Eighter -Midnight Howling-
31ster 〜闇影(やみ)ニ堕ツル剣者(セイバー) C〜



#5
 ヒトラーの妄執の権化、ルドルフ……彼を止めることは可能か、不可能か?
※いや、可能なんでしょうけど……與鷹(よたか)「し、しかし、かんなは大丈夫なのか?」
 さっきの技が通じないとなると、苦戦は必至……
白拍子かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホ!さっきのは単なる小手調べにすぎないのよ!ねぇ、かんな」
白拍子かれん「なんで姉さんが自慢げに言うんですか……」
 かれんがぼそりと呟くが、それを見逃すかなりではない。
 すぐさまかなりの鉄扇が飛んできて痛い目を見るのはかれんである。

 さて、話を戻そう。
 先ほど、かんなは羅神無綺(らじんきむ)流、四大奥義が一つ、龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)を駆使したが、ルドルフの電磁障壁で阻まれてしまっ
たが、しかし、かんなはまだ本気ではなかった。
 茜瑙哭(セドナ)覚醒してなかったからね。
ルドルフ・オン・シトロンハイム「我がドイツの科学力、思い知るがいいわ!」
 クワっと目を見開くと突如ビームが飛んでいく
與鷹(よたか)「め、目からビームって……」
ラウ・ラ・ボディーヒ「な、なんて無茶苦茶な……」
 しかし、かんなは持ち前の超運で目からビームを躱して神滅超越者(ラグナロクエクセル)を突きつける
ルドルフ「そいや〜」
 続いてルドルフは右腕をワイヤードフィストとして投げつける。機械と融合しているからこそできる芸当だ
かんな「無駄です」
 ぶつんっ
 しかし、そんなものがかんなに通用するわけもなく、ワイヤー部分を斬り飛ばされてしまう
ルドルフ「おおおっ、わ、私の腕が……腕がぁ……」
 少し嘆くも、次の瞬間、近くの金属がうにょんうにょんと蠢くとナイフだらけの義手となって右腕が再生する
與鷹(よたか)(華〇慶次の四〇主馬かよ……)
 的確な突っ込みの與鷹(よたか)であった。
ルドルフ「きえい!」
 ドッガッ
 ナイフ義手を飛ばすも、それを神滅超越者(ラグナロクエクセル)で軽々と受け止めて見せるかんな。
 これが神滅超越者(ラグナロクエクセル)じゃなくてキセルなら完璧な再現だったなぁ……とかどうでもいいことを考える與鷹(よたか)
ルドルフ「フッ、そう来ることは分かっていたわ!」
 左腕がとてもメカメカしく、太いワイヤードフィストとなってかんなの傍までやってくる。
 そして、その掌には熱されたように赤く輝くレンズがあった。
ルドルフ「ドイツの科学力の前に死ね!」
 バビィイ〜〜ン
 至近距離からかんなめがけて熱線が飛ぶ
與鷹(よたか)「メイド〇ンアビスの〇グかッ!」
ルドルフ「ハッハッハッハッハ!ドイツの科学は世界一ィイイ〜〜〜〜〜ッ!」
與鷹(よたか)「か、かんなぁ!」
 思わず突っ込むも、すぐさまかんなを心配して悲痛に叫ぶ與鷹(よたか)であった。

#6
 哀れ、かんな、ルドルフの火〇砲(違ッ)の前に蒸発してしまったか……
 が、しかし、そこは運の女神である。神滅超越者(ラグナロクエクセル)を手に無傷で佇むかんなの姿がそこにはあった。
與鷹(よたか)「か、かんな」
 よかった……と安堵して、力が抜けたのかその場にがくっとへたり込む與鷹(よたか)。
ルドルフ「ぬぅ、貴様、どうやって……」
かんな「それはナイショです……」
 そして、かんなの額には茜瑙哭(セドナ)の印が眩く光り輝いていた。
 つまり、ここからが本番である。
※しかし、かれんが同じことやると、どMなんだから……とか言われるのにかんなは言われないのは何故だろう?
 ヒロイン補正なのだろうか……?
 それはさておき、そのまま一足飛びにかかると神滅超越者(ラグナロクエクセル)を横に薙ぎ払う。
 ちなみに、余談だが、ネタをばらすとさっきの〇葬砲(マテ!)は神滅超越者(ラグナロクエクセル)のハラを盾に防ぎました。もしも
火〇砲(違ッ)が可変速度〇葬砲(マテ!)とかだったら神滅超越者(ラグナロクエクセル)だけでは防げなかったかもしれん……
ルドルフ「無駄だ!ドイツの科学力の前にそんな斬撃など……なんとぉ!?」
 電磁障壁で斬撃を防ごうとするも、役に立たなかった。電磁障壁を切り裂き、兇刃がルドルフに迫る
ルドルフ「馬鹿なッ!ドイツの科学力は世界一のはず……はっ、まさか」
 驚愕に眼を瞠るルドルフ
ルドルフ「ドイツ製の機械も……パーツまでたどるともしかして安い中国製のモノが交じっていたのか!?」
與鷹(よたか)「いやいや、そういうことじゃねぇだろ!」
ルドルフ「おのれぇ、中国、許すまじ!」
 ってかさり気に中国をディスるのやめてあげて……って思う與鷹(よたか)であった。
かんな「懺悔の時間は終わりましたか?」
 ビカリとかんなに後光が……それは茜瑙哭(セドナ)の怒りを思わせる息が詰まる神氣を孕んでいた。
ルドルフ「くっなんだ、この……気配は……」
 理解不能とか計測不能とか警告を示すアラートが次々と出現していく。
 もはや本当に人間やめて機械になったのか……と思うような瞬間である。
かんな「聖明舞刃(せいみょうぶじん)」
 カカァッ
ルドルフ「う、うおおお!?」
 光がルドルフを包み込み、機械化された肉体が徐々に生身へと戻っていく。
 それは例えるならば浄解に似ていた……

かんな「はい、リーダー、これが王位なる吊り劔章(ダモクレス・ブレーディア)です」
 そして、光が収まったころ、そこには地面に倒れ伏すルドルフと王位なる吊り劔章(ダモクレス・ブレーディア)を手に持っているかんなの姿
があった。(茜瑙哭(セドナ)覚醒も収まっています)
ラウ「うむ、どうやらこれにてこの騒動も一件落着か……」
與鷹(よたか)「……そうだな……」
かんな「……」
 ズダンッ
 と、そのとき、かんなは無言で空を斬る
與鷹(よたか)「かんな?」
 それは一体何を意味していたのか……

#7
 歴史の墓場の某所にて……
 ザザ〜〜と突如映像が途絶えてしまい、暗かった辺りが若干だけ明るくなる。
*「実験は終了だな……」
 かんなが先ほど空を斬ったわけ……それはこれである。デバガメを強制終了させたということだ。
憂粋(うぃすい)タブレ「……」
 この場を支配するのはタブレらよりも上位存在の場違いな黒き遺物である。
*「なかなか興味深い実験データだった……」
森メメント「そうである……か?」
*「冥王の心臓……改良の余地があるかもしれんが、これはこれで使えそうだな……フフフ」
タブレ「で、では……」
*「ああ、いずれ、このシステムが《キツネザルの使徒》を追い詰める切り札になる……かもしれん」
 そして、その言葉と共に威圧感が消える。
 それはこの場から上位存在が消えたという意味でもあった
タブレ「……は、はぁ……」
 冥王の心臓……それは後にかんならを追い詰める魔手となるのか……?!


END

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