Eighter -Midnight Howling-
28ther 〜闇影やみニ堕ツル混沌カオス A〜



#0
 龍脈エネルギーの軍事利用……それ裏から更に操っていた場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)。
 しかし、システムはEighterの手によって完全に破壊され、その計画は失敗に終わった。
 だが、しかし、野望は潰えていなかった。いや、理念は消えてはいなかったのだ。
 そして、これはそんな場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の新たなる暗躍……

#1
 光が指さない薄暗い謎の空間。……ここは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)、中でも人の姿を持つ高位存在が集う場所。
 現実世界ではなく、歴史の墓場にあると考えるのが妥当だろう……
憂粋(うぃすい)タブレ「《キツネザルの使徒》……」
 忌々し気に呟くタブレ。
 それはさておき、ヤツは空間スクリーンに何かを映し出し、せっせと作業を行っていた。
泥諏(でぃす)クォヴァ「傲慢は罪……見事に返り討ちらしいね……」
タブレ「黙れ……」
 ニヤニヤしながらタブレに語り掛けてくるクォヴァをギロリと睨み付けるタブレ
羅叉(らさ)タブラ「何か面白そうなことをやっているかもね、そっちは」
タブレ「人間(パーツ)風情が考えたシステムにしてはなかなか面白いシステムなのだ……」
 真似して作ってみているところだ……とタブレ
タブラ「龍脈エネルギーを利用するというあれかもか……」
歯付サヤ「確かに……あれは面白いシステムだったかしら……」
 とくに龍脈エネルギーが枯渇するとその大地に災厄が訪れるという点が気に入ったとサヤ
森メメント「ですが、結局欠陥である」
タブレ「……龍脈がなければ使い物にならないのだ……」
タブラ「それがあのシステムの最大の欠点……かもね……」
※どうでもいいけど、タブレとタブラって紛らわしいな……
*「だから、龍脈に頼らないエネルギー供給を行えるシステムを開発しようというのか……」
一同「ッ……!」
 突如背後から聞こえる声。その声に一行は硬直する。
 この声の持ち主はタブレらの更に上の権限や力を持つ場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)。

 彼ら(彼女ら?)の逆鱗に触れようものなら、タブレらに明日はない。何か間違ったことをしでかしてしまった
のだろうか、と冷や汗がダラダラ止まらない一同。
 そのまま次の言葉を待っていると……

*「いいね、それ、面白い……」
一同「へ?」
 姿は見えないが、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべているだろうということは想像に難くない。
*「名前は冥王の心臓なんてどうだい?」
タブレ「冥王の……心臓……?」
*「ああ、異次元に隠された無限のエネルギー供給システム」
 ならば、この名称以外にふさわしいものはない。
※って冥王計画(プロジェクト)ゼオ〇イマーかい!

#2
タブレ「な、なるほど、それはなかなかいいのだ……」
一同「え?」
 システムに冥王の心臓という貰った際、タブレは納得するのだが、回りはぎょっとする。
 それもそのはずである。既にシステム名称として『ネガティヴ・ソルナ』なんてものを考えていたタブレだった
からだ。
 さらに言うとシレっと名称を削除して冥王の心臓に書き直すということまでやってのけている。
※ちなみに、ソルナってのはSolとLunaの合成……太陽と月ってな意味ですね
 そして、まくし立てる。
タブレ「で、ですが、このシステムはまだ未完成もいいところなのだ……」
 歴史の墓場にエネルギープラントを設立し、現実世界ならどこからでもエネルギーを取り出せるという思想はと
もかく、肝心の取り出すエネルギーが……と根本的なことを言い出すタブレ
 冷や汗が止まらない。
 と、言うか、そんなシステム、作る前にもうちょっといろいろ考えた方がよかったのでは?
*「そんなことは、心配いらない……」
*「ツテはある……」
クォヴァ「ツテ……ですか?」
*「ああ、そうだ……」
 と、言うわけで、あとは実験あるのみ……とニヤリと邪悪な笑みを浮かべる彼ら(彼女ら?)暗がりの中にいて
姿形が見えないにも関わらず、その笑顔は不気味で背筋が凍るものであった。
*「そして、次は実験あるのみ……既に実験のための人間(パーツ)も見繕ってあるんだ……」
一同「……」
 タブレらは顔を見合わせて驚きの表情。既にここまで状況が進んでいるなんて……
*「陰惨なる、月と太陽の融合……その力がどんなものなのか、見てみようじゃないか」
タブレ「ッ!」
 やばっ、当初、システム名称をネガティヴ・ソルナにしてたけど、冥王の心臓に変えたこともバレてる……
 タブレは冷や汗が止まらなかった。
※まぁ、彼ら(彼女ら?)はタブレよりも上位存在の場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)なので、下位存在たるタブレらのやってい
 ることはまるっとお見通しってことなんですけどね……寧ろ、隠し通せると思ったのが間違い。きっとタブレの
 中の誇りが邪魔をしたんだろうなぁ……それはやっぱり驕りになったってことだろうけども
サヤ「……ええと、実験の場所や相手ってのは……」
*「ああ、そうだったね……」
 そういって上位存在は何か操作をする。
 するとタブレがさっきまで捜査していた機械のスクリーンにそれは映し出される。
一同「これは……」
*「面白そうだろう?」
 邪悪な笑みを浮かべる上位存在。一体、そこには何が……?


続

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