Eighter -Midnight Howling-
26ther 〜夢穢されて非行有 B〜



#3
 法改正に伴い『消える特少帰り』……だが、そんなこととは別に本当に御勤め御苦労な非行少年が行方を晦ます
真の意味での『消える特少帰り』事件が発生……
 そこには新たなる高位の場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ泥諏でぃすクォヴァの姿があった
*「おあああああッ!」
梓與鷹よたか「くそっ、何なんだ、こいつら?」
 迫る非行少年をちぎっては投げ、ちぎっては投げ……それでも、疑問を投げかける與鷹よたか
かみ総介「場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに汚染されて、人間をやめた連中だ」
與鷹よたか「いや、そう言うことじゃなくてだな……」
泥諏でぃすクォヴァ「……折角だから、教えてあげよう……彼らを突き動かすモノが何であるか」
 そう言うと、その後ろに音もなく出現する謎の白いお姉さん
 目が前髪で隠れ……そして、一本の角のようなモノが飛び出るカチューシャをつけたそれも、クォヴァと同じく
場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……
クォヴァ「可能性の魔獣の緋カーディナル・ビースト……彼らあのパーツども内に眠る凶悪性を完全に解放させる代物らしいよ」
與鷹よたか「そうかよッ」
 ドカンと襲い来る非行少年を叩きつぶしつつ、與鷹よたかが呟く
※なお、與鷹よたか與鷹よたかで最早元には戻せないと分かっていても非情にはなれず、非行少年を無力化しております。
 奴らはもうダメだ……と非情にも殺しにかかる総介とは大違いですね
*「おあああっ!」
 しかし、斃しても斃しても起き上がり、攻撃を繰り出してくる非行少年の前に與鷹よたかも気圧される
與鷹よたか「くそっ」
 そして、彼らは次々にその手に何やら新しい武器を創り出しては襲ってくる
 まぁ、最も、ナイフとかバットとかそんな感じの打撃武器で銃が出てこないのがせめてもの救いではある
※ただ、銃が出てきても與鷹よたからには通用しないと思うけどね、寧ろ痛痒?
與鷹よたか「くそっ……ああやって次々と見境なく武器を生み出すのもあの場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツの力ってわけか」
白拍子かんな「違います……」
クォヴァ「ほほう?……流石は《キツネザルの使徒》……気付いていらしいね?」
與鷹よたか「え?……どういうことだ?」
かんな「……彼らが手にしているのは……」
総介「やはり、場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツか!」
かんな「そうです……あれは、ありし日の夢の腕スリーピング・グローリー」
 見た夢を現実の物とする場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツですと続けるかんな
與鷹よたか「何だって?」
 驚きに目を瞠る與鷹よたか
クォヴァ「……フフフ……人に道具パーツとして使われる愚かな場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツ……そして、それを使う人間を道具パーツと
してさらに使役する我ら、場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……」
 これぞ究極の使い方だ!とクォヴァ
 そんなやり方があったなんて……と與鷹よたか
*「なるほど……少しは考えたようだけど、それは正しい使い方ではないね」
與鷹よたか「貴様はッ!」
 と、その時、一行の背後で声……それは《シルエット》だった
クォヴァ「……存在もしない輩が……それよりも何だって?正しい使い方ではない?」
 何を馬鹿なことを……と一笑するクォヴァ

#4
*「間違った使い方を間違っていると指摘するのは当然のことだよ」
クォヴァ「黙れ!」
*「そもそも、君は……場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツの本質を理解していない……」
クォヴァ「巫山戯ふざけるな!場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツのこの俺が、自分のコトを理解していないなどと……」
*「シャアアアアッ」
 クォヴァの怒りに呼応するかのように《シルエット》に襲いかかる非行少年
 だが、彼らは《シルエット》をすり抜けそのまま同志討ちのような感じとなり激しく激突する
*「ああ、無駄だよ……僕はここにはいないからね……」
総介「……では、お前は何をしに来たんだ?」
*「……いや、ちょっとばかしお話を……」
総介「……フン、悠長なことだ……」
*「本当は時間稼ぎだったんだけど……それも、もう終わったから……ここでお暇させてもらうよ」
クォヴァ「貴様はそこで永遠に暇をもらっておけ!」
 ズドガアアッ
一同「何?」
 消える《シルエット》、そして、たとえ一矢報いることができないと分かっていても許せないので攻撃を繰り出
すクォヴァ……だが、その攻撃は別の者の介入によって阻まれる……と、言うか弾き飛ばされる
天然蛍あましか・けい「……見つけた……夢を穢すもの……」
與鷹よたか「お前は……」
 天然ボケのあの人……思わず、セットで登場する突込魁とつこみ・かいがどこかにいるんじゃないかとキョロキョロとあたりを
見渡す與鷹よたか
 余裕ですね……
クォヴァ「時間稼ぎ……だと?」
けい「ねぇ、君は……勝手に夢を穢されたらどう思う?」
 くいぃっと首を傾げて、無表情なまま呟くけい
クォヴァ「はぁ、何をワケの分からんことを」
けい「いいから、答えてよ……制限時間は……そうだな、一光年くらいで」
一同「それは時間の単位じゃねぇよ!」
 思わず突っ込まざるをえない一行……
総介「フッ、どうやら今回は楽が出来そうだな……」
 その後、ニヤリと笑みをこぼす総介
與鷹よたか「いや、楽が出来そうって総……」
クォヴァ「まぁ、いい……勝手に闖入してきたことをあの世で後悔するんだな!」
 気を取り直し、パチンと指を鳴らすと同時に一斉に非行少年どもがけいに襲いかかる
けい「……あ〜、うん、こうかな」
 パチンッ
 けいも何か対向して見よう見まねで指パッチン
クォヴァ「フッ……何を」
 ボッ
一同「何ぃい!?」
 だが、次の瞬間、けいに襲いかかろうとした非行少年その全てが炎に包まれる
*「ガアアアアアッ」
 そして、彼らが手にした武器……ありし日の夢の腕スリーピング・グローリーが燃えて無くなる
クォヴァ「何だ、貴様は……」
けい「……え〜〜っと……あ、そうだ、思い出した、天然蛍あましか・けいって言うんだ」
クォヴァ「自分の名前も忘れるんじゃねぇよボケが!」
 思わず突っ込んでしまうクォヴァであった……
 このままけいのペースに巻き込まれて散るのであろうか……それとも?


続

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