Eighter -Midnight Howling-
37ther 〜南米に潜む域外神(アウターゴッド) A〜



#0
 マナウスに調査に行ったきり戻ってこない両親を心配して、その子供たるエスピンガルダ四姉弟はEighterに調
査を依頼した
 果たして、魔力が乏しい区域……マナウスで一行を待ち受けるものは一体何なのか!?
 そして、マナウスに眠るオーパーツとはいったい何なのか?
※そういえば、一度もオーパーツなんて話が出てこなかった気もするけど……

#1
 ブラジル、マナウス
梓與鷹(よたか)「よし、行くぞ」
一同「ああ!」
 與鷹(よたか)を筆頭に、一行はマナウスへと足を踏み入れる
與鷹(よたか)(ん?なんだ?)
 と、その瞬間、何か違和感を覚える與鷹(よたか)。
 思わず後ろを振り返る
元人交喙(いすか)「何だ?どうしたんだ?與鷹(よたか)與鷹(よたか)「いや、なんでも……ない……?」
 気のせいかな……と與鷹(よたか)は気をとりなおして前へ進む。

白拍子かれん「しかし、暑いわねぇ……」
與鷹(よたか)「まぁ、ジャングルの中だからな……」
白拍子かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホ!無様ねぇ、かれん」
 一人鉄扇(真殺影刃)を仰いで優雅に涼しさを満喫しているかなり
かれん「いや、一人だけそんなの使ってるのはズルいでしょ」
かなり「それもそうね、かれん、扇いであげるわ」
かれん「え?本と……」
 バッサァアア〜〜
かれん「あひゃあ!?」
 まるで吹き飛ばすが如き鉄扇を思いっきり振るうかなり。その風圧で吹っ飛んでいくかれん
かなり「た〜〜まや〜〜」
 かなりに対して下手なことを言うからこういうことになるんだよ……と思う與鷹(よたか)であった。
かれん「ちょっと、力入れすぎよ!」
 泥とか葉っぱとかにまみれたかれんがヒィヒィ言いながら帰ってくる。
かなり「まぁ!かれん、大変!汗だくじゃないの!もう一回扇いであげましょうか」
かれん「いい、もういいです。扇がなくてOKです!」
 キラ〜ンと目を輝かせながら鉄扇を上段に構えるかなりに別の意味でヒィヒィ言い出すかれんであった。
 と、そんなかれんの肩をポンと叩くローザ
かれん「何よ?」
ローザ・エスピンガルダ「日本の(ことわざ)にこんなのがあるじゃないですか、心頭滅殺すれば火もまた涼しと」
かれん「滅殺しちゃダメでしょうが!」
かなり「いいわね、かれん、心も体も滅殺されればジメジメなんて感じないわよ」
かれん「その前に何もかも感じないじゃないッ!」
與鷹(よたか)「お前らなぁ……」
 俺たちは遊びに来ているんじゃないんだぞ……とあきれ顔の與鷹(よたか)。
*「ヒィ〜〜〜ヤッハァアアア〜〜〜」
 ズドドドドドッ
與鷹(よたか)「な、何だ?」
 と、そのとき、謎の雄たけびと共に地鳴りが響く。

#2
交喙(いすか)「だ、誰か来る!」
*「ヒャァッハァアア〜〜!」
 叫びと共に一行とすれ違い全力疾走いていく謎の漢。
カルロス・エスピンガルダ「なっ、あの人は!?」
交喙(いすか)「知っているのか?」
カルロス「あ、ああ、父と母が所属するキャラバンファミリーの一人。疾走男爵ことヴァレイ・ショーラン」
與鷹(よたか)「キャラバンファミリーの一人?」
リーザ・エスピンガルダ「確かに……」
 言われてみればそうだったわねとリーザ。
交喙(いすか)「ってことは、あいつに話を聞けば何かわかるんじゃねぇか?」
與鷹(よたか)「そうはいってもなぁ……」
 ありゃ尋常な態度じゃなかったぞ……
 ぐるぐると渦を巻く瞳、走り続けないと死んでしまうとでも言わんばかりの全力疾走。
ヴァレイ・ショーラン「ヒィ〜〜〜ヤッハァ〜〜!」
 ドドドドドッ
交喙(いすか)「戻ってきた!」
 話しかけるならば今か!と交喙(いすか)がヴァレイの後を追うが
交喙(いすか)「速ッなんだよ、あいつ、ウサイン・ボルトなんて目じゃねぇぞ……」
 ハァ、ハァ……と息を切らして帰ってくる交喙(いすか)。

白拍子かんな「リーダー、気を付けた方がよさそうです」
與鷹(よたか)「それはどういう……」
かなり「つまり、ここ、マナウスには何か得体の知れない力が満ちているとういうことよ」
カルロス「得体の知れない力って……」
かなり「アンタがさっき感じた違和感の正体もそれよ」
與鷹(よたか)「なっ!?」
 こそっと與鷹(よたか)に告げるかなり。そして、びっくり仰天する與鷹(よたか)交喙(いすか)「おいおい、違和感ってなんだよ」
かなり「まぁ、普通は気づないはずなんだけどねぇ……」
かんな(かなり姉さん……違和感って、不自然なマナの流れ……のことですか?)
かなり(ええ、そうよ。だからこそ、通常は気づけない……)
 なぜなら、マナを感じ取れる人間なんてのはいないのだから……
 ならば、なぜ與鷹(よたか)は感じ取れたのか……
※なお、かんな、かなりは運で察知です。
かんな「そして、その得体の知れない力に触れ過ぎた結果があれです……」
 彼はもう……と悲痛な顔をするかんな。
一同「な、なああ!?」
エルザ・エスピンガルダ「ちょっと待って、ってことは私たちもああなっちゃうってこと?」
かんな「ここに長くとどまり続ければいずれは……」
エルザ「ヤバイじゃん、早く出るか先に進むかしないと……」
カルロス「進もう!」
 進退をどうするかと相談しようとした矢先、カルロスが叫ぶ
與鷹(よたか)「いいのか?」
カルロス「余計に親がどうなっているのか気になる。ここで引き返したら何かに負けた気がする」
交喙(いすか)「おっし、先進むぜ!」
 この先、何が待ち構えているのか……


続

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