Eighter -Midnight Howling-
31ster 〜闇影(やみ)ニ堕ツル剣者(セイバー) B〜



#3
 オルタナチスXゲーヴォニリッヒのツートップとかれん、かなりの激闘……そして……
ファルケ「ふっ、負けた……よかろう、お主らはこの先に進む権利がある」
梓與鷹(よたか)「随分と引き際がいいんだな……」
 もっと死に物狂いで襲い掛かってくるのかと思ったがそうではなくて若干拍子抜けな與鷹(よたか)。
アイングリフ「まぁねぇ、中将は自分より強い相手には逆らえないんだ」
ファルケ「待てぃ、アイン!それでは儂が強者に媚び諂って生きているように見えてとても聞こえが悪い!」
アイングリフ「あ、ごっめ〜〜ん」
一同「軽ッ!」
ファルケ「この扉の向こう……そこが我らが大願の中心地……」
アイングリフ「亡きヒトラーの妄執集う部屋ってことだね」
與鷹(よたか)(アンタがそんなこと言っていいのか?)
 驚きの表情を見せる與鷹(よたか)だった
ファルケ「お主ら、何故我らを取り潰そうとする?」
ラウ・ラ・ボディーヒ「決まっている。現代にナチスの亡霊など不要!」
與鷹(よたか)「俺達はオーパーツが悪用されないように管理するためにここに来た!」
ファルケ「フッ、なるほどな……儂らはオーパーツを悪用する逆賊……か……」
アイングリフ「確かに、この力は面白かったけど、人には余る力だよね……」
與鷹(よたか)「ってことはお前ら……」
 珍しく話し合いで解決するのか……と與鷹(よたか)が思った矢先、それを感づいたファルケがブンブンと首を横に振る
ファルケ「儂らはお主らに従おう……しかしな……」
アイングリフ「この扉の向こうにいるあいつはきっと説得に応じない……」
 彼はある意味狂っている……とアイングリフ
ラウ「狂っている?」
與鷹(よたか)「チッ、結局こうなるってのかよ……」
 だが、それでもEighterは進まなければならない。この騒動を終結させるために。
アイングリフ「じゃ、ドア、開けるね……」
 またしても軽いノリでハーケンクロイツがデカデカと描かれた両開きのドアをスイッチ操作で開けるアイングリ
フ
 ゴゴゴゴゴと重々しい音と共に、ドアが開き、その中には……
一同「な、こ、これはぁ!?」
 そこには一人の漢がいた……
 彼の名はルドルフ・オン・シトロンハイム。オーパーツ・王位なる吊り劔章(ダモクレス・ブレーディア)を軍事利用しようと研究を続け、知
らずに場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に支配された哀れな技術者だ。
ルドルフ・オン・シトロンハイム「ジーク・ヒトラー!」
 しかし、そこにいるのはもはや人ではなかった。
 人と機械の融合体……そうとしか見えない不気味なオブジェクトじみた存在がそこにあった。

#4
與鷹(よたか)「なるほど、こいつぁ狂っているとしか言いようがないな……」
ルドルフ「ククク、来たか……愚物ども……」
 うにょ〜〜ん、うにょ〜〜んと機械部分が不気味に変化を繰り返し、ルドルフは何事もなかったかのように人間
の姿を取る
與鷹(よたか)(しかし、人の姿を持つ場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が見当たらないな……)
 ルドルフに注意をしつつ回りを見る與鷹(よたか)。
 どうやら今回は直接お出まし……というわけではなさそうですねとかんなが告げる。
ルドルフ「ここまで来たということは他のオルタナチスXゲーヴォニリッヒは全員敗れたという事か……」
ラウ「後はお前だけだぞ!ルドルフ・オン・シトロンハイム!」
 ちなみに、他のという言い回しからわかるかもしれないが、このルドルフもまたオルタナチスXゲーヴォニリッ
ヒの一人である。
ルドルフ「フッ……フハハハハハ!」
ラウ「何がおかしい?」
ルドルフ「私はもはやただの狂科学者(マッドサイエンティスト)ではない!」
 いや、自分で自分の事を狂科学者(マッドサイエンティスト)って普通いうか?って與鷹(よたか)が内心突っ込んていると、ルドルフはこう告げる
ルドルフ「さしずめ無光(ぶこう)とでも名乗ろうか!」
與鷹(よたか)「何だって?」
白拍子かなり「さ、かんな、(ようや)くあなたの出番よ!」
 かんなこそがウチの切り札なんだから!とかなり
白拍子かんな「……」
 そして、かなりに言われるまでもなく、かんなは無言で神滅超越者(ラグナロクエクセル)を手に一歩前に
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)」
 斬撃、応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍が剣閃から具現化し、ルドルフに襲い掛かる。が、しかし
 バヂィイッ
一同「な、なにぃ?」
 突如電磁障壁が出現し、かんなの技を抑え込む。
ルドルフ「ドイツの科学は世界一ィイ〜〜〜ッ!ハハハ、見たか!これが我が力!」
與鷹(よたか)「いや、お前ントコの科学力じゃなくて、絶対オーパーツの力だろうに……」
 しかし、そんな與鷹(よたか)の言葉を無視し、ルドルフは告げる
ルドルフ「私は研究に行き詰っていたある日、夢を見た……」
 そこでヒトラーの少年時代を名乗る子供に天啓を受けたのだ!
 目覚めると既にオーパーツの軍事利用は可能な状態になっていた……おお、これぞ、正にヒトラーのお導き!
 ジーク、ヒトラーとか叫びだすルドルフ
與鷹(よたか)(いや、少年時代のヒトラーて……)
かれん(それ、絶対に人の姿をした場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)よねぇ……)
與鷹(よたか)(しかも、結局自分の力でオーパーツ解析とかできたわけじゃないし……)
 この妄執の権化、打ち砕くことは可能か?


続

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