Eighter -Midnight Howling-
25ther 〜とある封廟の禁渦フォビドゥンヴォーテクス C〜



#5
 あらゆる物を驕らせて無力化する場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の技、転静曦禍(てんじょうぎか)
 しかし、その技を破る唯一の方法をかんなは知っていた。
 と、言うわけで領域外の慢心から窮地に追いやられた憂粋(うぃすい)タブレ……このまま死合は幕引きとなるか?それとも
……
憂粋(うぃすい)タブレ「《キツネザルの使徒》……」
 ギロリとかんなを睨み付けるタブレ
タブレ「僕の誇りにかけて、お前を殺す!」
 祝福無き強いる義務(ノーブレス・オブリージュ)を構えなおして叫ぶタブレ
*「そこまでだ!」
一同「何?」
 と、そのとき、どこからともなく声が響く
タブレ「ッ……!――様……で、ですが……」
 タブレの反応からわかるように、それはタブレよりも高位の場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)
*「退けと言ってるのだが……まさか、命が聞けないのか?」
 そういわれると何も言えなくなるタブレであった。
タブレ「ぐっ……ぐぐぐぐ……《キツネザルの使徒》!これで終わったとは思わないことだな!」
 祝福無き強いる義務(ノーブレス・オブリージュ)をビシっと突きつけて叫ぶと、タブレの足元に突如闇の穴が発生。
 すぽんと落とし穴にはまるが如くタブレはその場から忽然と姿を消すのであった
梓與鷹(よたか)「いかにもってな感じの捨て台詞だったな……」
(かみ)総介「フッ」
元人交喙(いすか)「って、待ってくれよ、さっきのは何なんだ?」
山咲(やまざき)桜「あれは、更に裏で暗躍する場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)……」
 タブレらよりも上位の存在……
交喙(いすか)「おいおい、まだ上がいるってのかよ……」
 信じられないな……と交喙(いすか)。
百鬼あろえ「さて、そんなことはおいといて、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)も退けたことだし、依頼も達成ってことよね」
白拍子かんな「いいえ、まだ終わってませんよ」
 首をふるふると横に振りつつかんなが呟く
與鷹(よたか)「そりゃそうだ……」
 まだ稼働しっぱなしのドラゴンクロニクルをぶっ壊し、そのデータを奪還するって作業が残っているんだからな
……と與鷹(よたか)が続けるが、そこに総介が口をはさむ
総介「いや、そうではない」
交喙(いすか)「おいおい、どういう意味だよ?」
総介「コレを見ろ」
 そういって総介はCPMGを取り出しみんなにその画面を見せる。
 そこには龍脈エネルギーが急激に回復しているような様がグラフィカルに映し出されていた。
交喙(いすか)「なんだよ、龍脈エネルギーが復活してるんじゃないか」
與鷹(よたか)「いや、ちょっと待て……これって……」
かんな「ええ、システムの逆転……」
 龍脈エネルギーを取りつくすのではなく、逆に龍脈にエネルギーを送り込む。

#6
交喙(いすか)「ってか、それのどこが悪いんだ?」
 龍脈エネルギーが枯渇すると災厄が訪れるって話は聞いたが、龍脈にエネルギーを補充してくれるのなら、それ
は寧ろ願ったり叶ったりではないのか?
桜「はぁ……」
 そんな交喙(いすか)を見下す感じでため息ひとつ。それは交喙(いすか)の精神に多大なダメージを与えた。
桜「龍脈エネルギーが枯渇するのも問題ですが、過剰に溜まるのもまた問題ということです」
総介「そういう事だ。限界を超えて補填された龍脈エネルギーはやがて大爆発を起こす」
かんな「それは龍脈エネルギーが枯渇するのと同じくらいか、それ以上に酷い結末を生むということです」
交喙(いすか)「マジかよ!?」
 だから、一刻も早くドラゴンクロニクルを止めなければならない。
 それがEighterの今回の最後の仕事だ。
※なお、これはタブレの置き土産であったことは言うまでもない。

 と、言うわけで一行はドラゴンクロニクルが稼働している部屋へと突き進む。
百鬼あろえ「これが、ドラゴンクロニクル……」
 部屋の真ん中には地面に突き刺さる槍の様なものが一本、眩い光を放っていた。
交喙(いすか)「おっしゃ、さっそく破壊すっか!」
 叫ぶとともに金匙玉楊(きんしぎょくよう)を構える交喙(いすか)。心なしかウキウキしているように見えるのは気のせいだろうか……?
かんな「いえ、まだです」
與鷹(よたか)「まだって……」
 そんな交喙(いすか)を制止。そのままかんなはドラゴンクロニクルの前に立つ。
 一体、何を待っているんだ?と交喙(いすか)が思っていた矢先、神滅超越者(ラグナロクエクセル)を振るうかんな
かんな「根源舞刃(こんげんぶじん)」
 バシュッ
 失敗すれば辺り一面もろもろ巻き込んで虚無へと帰る危険な技だが、成功すればあらゆるものを存在ごと抹消で
きる技が炸裂、ドラゴンクロニクルはまるで最初からなかったかのように消え失せたのであった。
 無論、運の女神として名高いかんなだからこそ成功できる禁断の技である。
総介「フッ、龍脈エネルギー99.99%……神業だな……」
 CPMGを見て総介が呟く。
 そう、すべてはこの一瞬の時のため……限りなく龍脈エネルギーを回復させたうえでシステムを抹消する。
 これで今度こそ今回の任務は終了である。
與鷹(よたか)「ああ、これか、ドラゴンクロニクルについて収められているメモリースティックは……」
 更にデータも奪還。
 あとは悠々と帰るだけだ。
総介「帰るぞ……」
一同「おお!」

#7
 その後のことについてだが……後詰としてやってきた自衛隊海軍特務、シーゼロの働きにより自衛隊海軍の癌細
胞こと銀鯱(ぎんしゃち)は全員が拘束され、留置場へ送られる。
 こうして、銀鯱(ぎんしゃち)は壊滅することとなった。

 そして……
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
與鷹(よたか)「ドラゴンクロニクルの悪用を防ぎ、データを取り戻したぞ……」
中谷穂乃佳、中谷頼史郎「あ、ありがとうございます!」
総介「だが、お前たちの考えたシステムには課題が多すぎるのも事実」
穂乃佳「そ、それは……」
頼史郎「ごもっともで……」
 返す言葉もない二人。
頼史郎「ですが、いつの日か必ず龍脈エネルギーを有効活用できるようにして見せます」
穂乃佳「実は消費した龍脈エネルギーを補充する仕組みを考えていたんです」
頼史郎「何?それはすごいことじゃないか!こうしちゃいられん!さっそく実験に」
穂乃佳「ええ、行きましょう!」
 未来に希望を抱き、二人はEighter本部を後にするのだった。
あろえ「ってか龍脈エネルギーを補充するってどうやるのかしら?」
一同「知らんわ!」
 龍脈エネルギーの放電システムは一応の完成を見せた、次は充電と発電だ……
 果たして、そんなことは本当に可能なのか……それは誰にも分らない。


END

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