#5
　場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に傀儡(かいらい)にされ、今や三明の剣に支配されたスウィートプラントの首魁、ユピテガデム……
　かんなはヤツを止めることができるのか？！
ユピテガデム・安室・ビオブレン「連理双冽刃(れんりそうれつじん)！」
　かんなめがけて襲い掛かると同時に両手を上段に構えて一気に振り下ろす
白拍子かんな「鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)！」
　ドンッ
　だが、かんなも負けるわけにはいかない。着地を待たずに斬撃を繰り出す。
　放たれた剣閃は平安を齎(もたら)す鳳凰となりてユピテガデム（中の人？は以下略）を襲う
ユピテガデム「ぬ、ぬぅ……」
　これにはさしものユピテガデム（中の人？は以下略）も面食らう。
ユピテガデム「まだこれほどの力を隠していたとは……」
　ユピテガデム（中の人？は以下略）の預かり知らぬところであるが、そういう意味ではかんなはまだいろいろと
隠し玉盛沢山である。
※さらにこの上、茜瑙哭(セドナ)覚醒もあるので、この勝負、最初からユピテガデムには勝機はないんじゃないか？
　ともかく、迫る鳳凰をどうにか斬り伏せると飛び退って宙に浮くユピテガデム（中の人？は以下略）。
ユピテガデム「ふむ、主を相手にするにはここから間接攻撃を繰り返す方がよいと見た」
かんな「それはどうでしょうか？」
ユピテガデム「強がりを……空を飛べぬ主に、宙を自在に闊歩できる余を討つことは出来ぬ！」
梓與鷹(よたか)（確かに、そいつは道理だが……）
天然蛍(あましか・けい)「いや、でもミノフ〇キードライブみたいな強化パーツを装備すれば……空-でも空Sになって更に移動力も
増えるし……」
突込魁(とつこみ・かい)「あるかいそんなモン！」
　蛍(けい)渾身のボケ（天然）にスパコ〜ンと魁(かい)が全力の突っ込みを入れる。
　第一あったとしても人間に装備できないでしょうが、と、言うかスパ□ボのやりすぎぃ！
※ちなみに強化パーツも強化パーツスロットもあるわけねぇだろ！とダブルの突っ込みである。
ユピテガデム「行くぞ、比翼双烈刃(ひよくそうれつじん)！」
　ぎゅるるるるるんっ
　左右で構えていた大通連(だいとうれん)、小通連(しょうとうれん)をブーメランのように投げ飛ばすユピテガデム（中の人？は以下略）
かんな「その技には致命的な弱点がありますよ？」
　ガガキンッ
　言うな否や迫る二つの兇刃を切り払う。
ユピテガデム「やはり、主ならばこれくらいの芸当はやると思っておったわ！」
　だが、甘いわ！普通なら弾き飛ばされた刀は拾いに行かねばならぬところだが、余の大通連(だいとうれん)、小通連(しょうとうれん)にその様な
ことは不要！
　見当違いの咆哮に弾き飛ばされ、地面に突き刺さった大通連(だいとうれん)、小通連(しょうとうれん)だったが、地面からひとりでに抜けるとそ
のままユピテガデム（中の人？は以下略）の手に戻っていく
與鷹(よたか)「ダメなのか……」
かんな「鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)！」
　ドンッ
　斬撃と共に平安を齎(もたら)す鳳凰がユピテガデム（中の人？は以下略）を襲う。
ユピテガデム「懲りぬ奴よ……連理双冽刃(れんりそうれつじん)！」
　両手を上段に掲げ、一気に振り下ろし応戦。その直後、かんなは一足飛びにかかる
ユピテガデム「無駄な足掻きよ……地を這う主に宙を闊歩する……な、にぃ！？」
　だが、次の瞬間には、ユピテガデム（中の人？は以下略）の眼前にかんなが迫っていた。

#6
かんな「先ほど言ったはずです、致命的な弱点があると」
ユピテガデム「馬鹿な……」
総介「確かに、お前が宙を浮いている限り、地上からの攻撃をあてるのはなかなかに難しい……」
與鷹(よたか)「だが、条件が同じならばその限りではない！」
ユピテガデム「はっ？！何ぃ！？」
　気が付けば、ユピテガデム（中の人？は以下略）は地面に降り立っていた。
ユピテガデム「これはっ！」
　両手の大通連(だいとうれん)、小通連(しょうとうれん)を見て驚愕に眼を瞠るユピテガデム（中の人？は以下略）
　二つの刃には亀裂が走っていた。これ以上告死すれば破壊されるのは必至である
山咲(やまざき)桜「先ほどあなたが言っていたことです。三位一体であればこそ、その様に宙を闊歩できる」
ユピテガデム「……ぬ、ぬぬぬ……」
　それは真実。
　じゃ、顕明連(けんみょうれん)には既に罅(ヒビ)入っていたけど、それでも三位一体で完全だったのか？とか言われると、そこは、ユピ
テガデム本体を利用することでなんとかなっていたってなことでひとつ。
※なんだ？その辻褄合わせは
ユピテガデム「ちぃっ……」
　ふっと彼の両手から大通連(だいとうれん)、小通連(しょうとうれん)が掻き消える。そして、代わりに顕明連(けんみょうれん)を出現させるが、遅い
　ドカッ
ユピテガデム「げはっ！？」
　懐に飛び込んだかんなが蹴りを繰り出しユピテガデム（中の人？は以下略）の体勢を崩す
かんな「お終いです！」
　ザムッ
ユピテガデム「が、がはああぁッ！」

羅叉(らさ)タブラ「あ〜あ、終わっちゃったかもね……」
　一部始終を歴史の墓場の一角から見ていた場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在。
　その中えタブラがポツリと呟く。
歯付サヤ「おのれ、《キツネザルの使徒》め！」
泥諏(でぃす)クォヴァ「今回は冥王の心臓がオーバーロードすることはなかったらしいね」
憂粋(うぃすい)タブレ「だから、アレは……」
サヤ「そうだね、もう少し供給量を上げてもよかったかもしれないかしら……」
タブレ（だが、奴ら、以前よりも強くなっている気がするのは、気のせいなのだ？）
　皆が今後について語っている中、タブレだけは険しい表情でかんなを睨んでいるのであった。

　話は戻り……
ユピテガデム「そうか……では、これが余の幕引きか……」
　ユピテガデムだったモノはサラサラと崩れ、後には三本の刀が残る。
総介「これで、ようやく終わったか……」
かんな「はい……帰りましょうか？」
與鷹(よたか)「あ、ああ……そうだな……」

伊達宗美(むねみ)「よおし！全て片付いたし、こっちも撤収するか」
徳川りりか「ちょっと待ってください」
　にこりとりりかが微笑みつつ宗美(むねみ)を止める。
　その笑顔が怖い
宗美(むねみ)「り、りりか……」
　冷や汗が止まらない。
りりか「燭台切のことですが」
Code-CCS「はい、ここに」
一同「うおお！？」
　またしても唐突に表れた燭台切に一同ビビる。
伊達成実(なるみ)「そっちも勝負ついたってことか……」
Code-CCS「えぇ」
片倉十夜「と、言うことは、大包平(おおかねひら)は折られた……と？」
Code-LPF「そんなわけはない」
一同「うおお！？」
　気配がないというのも考え物である。
蛍(けい)「死合の後は友情が芽生える。鉄板だね」
魁(かい)「そんなワケあるかぃ！」
　またしても魁(かい)のハリセンが炸裂するのであった。

#7
與鷹(よたか)「そういやぁ、三明の剣はどこへ行ったんだ？」
一同「え？」
　気が付けば、三明の剣は忽然と姿を消していた。
蛍(けい)「架空の剣だけに最初から存在してませんでしたってオチ」
魁(かい)「ンなわけあるかい！」
　スパ〜ンとハリセンが蛍(けい)の後頭部に炸裂。
桜「と、言うか、��劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)もどんなものだったのか、わからず終いなのですが……」
與鷹(よたか)「え？」
総介「……」

　ちなみに、その後の話となるが、どこを探しても��劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)は見当たらなかった……（そのため、燭台切や
大包平(おおかねひら)を刀に戻すこともできない）
　宗美(むねみ)は人の姿を取っている燭台切をそそくさとりりかに渡し、約束の日付までに奪い返せたんでここは一つ穏便
に……と平伏。（最終的には大包平(おおかねひら)もセットにすることで落ち着いた）
※ただ、大包平(おおかねひら)は不満だらけですが……（燭台切のオマケ扱いが気に入らない）
　りりかもまた、母には任務完了の報告をするのだが、仔細を聞かれて言葉に詰まってしまうのであった。
　そして……三明の剣と、��劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)の行方は杳として知れない……もしかしたら場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が回収し
たのだろうか？


END