Eighter -Midnight Howling-
33rder 〜線上に立つ赤き辜(シン・レッド・ライン) A〜



#0
 日本海溝で見つかったオーパーツ。それは発見当時は正体不明であったにも関わらず、IS(イスラミックステート)のエージェントに奪われて
しまった。
 そう、その背後には場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が暗躍していたのだ。
 そして、Eighterはその野望を砕くべく、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に立ち向かう

#1
白拍子かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィンッ
 メメントめがけて剣閃を放つかんな。その剣閃は応龍(おうりゅう)へと変幻する光の龍となりて襲い掛かる。
森メメント「狩血憎麟(しゅちにくりん)」
 左右の後背よりの白炎(バック・トゥ・ザ・ファイア)を振るうメメント。
 右の後背よりの白炎(バック・トゥ・ザ・ファイア)からは巨大な赤い薔薇を思わせる剣閃が、左の後背よりの白炎(バック・トゥ・ザ・ファイア)からは巨大な白い角を思わせ
る衝撃波が飛び、光の龍を挟み込み、応龍(おうりゅう)をかき消す。
梓與鷹(よたか)「技の威力は互角……か……」
メメント「なかなかやる……である」
 ニヤリと笑みを浮かべるメメント
メメント「だが、そうでなくてはつまらないである。狩血憎麟(しゅちにくりん)!」
 そのままもう一度左右の後背よりの白炎(バック・トゥ・ザ・ファイア)を振るう
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 だが、今回は先ほどとは違い、応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍には白い衝撃波のみが激突、そして、もろとも挟み込む様
にその左右から赤い剣閃が走る。
與鷹(よたか)「なっ」
 光の龍と白い衝撃波、二つが赤い剣閃に切り裂かれ、そのままかんなに迫る
かんな「はっ」
 しかし、若干勢いがそがれていたのだろ。かんなの振るう神滅超越者(ラグナロクエクセル)により赤い剣閃は切り裂かれる。
メメント「チッ……なのである」
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 勝利を確信……まではしないものの、先の一撃で傷一つでも負わせられれば上出来と考えていたメメントだった
が当てが外れて苦虫を噛み潰したかのようなひょうじょうを見せる。
 そして、そんな隙を見逃すかんなではない。すぐさま第二波を放つ。
メメント「狩血憎麟(しゅちにくりん)」
 ドドドッ
 今度は二つの白い衝撃波と三つの赤い剣閃。
 先ほどのパターン(白い衝撃波一つと赤い剣閃二つ)では競り負けたが、今回は更に増えているため、メメント
の技が優勢なのは火を見るよりも明らか。
 勢いが殺がれることなく、赤い剣閃が三つかんなに迫る
與鷹(よたか)「か、かんな!」
かんな「鳳鸞舞刃(ほうらんうじん)!」
メメント「何だと?!」
 今度こそ手負いに……と、メメントが思った次の瞬間、かんなは神滅超越者(ラグナロクエクセル)を横薙ぎし、平安を(もたら)す火の鳥を解
き放ち押し切る。
メメント「人間(パーツ)風情が、なめるなであるッ」

#2
 両手を広げてしゃがみ込み、迫る火の鳥を回避するメメント。
メメント「壊れろぉおッ」
 下半身のバネを利用して一気にとびかかりかんなに斬撃を見舞うメメント
かんな「くっ」
 ギンッ
 返す神滅超越者(ラグナロクエクセル)で二刀を受け止めるかんな。
茜瑙哭(セドナ)(なっ、この力……)
 今までとは違う。そう思った次の瞬間、かんなはメメントに吹っ飛ばされる。
與鷹(よたか)「強い……」
(かみ)総介「フン……」
山咲(やまざき)桜「警部……」
 見守ることしかできない三人。
與鷹(よたか)(他の奴らみたいに厄介な技を使ってくるのではなく、純粋に強い……)
総介(いや、そうではあるまいよ……)
與鷹(よたか)(え?それはどういう……?)
総介(……)
 いや、そこで黙られても……と思ってしまう與鷹(よたか)であった。

メメント「ははは!どうしたであるか……《キツネザルの使徒》!お前の力はこんなものであるか?」
かんな「……」
 体勢を立て直し、神滅超越者(ラグナロクエクセル)を構えなおすかんな。
 その眼はまだ死んでいない。
茜瑙哭(セドナ)(気づいているか……)
かんな(ええ)
 メメントから発せられる氣。それはメメントだけのものではない。
 それは龍脈エネルギーに溺れていた人間にも似ているし、自然界のマナの力を纏っていた人間にも似ていた。
 そう、それは冥王の心臓が齎したパワー。総介もまた、それを感じ取っていた。
茜瑙哭(セドナ)(……)
 こうなれば、総介らの力を借りてでもメメントを押し切るか……
 で、あれば、この戦局を覆すことも可能であろう。しかし、それは茜瑙哭(セドナ)のプライドを甚く傷つける行為だ。
 そうなれば、この場は切り抜けられても、次から最悪、茜瑙哭(セドナ)の加護を受けられなくなる。
※まぁ、かんなの超運をもってすれば……いや、人の運で神をどうのこうのなんて基本的に無理です……
かんな(もう少し、このままで……)
茜瑙哭(セドナ)(……わかった……)
かんな「安い挑発ですね……」
メメント「何?」
與鷹(よたか)「かんな?」
 かんなの気が変わった……?
 怒りに満ち満ちているような……少なくとも、與鷹(よたか)はそう感じた。
かんな「では、少しだけ見せてあげましょうか……」
 ぎゅっと神滅超越者(ラグナロクエクセル)を握る力を強めるかんな
メメント「ハッ、人間(パーツ)風情が……あまり調子に乗るなである!」
 だったら見せてもらうのである、その力を!とメメントも殺気を吊り上げる
メメント「狩血憎麟(しゅちにくりん)ッ!」
 またしても、白い衝撃波二つと赤い剣閃三つのコンビネーション
かんな「龍鳳麟龜(りゅうほうりんき)!」
 カッ
 応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍、平安を(もたら)す火の鳥、信義を貫く麒麟、吉兆を左右する霊龜(れいき)……四つが一気にメメントに
襲い掛かる。


続

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