Eighter -Midnight Howling-
28ther 〜闇影(やみ)ニ堕ツル混沌(カオス) C〜



#5
 オーパーツの軍事利用……それを防ぐために力を貸してほしいとドイツ陸軍から情報武官がやってくる。
ラウ・ラ・ボディーヒ「と、とにかくだ!オルタナチスの野望を潰してほしいのは確かだ!」
 これが我らが調べ上げたオルタナチスの実験結果……と資料を渡してくるラウ。
 しかし、当然ドイツ語なので誰も読めない
一同「……」
 しかし、ここEighter本部には運の女神、かんながいる。彼女がいれば超運をもってして未だ解読されていない
古代の言語だろうが、今後、出てくるであろう新しい言語だろうが翻訳するのはわけない。
白拍子かんな「王位なる吊り劔章(ダモクレス・ブレーディア)……自然界に存在するマナを集めて操ることができるオーパーツですね」
梓與鷹(よたか)王位なる吊り劔章(ダモクレス・ブレーディア)……」
かんな「ええ、火、水、草、霧、陽光、月光、不明の七つのマナの力を操ることができる代物で、オルタナチスは
その中でも草のマナを操る術を実験段階にまでこぎつけているようです」
一同「最後の不明って……」
ラウ「不明は不明だ……いまいちよくわかっていないらしい」
一同「あ、そうですか……」
 ってか、陰陽五行とか虹の七色とかじゃないのね……って思う一行。
※ちなみにこの七つを色で表すとするならば赤、青、緑、灰、金、銀、無色と言った感じだ。
 まぁ、ともかくだ、オーパーツの悪用を防ぐのがEighterの目的でもあるため、與鷹(よたか)はこの依頼を受けることに
した。
 と、言うわけで一行はドイツへ……

 ドイツ、ドレスデン郊外
白拍子かれん「ドイツに来たからにはビール飲みたいわね」
與鷹(よたか)「いや、それは後回……って、お前未成年じゃなかったか?」
 確か俺の記憶が確かならばかれんは19歳だったはずだ……
かれん「嫌ぁねぇ、ゲッ〇ーチームに入ればゴウに従えって言うでしょ」
一同「言わない!」
 寧ろ、竜馬に従うべきなのでは?とどうでもいい事を考える與鷹(よたか)だった。
ラウ「おいおい、私たちは遊びに来ているんじゃないんだぞ?」
 苦笑いのラウであった。
白拍子かなり「オ〜〜ッホッホッホッホ!かれん、日本に帰ったら警察署の前で好きなだけビール飲ませてあげる
から今は我慢なさい」
 しかも私は19歳ですってプラカードも持たせてあげるから……とも続けるかなり
かれん「嫌すぎるっ!」
與鷹(よたか)「お前らなぁ……」
 ため息をつく與鷹(よたか)に、お前もお前で大変なんだなぁ……とラウが肩に手を置いて同情してくる。
かなり「はい、そんなことはおいといて、あそこに見える建物がオルタナチスのアジトね」
ラウ「あ、ああ……」

#6
 一行の目の前にはハーケンクロイツがデカデカと飾られたいかにもナチスですってな感じの建物があった。
 これでナチス残党のアジトじゃなかったら一体何なのかって言いたくなる光景である。
與鷹(よたか)「しかも、入口に見張りがいやがる……」
 まぁ、見張りの一人や二人はいるでしょうねぇ……とかなり
かなり「ま、こんなところでグズグズしている場合でもないでしょ」
與鷹(よたか)「お、おい、かなり……」
 慎重にコトを進めようとする與鷹(よたか)とは裏腹にかなりはドンっとかれんを突き飛ばし、アジトの前へ飛ばす
かれん「ちょ、ちょっと……」
かなり「かれん、命令よ!色仕掛けでもやってきなさい!」
 はいこれ、と直前にカラーボールを手渡していたかなりであった。
かれん「ちょっと、色仕掛けってカラーボールぶん投げることじゃないでしょっ!」
 アンタが本当に色仕掛けなんてできないでしょ?だからよ、これは姉の心遣いよとか、のたまうかなり
 そんな心遣いがあってたまるか!
*「貴様ら……」
 アジトの前まで無理やり進められたかれん
 そんな彼女を見たオルタナチスの軍人はニヤリと笑みを浮かべかれんに叫ぶ
*「待っていたぞ!」
ラウ「何だと?それはどういう?」
 思わずラウも乗り出して問いかける
*「貴様だけではなく、我々も諜報機関を持っているということだ!」
 更に漢は全身から緑色のオーラを噴出させながら叫ぶ
*「俺は緑光のティーガー!貴様らにさっそくシュヴェールトの力を見せてくれるわ!」
與鷹(よたか)「こいつ、王位なる吊り劔章(ダモクレス・ブレーディア)を……」
 かんならも颯爽と臨戦態勢を取る中、ラウが告げる
ラウ「いや、ここは私が相手になろう」
與鷹(よたか)「え?」
 ま、待ってくれ、奴はオーパーツを軍事利用している輩、通常の人間が敵う相手では……と與鷹(よたか)が告げるとラウ
は與鷹(よたか)を制止し、右目の眼帯に手を添えながらこう続ける
ラウ「隠しておくつもりはなかったが……私は、キッド・ソゥ・ファーレガウント……」
與鷹(よたか)「え?な、何?」
ラウ「ええと、日本語で言うならば……そう、拡張子だ!」
一同「……」
 明らかに翻訳を間違っている。場が凍り付く。
ラウ「ン、ゴホン……英語でいえばエクステンド・チャイルドだ!」
 顔を赧めながら訂正するラウであった。
 まぁ、簡単に言うと強化人間ってな意味合いである。
 ちなみに、余談であるがキッド・ソゥ・ファーレガウント(Kind zu Verlangert)はドイツ語でエクステンド・
チャイルド(Extend Child)……エクステンドは拡張、チャイルドは子なので愚直に翻訳すれば確かに拡張子であ
る……


続

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