで、自衛隊海軍は敬礼をしだす。
※実際はボルツァーマトム、Λ(ラムダ)ドライブを降ろしたことで浮くことができなくなったために沈んだだけなので敬礼
 して送らなくてもいいんですが……

#7
かんな「終わりました……」
 総介が桜と共に自衛隊海軍にリキッドタイガーの面々を引き渡しているその裏で、Eighterの一行はというと、
今回の任務の後始末を行っていた。
 つまり、ボルツァーマトムの破壊と原子の冥王(アトミック・プルートゥ)の取り出しである。
與鷹(よたか)「あとはこれを歴史の墓場で管理すればOKか……」
 よし、帰るか!と與鷹(よたか)が叫ぼうとした矢先、背後から声が聞こえる
雨水朧(うすい・おぼろ)「ちょっと、私を置いて帰らないでよね!」
與鷹(よたか)「あ、すまん、忘れてた……」
(おぼろ)「あのねぇ……」
 (おぼろ)は自力で八丈島へやってきたのだ。
 まさか泳いで……なんてわけはない。彼女はS&W財閥の娘なので財閥に電話一本かければ助けが来るって寸法だ
※ちなみに余談だが青ヶ島で(おぼろ)と死合ったリキッドタイガーの社谷萬寺(やしろや・まんでら)も既に引き渡しは終わってます。
 何はともかく、これにてリキッドタイガー壊滅の任務は終了だ……
 更なる残党軍がこの後出てくるのかは……作者()のみぞ知る……
※ヤな言い方……


END

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