Eighter -Midnight Howling-
29ther 〜闇影ニ堕ツル大地( A〜
#0
大戦の最中、ドイツ軍は秘密裏にオーパーツを軍事利用できないかと研究を行っていた……
しかし、戦争中にそれは実らず……それでも今日まで実験は脈々と受け継がれてきた。そして今、彼らの成果は
場違いな黒き遺物(の暗躍によって成る!?
彼らはナチス残党、オルタナチスという。彼らの野望と場違いな黒き遺物(の暗躍を阻止するべく、Eighterは立
ち上がる。
#1
*「お前たちか、緑光のティーガーを斃した一行は?」
通路の奥からやってくる二人の漢
梓與鷹(「いや、厳密に言うとヤツを斃したのは今、ここにはいないけど……」
*「ンなこたぁどうでもいんだよ!」
そっちから言ってきたくせに……
*「俺は青光のカーボナード」
*「そして、俺は赤光のブロンゼ!」
名乗ると同時にそれぞれ青と赤のオーラで身を包む二人
與鷹(「なっ!?既にオルタナチスは草以外の属性の王位なる吊り劔章(の力も手にしていたってのか?」
驚愕に眼を瞠る與鷹(。
白拍子かなり「時代は日々進歩するってことね……いいわ、二人とも、やっておしまい!」
いや、時代が日々進歩しているわけじゃないだろ……と思いつつも、かなりに指名され、與鷹(とかれんは死合に
赴く。
カーボナード「お前が俺の相手になるってか?」
與鷹(「ああ、そういうことになる……」
ここで死合は青光のカーボナードVS與鷹(へ……かれんの出番はもうちょっと待ってね。
カーボナード「フッ、どこまでできるか、見せてもらおうか!」
なお、與鷹(がブロンザではなく、カーボナードを選んだのには理由がある。
それはカーボナードがナックルガードを装備し、拳を鳴らしていたからである。與鷹(の扱う双狼拳は数ある拳法
の中で最高位に輝く必殺拳ではあるが、流石に場違いな黒き遺物(に操られた武器を持つ人間相手では分が悪い。
さておき、カーボナードは懐から水晶皇帝という天然水のペットボトルを取り出す
戦いの前に水分補給?そりゃまた余裕な……と思っているとカーボナードはそれを飲むでなくバッシャアと盛大
にぶちまける
與鷹(「な、何だ?」
カーボナード「アクアリング!」
地面に水が落ちる前にリング状になり、そのまま與鷹(に襲い掛かる。
與鷹((自然界のマナを集めて操るんじゃなかったんかい!)
思わずつっこみつつ、與鷹(は迫る水のリングを拳で迎撃していく
カーボナード「見たか!これが水のマナを操るシュヴェールトの力よ!」
そこを力強く宣言されてもなぁ……って思う與鷹(だった。
#2
カーボナード「貴様にドイツの天然水は世界一であることを教えてやろう!」
そういって水晶皇帝のペットボトルをもう一本取り出し、バシャバシャと自分にぶっかける
與鷹(「いや、水晶皇帝ってドイツじゃなくてアメリカの天然水じゃ……?」
與鷹(の声など聞こえていないようだ。
カーボナード「アクアテイル」
シュッ
與鷹(「うおっ?」
次の瞬間、カーボナードの背後より撓る鞭のような一撃が襲い掛かる。
カーボナード「それ、もう一丁だ!」
よく見ると、それは水でできた尻尾による打撃だった。
まぁ、アクアテイルって技名ですし……
※いや、もしかしたら『テイル』は『Tail』じゃなく『Tale』かもしれんぞ(ンなわけあるかい!)
與鷹(「点駈狼!」
與鷹(は迫る水の打撃を闘気の刃で迎撃する。
が、しかし……
與鷹(「チッ、あまり手ごたえがないな……」
水を殴っても手ごたえを感じないのは当然と言えよう。
カーボナード「はあっ!アクアジェット」
與鷹(がどう攻め入ったものか……と少しの間考えていると、カーボナードは疾走と共に殴り掛かってくる
與鷹(「くっ」
回避……そしてカーボナードはそのまま走り抜けていく。
そして、帰ってこない
與鷹(「え?」
足場に水を纏い、滑るように疾走して、止まることができない……こ、これは、自動車学校とかで習うアレだ…
…ハイドロプレーニング現象……
あいつ、全然水のマナ使いこなせてねぇな……と與鷹(は呆れるばかりだった。
カーボナード「はぁ……はぁ……な、なかなかやるではないか……この俺をここまで追い込むとは……」
暫くして息を切らしながら帰ってくるカーボナード。
いや、アンタが出来なさすぎるだけだろ……と心の中で突っ込みを入れる與鷹(。
與鷹(「これ以上アンタと遊んでいる場合でもないんでな……」
早々に片を付ける!と與鷹(が拳を握りなおすと
カーボナード「フッ、貴様は今、俺を弱いと考えたな」
ニヤリと笑みを浮かべるカーボナード。
カーボナード「だったら、貴様は既に我が術中にはまっている証拠!」
與鷹(「何を言っているんだ」
カーボナード「貴様はまだシュヴェールトの恐ろしさを知らん!」
與鷹(「言ってろ!」
これ以上カーボナードの戯言に付き合っている暇もない、と與鷹(は一気に間合いを詰める
カーボナード「アクアジェット」
與鷹(「何?」
次の瞬間、カーボナードは自分ではなく、與鷹(にアクアジェットをしかける。
アクアジェットは自分に使うのではなく、相手に対して使うのが正しいんだと言わんばかりだ。
事実、與鷹(は滑っていく……
続
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