Eighter -Midnight Howling-
44ther 〜とある横道(アストレイ)蒼厄(ブラウカラミティ) C〜



#5
 リキッドタイガー、それは自衛隊海軍過激派、銀鯱(ぎんしゃち)の残党軍。
 ドラゴンクロニクルをベースに全く別物として開発されたボルツァーマトムもろとも破壊するべく、Eighterは
立ち上がるのであった。
 八丈島、海軍戦略研究所
(かみ)総介「ではこれより俺たちは青ヶ島のリキッドタイガーの拠点に攻め込む」
山咲(やまざき)桜「貴方方は手筈通り後詰をお願いします」
シーゼロ「ああ、わかった……」
 自衛隊海軍を後詰に、一行は青ヶ島へ向かう。

 青ヶ島、某所
梓與鷹(よたか)「ところで、ボルツァーマトムを開発した奴って何者なんだ?」
 リキッドタイガーの拠点を強襲する、その前に與鷹(よたか)はぽつりと疑問を呟く
桜「網谷ゼルシフォムのことですか?」
與鷹(よたか)「ああ、そう。それそれ」
桜「日系ドイツ人の流れの狂科学者(マッドサイエンティスト)與鷹(よたか)「うん、それは聞いた……」
白拍子かんな「一言で言うならば異端児ですね。で技術の探求のためならばどこまでも行き、何でもする……特定
の場所に長くは留まらないことでも有名です」
 また、自他ともに認める狂科学者(マッドサイエンティスト)で、自ら名乗っている変わり者です
雨水朧(うすい・おぼろ)「自ら狂科学者(マッドサイエンティスト)って名乗ってるんだ……」
 確かにそれは変人だ……と(おぼろ)。そんな時、與鷹(よたか)は気になることを確かめる。
與鷹(よたか)「うん?特定の場所に長く留まらないってことはもしかして……」
かんな「はい、もう、ここには彼はいません」
 ボルツァーマトム完成と共に颯爽と去っていったようですね……と続ける。
與鷹(よたか)「まぁ、今回はリキッドタイガーの壊滅であってゼルシフォムの逮捕は二の次ってことか……」
総介「フン、無駄口はそこまでだ……」
 いよいよリキッドタイガーの拠点が見えてきた。(だが、拠点と言っても洞窟である)
與鷹(よたか)「見たところ見張りは居なさそうだが……」
(おぼろ)「じゃ、とっとと乗り込みましょう!」
 おい、待て……という言葉も空しく、(おぼろ)は颯爽と洞窟に侵入してしまう。
 仕方がないので一行も洞窟の中へ乗り込んでいく。

 暫く洞窟内を進んでいくと、前方に人の気配を感じる
與鷹(よたか)(誰かいる?)
総介(まぁ、リキッドタイガーのメンバーに違いないだろうがな……)
*「そこにいるのは分かっているんだ……出て来いや!」
與鷹(よたか)(既にバれてるか……)
桜(我々が侵入したことは既に知れ渡っているんでしょうね……)
 ならば隠れている必要もないな……と一行は躍り出る。
*「貴様ら、ここは自衛隊海軍御用達の洞窟でな、関係者以外立ち入り禁止だ」
総介「フン、貴様らは自衛隊海軍でも何でもない……青ヶ島を根城に近辺を荒らす海賊……いや、銀鯱(ぎんしゃち)の残党軍、
リキッドタイガー!」
 総介の言葉にピクっとなる漢。
*「ほぉう、そこまで知ってるとは、貴様ら何者だ?」

#6
総介「そうだな、かつて銀鯱(ぎんしゃち)を壊滅に追い込んだ一団……と言えばいいか……」
與鷹(よたか)「おい、総……」
 何も煽らなくても……と思う與鷹(よたか)だが、時すでに遅し
*「な、何だと!?」
 総介の発言に血相を変える。
*「貴様ら……」
 今回は銀鯱(ぎんしゃち)の残党軍であるお前たちを壊滅するためにここに来た!と宣言する総介。
 そんな総介の宣言を聞き、漢は怒りに叫ぶ
*「良かろう!リキッドタイガー幹部の末席に名を連ねるものとして、貴様らをぶち殺す!」
 俺の名は社谷萬寺(やしろや・まんでら)!貴様らを殺す漢の名だ!と名乗りを上げると共に巨大な槍をもって
突撃する。
(おぼろ)「はいっと!」
 ガキンッ
社谷萬寺(やしろや・まんでら)「ぬ?!」
 一番槍は私が……と言わんばかりに(おぼろ)八咫鉾(やしむ)を繰り出す。
萬寺(まんでら)「面白い……我がバーニングスピアと力比べをしようと言うのか!」
 柄に核のハザードシンボルがついた、見るからに危険そうな槍。ボルツァーマトムの加護を受けていると一目で
分かった。(そうかなぁ……)
萬寺(まんでら)撃鑓襲貫(げきそうしゅうかん)!」
(おぼろ)黎杭打刳撃(パイルドライバー)!」
 ドカンッ
 双方ともに刳るように刺突を繰り出し、(きっさき)同士が激突する。
(おぼろ)(くっ、こいつ……)
萬寺(まんでら)「ぬぅ……やりおる!」
 力は互角……ともすれば、女である(おぼろ)の方が勝っているかにも見える。
 ガツンガツンガツンッ
 互いに刃を引き、打ち合い、引き、打ち合いを繰り返す。(きっさき)同士が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
萬寺(まんでら)「ちちぃ、ボルツァーマトムの加護があるバーニングスピアの一撃を受けても砕けないとは何て硬度だ!」
 ちなみに、ボルツァーマトムの加護と言うか、この槍の刃が劣化ウラン弾みたいなものである。要するに貫通力
が高い。
 並みの武器ならば一発で破壊されるところだが、そこは八咫鉾(やしむ)、この程度ではびくともしないのだ。
萬寺(まんでら)「いいぜ、だったら見せてやる、バーニングスピアの実力をなぁ!」
 叫ぶとともにバーニングスピアを握ったまま右手を広げる。
(おぼろ)「何をする気かしらないけど、待っていられるほど私は気長じゃないのよ!跳躍黎杭打刳撃(ジャンピング・パイルドライバー)」
 間合いを詰めるようにジャンプ、そのまま黎杭打刳撃(パイルドライバー)を叩き込む
萬寺(まんでら)撃鑓襲貫(げきそうしゅうかん)後焼(ごしょう)」
 ズドゴオオオオッ
(おぼろ)「嘘でしょッ!」
 バーニングスピアの刃が展開したかと思ったら次の瞬間、バーニア噴射で一気に間合いを詰める。
(おぼろ)「ぎゃ〜〜〜」
 人間がジェット噴射に勝てるわけもなく、(おぼろ)は派手に吹っ飛び洞窟の壁に激突するのであった。
 果たして、(おぼろ)の命運やいかに……


続

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