Eighter -Midnight Howling-
42nder 〜大包平(おおかねひら)伊達違う(ダテじゃない!) A〜



#0
 伊達宗家を襲い、燭台切光忠を奪った組織、徳川宗家が壊滅すべき組織……この二つは同じだった。
 そして今、気配を全く察知できない謎の刺客二人と、伊達の若き当主(?)二人との死合が始まる。
※なんで『?』がつくんだよ!そこ、なくていいだろ!

#1
 死合開幕……その前に、謎の漢の一人が口を開く。
*「私の事はキャンドルスティックスラッシャー……あるいはCode-CSSとお呼びください」
伊達宗美(むねみ)「な、何だってぇ〜〜〜!?」
片倉十夜「キャンドルスティックスラッシャー……組織の名前ではなかったと!?」
 確かに、最初にかち合った際、宗美(むねみ)、十夜は勝手にキャンドルスティックスラッシャーが組織の名前だと勝手に
勘違いしてしまった……それは落ち度だ。
一同「な、何だ?何だ?!」
 突如大声を出す二人にビックリする一行。そんな中、総介は一人静かに呟く。
(かみ)総介「フン、随分と巫山戯(ふざけ)た名前だな……」
梓與鷹(よたか)「え?どういうことだ?」
 そんな、総介の呟きに首をかしげる與鷹(よたか)。そして、騒ぎ出す宗美(むねみ)宗美(むねみ)「あ〜〜〜、あ〜〜〜、それは……」
 最早、隠し通すのもここまでか……と、そんな折、かんなが口を開く
白拍子かんな「Candle Stickとは英語で燭台、Slasherは英語で斬る……を意味します」
山咲(やまざき)桜「つまり、燭台切ですね」
徳川りりか「え?ちょっと待って、それって……」
 あ、はは〜〜ん、そういうことなのね……と、りりか、ここで気づく
宗美(むねみ)「ぐっ……バれてしまっては仕方がない……そうだよ、ここに来た本当の目的……それは本家から奪われた燭
台切光忠を取り返すため」
りりか「ええ!?何それ、初耳ですよ」
宗美(むねみ)「え?!」
十夜「え!?」
 正直に白状する必要なかったぁ〜〜!が、しかし、時すでに遅し……
※なお、りりかは燭台切なんて名乗る不逞な輩を排除するんだ……って思ったようです。信じるか信じないかはあ
 なた次第です。(なんでや!)
 と、そんなショートコント的なことをやっている間も律儀に相手はずっと待っていてくれた。
 それどころか、もう一人も名乗りを上げる
*「私の事はラージフラットパック……あるいはCode-LFPと……」
宗美(むねみ)「この声……」
十夜「ええ、間違いありません……襲撃者はこちらです」
 燭台切光忠を奪った襲撃者……声だけしかわからなかったが、それだけにその声は聞き間違えようがない!
與鷹(よたか)「今度は何となくわかる……Largeが大きい、Flatが平ら、Packは圧縮するだから……」
総介「……包むだ」
 すかさず間違いをただす総介
りりか「……ええと、全部合わせると大平包(だいへいほう)……?」
かんな「大包平(おおかねひら)です」
りりか「じゃあ、ラージパックフラットにしてよ!」
 謎の文句だった。正直なところ、どっちてもいいじゃん……って思う。
Code-LFP「そうか……ならば、改めて、私の事はラージパックフラット……あるいはCode-LPFとお呼びください」
一同「改名しちゃうのかよ!」
 と、言うか、死合は始めなくていいのか?

#2
十夜「はっ、宗美(むねみ)様……奴の持っている刀、燭台切です!」
 Code-CSSが腰に帯びていた刀を見て、十夜が叫ぶ
宗美(むねみ)「な、何だってぇ〜〜!?」
與鷹(よたか)「ってことはもう一人の方は、もしかしなくても大包平(おおかねひら)を装備してるのか?」
 一同の視線がCode-LPFの刀に集まる。
りりか「燭台切を装備しているからコードネームが燭台切(Code-CSS)大包平(おおかねひら)を装備しているからコードネームが大包平(Code-LFP)
……安直なネーミングね……」
Code-CSS、Code-LPF「……」
宗美(むねみ)「ま、まぁ、いい……返してもらうぜ!燭台切!」
Code-CSS「出来ますかな?」
宗美(むねみ)「上等ッ!」
伊達成実(なるみ)「こっちも忘れないでほしいね……私を操った代償は払ってもらうから!」
 とかいいつつ、またしても目を瞑る成実(なるみ)。懲りないねぇ……
Code-LPF「戦場では油断する方が悪いのでは?」
 いや、それは正論だけども……成実(なるみ)のは油断というか、余裕だったんだけど、まさか、気配が察知できないなん
て思いもしなかったというか……
宗美(むねみ)成実(なるみ)骸鴉閃(がいあせん)」
 ドンッ
 疾風の如き剣閃で横に薙ぎ払う二人。
 すすっ……ガガキィンッ
宗美(むねみ)成実(なるみ)「何っ!?」
 だが、フードの相手二人は流れるような動きで二人に迫ると、そのまま斬撃の威力を削ぐような形で刃を走らせ
受け止めてみせる。
十夜(あの二人、強い……)
與鷹(よたか)(強いだけじゃねぇ、あの流麗な動き……まるで刀と一体化しているような……)
 人間業じゃねぇ!と思ったのは與鷹(よたか)だけではない。宗美(むねみ)成実(なるみ)もそう思い、一旦距離をとる。
宗美(むねみ)「こりゃ今度こそ、魔眼を使う時だな」
 そう宣言し、宗美(むねみ)は眼帯に手をかける。
Code-CSS「全力で来てください……そうでなくては面白くない」
宗美(むねみ)「そうかい……」
 じゃあ、楽しませてあげるよ……と宗美(むねみ)成実(なるみ)宗美(むねみ)の魔眼には及ばないけれど……私にも奥の手があるんだよね!」
 成実(なるみ)もまた目を瞑っていては勝てないと悟り、目を開く。
Code-LPF「ならば、是非に見せてもらいたいものだな」
成実(なるみ)「後悔しても知らないんだからね!」
 成実(なるみ)の両眼が怪しく光る。
Code-LPF「これは……」
 それは瞳術。魔眼には劣るものの、成実(なるみ)の切り札である。成実(なるみ)が死合の際、目を瞑るのは伊達や酔狂ではなく、
これを無闇矢鱈(むやみやたら)に使わなくするためでもあった……のかもしれない。(え?そこは断定してよ)
※ちなみに、瞳術って言っても、殺意を相手に跳ね返して自殺に追い込む忍術のことではないので注意。
宗美(むねみ)成実(なるみ)「行くよ!」
Code-CSS、Code-LPF「来い!」
 激突する四つの刃……果たして、勝つのはどっちだ!?


続

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