Eighter -Midnight Howling-
26ther 〜夢穢されて非行有 C〜



#5
 新たなる高位の場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……奴は場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツも駆使して闘いを挑んできた……
 そして、そんな折、颯爽と登場するのは天然ボケのアイツ
天然蛍あましか・けい「もう、夢を穢すのはやめてくれないかな?」
泥諏でぃすクォヴァ「貴様はさっきから何をワケの分からないことを……」
けい「見たくもない悪夢を見せられるこっちの気にもなってほしいんだけど……」
クォヴァ「はぁ?」
けい「それに、最近全然見た夢を覚えられなくて……それもこれも、全部君たちのせいだからね」
梓與鷹よたか(いや、普通は見た夢を全て記憶は出来ないんだが……)
かみ総介(フッ、奴の類稀なる能力って奴だ!)
與鷹よたか(そんな能力もなんだか微妙だけど……)
*「ゴチャゴチャと五月蠅ぇな、おい!」
 と、そこへ一人の不良が参上する
 学ランに釘バット……彼はどこからどう見ても、不良そのものだった
與鷹よたか「なっ……」
 あいつは……今までのザコとは違う!
クォヴァ「ふふん、こいつは、適合者って奴らしい……」
 他の人間パーツはまるで獣のように理性を失い闘うだけのバケモノに成り下がったが、彼だけは違う!と豪語するクォ
ヴァ
総介「虹丘恒河……房総半島を縄張りにする暴走族、種無落花生団ジベレリン・ピーナッツヘッド……」
虹丘恒河「おうおう、よく俺の名を知ってるなぁ!」
総介「俺は警察の者なんでね……」
 と、SRAP手帳を見せて宣言する総介
恒河「ハッ」
 警察が怖くて暴走族が務まるか!といった感じの恒河であった。
 それはさておき、けいに対し、アアンと睨みつけるスタンダードな不良
けい「……それは夢創だね……」
 夢創……それは夢から何かを創造する術であり、ありし日の夢の腕スリーピング・グローリーの真骨頂とでも言うべき技術
 実はけいありし日の夢の腕スリーピング・グローリーを使わなくてもこれができたりする。
 と、いうか、そもそもけいのような特定の人間のみが使えていたその技術を万人でも使用できるようにしたのが、
ありし日の夢の腕スリーピング・グローリーである。
恒河「ああ?」
けい「まぁ、知らないならいいや……とっとと終わらせて……帰って寝たい……」
 ふぁ〜と欠伸を一つ。
 やる気がないように見えて実は……いや、本当にやる気がないのがけいの凄いところである。
恒河「だったら今すぐここで永遠に眠らせてやるぜ!」
 ズドガアンッ
 一気に飛び掛かりけい目掛けて釘バットを振り下ろす恒河
 しかし、すすす〜っと歩いたわけでもないの後退ってそれを回避するけい
恒河「なめるな!」
けい「あ、ひょいっと」
 ズパアンッ
 更に逆袈裟に振り上げる恒河、回避するけい……でもって背後の大木が両断される
與鷹よたか「んなあっ?」

#6
白拍子かんな「あれがありし日の夢の腕スリーピング・グローリーの……いえ、夢創の力ですね」
総介「……なるほどな……夢だから何でもありってことか……」
與鷹よたか「え?どういう?」
山咲やまざき桜「ああ、なるほど……つまり、あの釘バットは打撃兵器の形をした斬撃兵器ってことですね」
與鷹よたか「……え?」
 夢だから何でもありというのは正しくそういう意味だった
恒河「貴ッ様ァ!さっきからちょこまかと!」
 でもって、死合はというと、恒河の打撃に見えて実は斬撃……をことごと飄々ひょうひょうと回避していくけいにイライラが募って
いく恒河であった。
けい「え〜、だってそれ、当たると痛いし……」
與鷹よたか「いや、痛い程度では済まないと思うんだが……」
恒河「安心しろ!痛みを感じる間もなくあの世へ送ってやるわ!」
 この釘バットは俺の夢の中の結晶の産物……故に現実世界のどの刃物よりも鋭く滑らかで刃こぼれもしない、だか
ら斬られれば痛みを感じる暇もなく死ねる!と豪語する恒河
けい「死ぬのは嫌だなぁ……」
恒河「嫌でも何でも、死ねコラ!」
 場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに使われているが為に、人間を超越したスピードでけいの背後を取る恒河
 ズダアンッ
 そのまま背後から唐竹を割る感じでけいを両断
けい「残念ハズレ〜」
 だが、しかし、それは残像だったのか何だったのか……ともかく、けいは無傷で恒河の更に後ろに居た
與鷹よたか(なっ、今のは……全く見えなかったぞ……)
総介(見えなかったと言うよりは……むしろ……)
恒河「甘いわ!貴様がそう来るだろうってことは一万年と二千年前から分かっていたんだよッ!」
 何故か唐突に何かの歌詞を叫ぶ感じで振り向きもせずに背後のけいに対して釘バットを振り抜く!
けい「ぐううあああっ」
 哀れ、けい……横一文字に両断さて上半身が地面に崩れ落ちる
恒河「フッ決まったぜ!」
けい「……何が?」
一同「なっ、馬鹿なッ!」
 しかし、ケロリと一行の前に無傷で立っているけい
クォヴァ(馬鹿な……奴は……今何をした?)
 殺されたはずだ……奴が両断され、血飛沫が舞うシーンを数秒前にキッチリと確認した……なのに、なぜ、奴は
無傷で生きている?
 と、これにはクォヴァも驚きを隠せない
けい「夢でも見たんじゃないの?」
恒河「巫山戯ふざけるなぁッ」
 ドッ
 怒りに任せて斬撃兵器な釘バットを袈裟気味に振り下ろす恒河
 そして、それを左手で受け止めて見せるけい
恒河「何だと?」
けい「よいこはもう目を覚ます時間だよ?」
※いや、普通逆です
 そう呟いた次の瞬間、サラサラと釘バットが崩れ去って行く
クォヴァ「馬鹿な……有り得ない!場違いな黒き遺物僕たちの力でコーティングした兵器が……ただの人間パーツ風情の手で砕
かれるなどと……」
恒河「う……おおおお……」
けいVS恒河……ここに決着?


続

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