Eighter -Midnight Howling-
27ther 〜心冬にして絶望深 B〜



#3
 激突!けいVS可能性の魔獣の緋カーディナル・ビースト
 力を解放した可能性の魔獣の緋カーディナル・ビーストの前にけいは手も足も出ないかと思われたが、なぜか余裕で攻撃を受け止める。
 そんなけいにイライラしたクォヴァはけいの力を見極めようと一計を案じる?
泥諏でぃすクォヴァ「貴様はもう死ね!」
天然蛍あましか・けい「遠慮するね〜」
 ザバッ
 と、次の瞬間、けいに大量の水が浴びせられる
 どこからともなく可能性の魔獣の緋カーディナル・ビーストが水をぶっかけたのだ
かみ総介「フッ……どうやら、これで勝負は決まったな……」
山咲やまざきみ桜「ええ、そうですね……」
白拍子かんな「……」
 かんなもまた、神滅超越者ラグナロクエクセルをいつでも具現化できるように準備していた構えを解く
梓與鷹よたか「……」
 そして、やっぱり取り残される感じの與鷹よたかであった
クォヴァ「貴様が炎を使うならば、こっちは水を使えばよかっただけのことらしいね!」
 ニヤリと笑みを浮かべるクォヴァ……最早勝ったも同然と思っているのだろう……
 だが、それは甘い
けい「水、嫌いだって言ったのに……」
※言ったか言わなかったかで言えば、クォヴァに対しては言っていません
 カッ
クォヴァ「何ぃ?」
 次の瞬間、じめっとした熱風が辺りを包む
クォヴァ「何だ?この嫌な熱風……」
総介「お前がさっき水をぶっかけたからだろ……」
 それは熱せられて気体になった水のなれの果てだ……
クォヴァ「は?」
けい炎黒鎧爪えんこくがいそう」
 ゴガッ
 全身を黒き炎で覆ってさらなるパワーを引き出すけい
クォヴァ「な、何?何だ?これは……」
 あれから更に力を?……いや、さっきのアレはまだ全力では無かったと?
 これにはさしものクォヴァも驚かざるを得ない
 そして、今のけいの力量ならば、中位存在な場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツたる可能性の魔獣の緋カーディナル・ビーストでは歯が立たないことも感じ
とっていた
クォヴァ「フッ……」
けい「あまりしつこいと嫌われるよ……黒炎虎舞こくえんこぶ」
 ドゴッ
 黒き炎で虎を作り、爪と牙によって可能性の魔獣の緋カーディナル・ビーストを砕く
與鷹よたか「なっ、奴は可能性の魔獣の緋カーディナル・ビーストを捨て駒に?」
クォヴァ「何を驚くことがある?使えない道具は処分するに限るらしいだろ?」
與鷹よたか「……」
 なんて外道な考え……いや、これが、これこそが場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツなのだろうが……
けい「じゃ、次に処分されるのは君だね」
クォヴァ「笑えない冗談らしいな……」
けい「……あ〜〜ごめん、次じゃないかも……次の次かもしれないし、五つ先かもしれないし……いや、もしかした
ら、この章では処分されないかも……」
一同「……」
 なぜか確実に処分される回を当てるのに必死なけいであった
※ってか、物語の登場人物が『章』とか言うんじゃないよ!

#4
クォヴァ「その前に貴様を処分してやる!……恫喝する妬みジェラシー・アイスクリーム」
 叫ぶと同時に闇が形を成して剣となる
與鷹よたか「アレが奴の攻撃用場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……か……」
クォヴァ「消えろ!凛葬鋩怨りんそうぼうおんけい「ひょいっと……」
 間抜けな掛け声とともに回避すると、回避した先がめらめらと燃え始める
けい「……」
 なんだ、ひょっとして避けなくてもよかったんじゃないか?とか思うけい
クォヴァ「ふふふ……僕が攻撃を繰り出した先は嫉妬の炎で身を焦がすらしい……」
総介「正しく文字通りだな……」
與鷹よたか「いや、そうだけどさ……」
けい「Shitの炎?」
クォヴァ「あまり巫山戯ふざけたことヌかすと燃やすぞこの野郎!凛葬鋩怨りんそうぼうおんッ」
 ズドンッ
 いや、既に燃やしにかかってるけど……
けい「……嫌な炎……」
 だが、そんな炎を喰らっても……もとい、嫉妬の炎に身を焦がしてもけろりとしているけい
クォヴァ「な、馬鹿な……貴様……」
けい「うん、俺、炎攻撃で回復するタチなんだ……」
クォヴァ「そんな巫山戯ふざけた性質あるかッ!」
けい「え〜そんなこと言われても本当の事なんだから、しょうがないじゃん……」
クォヴァ「黙れッ!凛葬鋩怨りんそうぼうおんッ」
 ゴガアアアッ
 怒りに任せて嫉妬の炎でけいを焼く……
 だが、しかし、けいに炎は効かない……
 まぁ、場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツが放つ異界の炎故か、若干けいとは相性が悪そうだが……
クォヴァ「くっ……」
 ギリリと歯ぎしりをするクォヴァ
 どうやらクォヴァはけいと相性が最悪だということに今更ながら気付いた模様だ
※今更だなぁ……
クォヴァ(このまま死合っていても分が悪い……か……)
 だが、場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ人間パーツ如きになめられていいわけがない……
 だからこそ、この死合、引くわけにはいかない
クォヴァ「殺す!」
*「やめなさい……」
クォヴァ「ッ!」
與鷹よたか「何だ?」
 突如、どこからともなく声が聞こえる……
與鷹よたか「この感じは……」
 それは以前にも感じた……高位の場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツを止める声……
クォヴァ「で、ですが、――様……」
*「お前ではあいつとは相性が悪い……それに、今回はここまでだ……」
クォヴァ「クッ……おのれ、《キツネザルの使徒》!今回はここまでだ!」
けい「キツネザルの使徒ってなに?」
クォヴァ「黙れ!貴様に言っているわけじゃない!」
総介「逃げ帰るか……」
クォヴァ「五月蠅い!次……次に会ったときは貴様らを殺す!」
 そう言い残し、クォヴァはその場を後にするのだった……
けい「ふぁ〜、これでようやくお昼寝ができるね……」
一同「……」
 昼寝のために場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツを駆逐しに来たのか……と呆れる一行であった

#5
 一方……帰還したクォヴァはと言うと……
クォヴァ「くそっ!奴は……無茶苦茶だが、力はある、らしい……」
羅叉らさタブラ「荒れてるね、虫の居所が悪いのかもね……」
クォヴァ「五月蠅いよ、どうやら死にたいらしいね!」
森メメント「でも、確かに……アレは……相性が悪すぎたのである」
 普通じゃなかった……異常である我ら場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツから見ても……異常だった……
*「……まぁ、いい……だが、次は……こうはいかないんだな」
一同「……」
 場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……その暗躍はまだまだ続く……


END

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