Eighter -Midnight Howling-
32nder 〜世界からの脱皮者(ワールド・パージ) A〜



#0
 日本海溝、それは東日本沖の太平洋底にある最後のフロンティア
※何がだ?
 そして、今回はそんな日本海溝の探索で見つかったとあるアーティファクトに関する騒動である。

#1
 東京都、東日本海洋研究所
 そこは日米合同で日本海溝を探索、監視し、地震や津波を一早く察知することがメインの研究所である。
 しかし、今日は探索の方にて新たな発見があった
*「こ、これは一体!?」
 日本海溝を探査している無人潜水艦、ディープシーからの映像を見て研究員の一人が声を上げる。
*「むぅ……」
 そこには深海8000mの海底にて発光する謎の物体が映し出されていた。
*「やれやれだぜ、深海8000mの海底にありながら、水圧で圧潰していないとは、度し難いッ!」
 研究員が発見したブツを見て考え込むのは海洋考古学者、霄条(しょうじょう)城太郎。
 ともかく、早速そいつを引き上げて解析してみることとなったのだった。

霄条(しょうじょう)城太郎「こいつぁ……」
 ガンガンと乱暴にブツをぶっ叩きながら、ボリボリと反対の手で頭をかきつつ、レポートに眼を通す。
*「ちょ、何してんですか、博士ぇ!」
城太郎「解析結果、不明と来たモンだ」
*「はぁ、それは……何と言いますか……」
*「X線解析結果は真っ黒、正しくブラックボックスと言うわけだ……」
 やってきたのは、オズマギカ・スウィートハンバーグ。この研究所に出資しているアメリカのスポンサーの一人
だ。
オズマギカ・スウィートハンバーグ「ダイヤモンドカッターでも傷つけられない超硬度……」
 深海8000mでも圧潰しなかったのはおそらくそのせいかと……
オズマギカ「オーパーツだろうな」
*「オーパーツ?」
城太郎「どんな能力を秘めているかはわからん……か」
オズマギカ「本国の研究機関へ持ち帰ればあるいは……」
城太郎「フッ、そうなるか……」
オズマギカ「貴方がたの力で解析できるのであれば、そんな手間はいりませんが……」
城太郎「うむ、ならば、心当たりは一つあるな……」
オズマギカ「ほぅ?」
 城太郎の言う心当たりとは勿論Eighterのことである。
 日本でオーパーツと言えばEighter……というのは知る人ぞ知る知名度になっているのだ。
※知る人ぞ知るって知名度としてはどんなものなんだ……知らない人は全く知らないんだろう?
城太郎「早速明日にでもコンタクトを取ってみよう」
オズマギカ「同行しても?」
城太郎「ああ、構わんぜ」
 そして、二人はその場を後にする。
 しかし、このオーパーツがEighterに解析依頼にかけられることはなかった……
 なぜならば……

#2
 ビ〜〜〜ッビ〜〜〜ッビ〜〜〜ッ
城太郎「何だ?どうした?」
 突如、警報が鳴り響く。
*「あ、はい、地震か津波か……」
城太郎「いや、違うな……この警告音は防犯システムのものだ」
*「ええ?」
 聞き分けられるんですか?と驚きの研究員。
 と、言うか、防犯システムと地震・津波予兆の警報が似た音なのかよ……
*「た、大変です!」
 バムっと勢いよくドアが開き、研究員が血相を変えて駆け込んでくる
オズマギカ「どうした?」
*「例のオーパーツが盗まれました!」
城太郎、オズマギカ「何ぃ?!」
*「防犯カメラの映像が、こちらに……」
 城太郎、オズマギカが部屋を後にしてからちょっとしたのち、部屋にいた研究員がオーパーツをもって逃げ去る
シーンがばっちり納められていた
城太郎「奴め!」
オズマギカ「で、こいつは今どこへ?」
*「第三ゲートからボートで……」
城太郎「逃がすか!」
オズマギカ「ああ!」
 すぐさま第三ゲートへと急ぐ城太郎、オズマギカ。
 だが、途中で用事があると言い出し、城太郎は一旦別ルートへ、オズマギカが一人で第三ゲートへと向かうので
あった。
オズマギカ「チッ……」
 しかし、そこには他のボートのエンジンが全て破壊されており、すぐ追いかけるのは無理という有様だった
オズマギカ「奴め……」
 これは計画された犯行か……
*「だ、第四ゲートのボートならば……」
城太郎「そこまで行くのは手間だろう……だからこれだ!」
 と、そこへ遅れてやってきた城太郎。ボートのエンジンを肩に担いでここまで来た。
城太郎「急ごしらえだが、なんとかなる……いや、して見せる」
 てきぱきと破壊されたエンジンをはぎ取り持ってきたエンジンと交換。
 オズマギカも乗り込み、二人で逃げた研究員を追う。

 てってって〜れ〜て〜れれ〜〜〜♪て〜れ、れ、れ、れ、れ、れ、れ、てれれれれ〜〜〜♪
 て〜れ〜れ〜〜、て〜れれれれ、て〜れれ〜〜〜♪

城太郎「何だ?この曲は?」
オズマギカ「音……?」
 逃げた研究員に近づくにつれて聞こえてくる音楽、それはSUPER∞TREAM
オズマギカ「まさか……」
 そのとき、キランと眩い光が走ったかと思うと津波の様な衝撃があたりに走り、そして、音楽は遠ざかっていっ
た。
オズマギカ「……IS(イスラミックステート)……」
城太郎「まさか……」
 そして、逃げた研究員のボートへどうにか追いつくことができたが、そこには死体となった研究員がいるだけで
オーパーツはどこにもなかった……


続

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