Eighter -Midnight Howling-
43rder 〜顕明連(けんみょうれん)伊達違う(ダテじゃない!) B〜



#3
 スウィートプラントの首(かい)、ユピテガデムは既に場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)傀儡(かいらい)と化していた。
 せめて苦しまずに逝かせるべきと、かんなは神滅超越者(ラグナロクエクセル)を強く握りしめる。
 ドッ
ユピテガデム・安室・ビオブレン「ガアアッ!」
一同「何!?」
 かんなが斬撃を放つより前、突如ユピテガデムを一本の刀が貫く。そして、そのまま吸い込まれていく
白拍子かんな「あれは、顕明連(けんみょうれん)?」
梓與鷹(よたか)「何だって?」
(かみ)総介「チッ、今までのは慣らし運転だ」
與鷹(よたか)「どういうことだよ?」
ユピテガデム「大通連(だいとうれん)小通連(しょうとうれん)……それに余。これぞ、究極の三位一体!」
 ユピテガデムの肉体に顕明連(けんみょうれん)の魂が宿る。
 これが、先ほどサヤがやるといっていた実験の次のステージ。
ユピテガデム「行くぞ!三位一体となった余に死角はない!」
 ひゅんっ
 先ほどまでの荒ぶる獣じみた突撃ではなく、流麗なるステップ。
 見るものの目を奪う華麗な足運びで間合いを詰めると左右の刃で敵を討つ
かんな「くっ」
 左右から迫る凶刃を神滅超越者(ラグナロクエクセル)で受けるとともに流れに逆らわずにすれ違うように駆け抜ける
與鷹(よたか)劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)にはあんな能力は……」
総介「ない!」
山咲(やまざき)桜「おそらく場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の力」
天然蛍(あましか・けい)「面白くなってきたね」
突込魁(とつこみ・かい)「いや、あのね……」
 外野は黙ってて……
ユピテガデム「主の力、その程度かえ?それでは余を討つこと叶わんぞ!」
かんな「ご心配なく。まだ、これからです」
 そもそも、かんなはまだ茜瑙哭(セドナ)覚醒していない。本気のかんなはまだこんなものではないのだ!
ユピテガデム「よかろう、主の力、見せてもらおうぞ!」
 すすすすっ
 ゆらりゆらりとまるで水が流れるが如く、それでいて高速で移動して、かんなの死角を狙うユピテガデム(中の
人?は顕明連(けんみょうれん))
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィンッ
 一閃!放たれた剣気が応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍となりてユピテガデム(中の人?は顕明連(けんみょうれん))に迫る
ユピテガデム「ほっ……海神奏車(かいじんそうしゃ)!」
 渦を成した海水を纏った斬撃で応戦するユピテガデム(中の人?は以下略)
 が、しかし、その斬撃は応龍(おうりゅう)に競り負ける。
ユピテガデム「なるほど、やるおるわ!」
 競り負けたとはいえ、威力は殺がれたため、迫る応龍(おうりゅう)を回避することに成功するユピテガデム(中の人?は以下
略)
ユピテガデム「それが主の本気……いや、まだ隠しておるな?」
かんな「切り札はそう簡単に晒すものではないですから」
ユピテガデム「それも道理よな……」
 ならば、この死合、どちらが最後まで切り札を温存できているかが肝!
 そのまま死合は第三幕へ突入する!
※最初のユピテガデムとの死合が第一幕で、今が第二幕の終わりってことね。(何の解説だよ)

#4
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィンッ
 先に仕掛けたのはかんな。放たれた剣気は応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍となりてユピテガデム(中の人?は以下略)に
襲い掛かる。
ユピテガデム「その技は先ほど見た!」
かんな「さっき見たからと言って今も対応できるとは限らないですよ?」
ユピテガデム「む!?」
 ドガアンンッ
 左右の刀で軽くあしらおうと思った矢先、先ほどとは圧が違う事に気づき飛び退る。
 そして、そのまま宙に浮く。まるで透明な床の上に立っているが如くだ。
伊達宗美(むねみ)「おお!?なんでアイツ宙に浮いてんだ?」
 ユピテガデム(中の人?は以下略)を見てびっくりするというか、興味津々な感じの宗美(むねみ)
ユピテガデム「大通連(だいとうれん)小通連(しょうとうれん)、それに余。三つの力が一つになれば、一つの正義は八百万の力よ!」
伊達成実(なるみ)「うん、わからん……全然説明になってないな」
 と、言うか妙にゲッター□ボの歌詞っぽい言い回しなのはどういうことなのか?
 なお、飛び退って宙に浮いただけで応龍(おうりゅう)から逃れられると思ったら大間違いである。かんなが解き放った剣閃…
…応龍(おうりゅう)はまだユピテガデム(中の人?は以下略)を追う
ユピテガデム「比翼双烈刃(ひよくそうれつじ)ん!」
 ぎゅるるるるるるっ
 左右を交差させてから一気にXを描くかのように斬撃を放つ、と同時に左右の刀を投げ飛ばす。
 飛んでいった左右の刀は海水を纏い鳥の姿を成して応龍(おうりゅう)に突撃する。
かんな「てぇい!」
 ユピテガデム(中の人?は以下略)が手ぶらになった隙を見逃すはずもなく、かんなは一足飛びにユピテガデム
(中の人?は以下略)に斬りかかる
ユピテガデム「甘いわ!」
 ギンッ
 だが、しかし、彼の手にはいつの間にか一本の刀が握りしめられていた。
 刀身に(ヒビ)が入ったままの刀……それはまぎれもなく顕明連(けんみょうれん)である。
かんな「……」
 (ヒビ)が入っているなら押し切れば破壊できる……かに思えたが、しかし、かんなはすぐさま離れて距離を置く。
與鷹(よたか)(絶好のチャンスだったのでは?)
総介(そうかな?)
 かんなが距離を置いてすぐ、投げ飛ばした大通連(だいとうれん)小通連(しょうとうれん)がユピテガデム(中の人?は以下略)に戻ってくる。
 もし、あのまま押し通そうとしていたら、背後から迫ってきた兇刃に串刺しになっていたところだ!
與鷹(よたか)(そ、そうか!)
 無論、これもかんなの超運のなせる技である。
※え〜、あんまり超運関係ない気が……
ユピテガデム「やるおるわ……だが、甘いわ!」
 今度はユピテガデム(中の人?は以下略)が追撃を行う番である。
 かんな、どう動く!?


続

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